第10回記念大会 CRCと臨床試験のあり方を考える会議2010 in 別府

会議代表挨拶

会議代表:中野 重行

開催のごあいさつ

創薬育薬医療チームの育成とプロフェッショナルとしての役割

第10回CRCと臨床試験のあり方を考える会議 2010 in 別府
会議代表 中野 重行

  今回の会議は第10回記念大会になります。第1回会議は2001年に別府で開催されましたが、10年を一つの節目として、本会議のあり方を見直す意味もあり、原点となった別府に戻ってきました。そのため、毎年1日半の開催であった本会議ですが、今回は2日半の会期を組んでおります。
  1997年新GCPの時代に移行する際に、治験の部分だけが法制化されたという事情もあり、治験支援スタッフ養成の必要性が高まり「治験コーディネーター」としてCRCが誕生しました。CRCの本格的な養成研修が始まったのは、翌1998年のことです。日本薬剤師研修センター[ 厚生労働省の研修を担当 ]、日本看護協会、日本病院薬剤師会、文部科学省の4団体が、個別にCRC養成研修会を開始しました。その後日本臨床衛生検査技師会がこれに加わっております。
  2001年春、日本臨床薬理学会、日本看護協会、日本病院薬剤師会、日本臨床衛生検査技師会、日本薬剤師研修センター、日本製薬工業協会の6つの団体が「CRC連絡協議会」(代表世話人:中野重行)を結成し、共通の話し合いの場として「CRCと臨床試験のあり方を考える会議」を開催することになり、毎年秋に開催してきました。現在このCRC連絡協議会は、日本SMO協会が加わり7つの団体が一緒に話し合いながら運営しております。その後CRCは本来の言葉のとおり、臨床研究コーディネーター(Clinical Research Coordinator)として育っています。
  治験を含む臨床試験は、依頼者となることの多い企業サイドと実施医療機関の研究者や支援するCRC達だけでは成り立ちません。被験者として参加していただく患者を含む一般市民サイドと全体の枠組みを作っている行政の方々の協働により初めて成功します。医薬品や医療機器の評価だけでなく新しい診断法や新規医療の開発のための臨床研究でも、同様のことが言えます。わが国の現状から考えて、「創薬育薬医療チーム」を諸々の臨床研究チームのモデルとして位置づけ、「創薬育薬医療チームの育成」とチームの一員として働くメンバーの「プロフェッショナルとしての役割」を、今回の会議では参加者一同、一緒に考えてみたいと思います。現在直面している種々の問題について、多職種の皆さんが日本一の温泉どころ別府に集い、CRCと共に一堂に会して話し合い、課題の解決と今後の展望を行うという有意義な会にしていただくことを願っております。

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