第5回CRCと臨床試験のあり方を考える会議 2005 in 横浜
 
トップページへ
 
プログラム詳細ページへ
 
参加受付へ
演題募集詳細ページへ
 
交通詳細ページへ
リンクページへ
 
薬剤と心電図変化
川崎医科大学附属病院
泉 礼司

 病院の日常診療現場では、数多くの薬が使用されている。薬は、それ自身がもつ有効な作用を期待して投与されるが、時にはその一方で、望ましくない副作用の出現に悩まされることも少なくない。薬の副作用として、循環器系薬剤が心拍に影響を及ぼす頻度が最も高い。
 抗不整脈薬投与により新たな不整脈が誘発されたり、既存の不整脈が悪化することを催不整脈作用(不整脈増悪作用;proarrhythmia)と呼んでいる。例えば、心電図でのQT延長(活動電位持続時間の延長)は心筋の不応期を延長させてリエントリー性の期外収縮や細動、頻拍を抑制する作用を持つが、同時に固有の催不整脈作用すなわち心室性不整脈、特に多形性心室頻拍(torsades de pointes)から心室細動への移行が問題となっている。更に、本来心臓への影響を予測し得ない非循環器系薬剤においても同様な現象を認めることがあり、注意が必要である。今回は薬の投与によって心臓に影響を及ぼし、心電図変化をきたした事例について解説する。