第23回 CRCと臨床試験のあり方を考える会議 2023 in 岡山
次世代への架け橋 〜患者のため、社会のために必要な臨床試験のあり方〜

プログラム・日程

更新日:2023. 10. 3

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備考
会議代表講演 次世代への架け橋~患者のため、社会のために必要な臨床試験のあり方~
特別講演1 医療業界におけるイノベーションの軌跡と未来-これからの地域医療を支えるために-
特別講演2 臨床研究力の向上について
S1 次世代の臨床試験現場はどのように変わっていくか~CRC,CRA双方から視る、臨床試験現場の変化
S2 あなたが「CRC」を語るとき、愛・相・合を活用しよう~未来のCRCを養成し、CRCの輝きを伝えるための工夫~
S3 次世代に向けたリスク評価に基づくプロセス構築について考える~治験依頼者・医療機関双方にとってのサステナブルなあり方とは~
S4 CRC経験を生かし、夢と誇りを持ったキャリアパスとは
S5 患者報告アウトカムについて考えよう
S6 患者・市民が求めるPPIとは
S7 多様な視点から治験・臨床研究におけるPPI活動を考えよう!
S8 医療機関の来院に依存しない臨床試験(DCT)について考えよう
S9 魅力あふれるCRCを目指してー業務の効率化の観点から働き方を見直してみようー
S10 これからの治験モニタリング手法について考える~リモートアクセスと医療情報閲覧方法のあり方とは~
S11 治験費用算定のパラダイムシフト~ベンチマーク型コスト算定の導入経験から見えた医療機関における課題と対策~
S12 ICF共通テンプレートを導入して初めて分かったこと~事件は現場で起きている~
S13 医療機関および治験依頼者が取り組む戦略的な症例登録の促進~日本が国際共同試験に選ばれ続けるために~
S14 リーダーの「やってはいけないこと」と「これだけはやること」を考えてみよう~モチベーション高く、ポジティブシンキングの職場づくり~
S15 臨床試験を“社会と共に創る”、臨床試験で“社会を共に創る”時にCRCができること
S16 20年を迎える日本の医師主導治験の過去、現在、そして将来の展望
S17 どこまでできるか日本のDCT~DCT実装、それぞれのカタチ~
公募シンポジウム1 電磁化は新たなステージへ~システム移行を乗り越えた、その先にある未来~
公募シンポジウム2 臨床研究の審査~一般委員の育成から始まるバタフライ効果~
座談会1 治験使用薬に関する課題と解決方法をCRCと共に考える! ※現地開催のみ
座談会2 良好なコミュニケーションのためにお互いを「知る」ことから始めよう~CRCとCRAの相互理解にむけて~
※事前アンケートは終了しました。
座談会3 疾患進行した時の被験者さんとの関わり
座談会4 データマネージャとCRCの視点の違い ~データについて考えてみよう!~
セッション タイトル 事前
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備考
パネルディスカッション 治験だけじゃない!指針、臨床研究法、真なる規制を扱う研究現場の現状
WS1 認定臨床研究審査委員会は臨床研究の橋脚である!-適正な審査へ導くために私にできること-
※定員に達しましたので、受付を終了させて頂きました。多数のお申込をありがとうございました。
※現地開催・事前参加希望者のみ
WS2 コミュニケーションのスキルを磨こう! ~事実・感情・思考を分けて伝える~
※定員に達しましたので、受付を終了させて頂きました。多数のお申込をありがとうございました。
※現地開催・事前参加希望者のみ
一般演題口頭1 Be ambitious!~新人一般演題による口頭発表セッションin 岡山~
一般演題口頭2 Full of energy! ~選出された一般演題による口頭発表セッション ~
WEB企画
教育公演1
DCT関連規制・ガイダンスの動向 〜治験の実際に役立つヒントを得よう〜
WEB企画
教育公演2
GCP省令、臨床研究法及び生命・医学系指針の最新の動向について
WEB企画
教育公演3
安全性データの収集方法が変わる?~ICH E19ガイドラインの臨床試験現場へのインパクト~
WEB企画
教育公演4
臨床試験レイサマリーの現状と本邦での普及へ向けて
WEB企画 CRC あり方ラジオ in 岡山:治験の課題をTransforming
WEB企画 プログラム委員と“ブラブラ”巡るポスターツアー
共催セミナー1 データインテグリティ、その意味を改めて認識し浸透していくために三団体によるデータインテグリティ宣言とその啓発活動の報告 後日オンデマンド配信は10/2~10/31
共催セミナー2 セントラルIRBの利活用を考える(治験の国際競争力維持のために) 後日オンデマンド配信は10/2~10/31
共催セミナー3 臨床試験の未来に向けて:~DCTのその先に−MCTC(Modernizing Clinical Trial Conduct)~ 後日オンデマンド配信は10/2~10/31
共催セミナー4 我が国の医薬品産業が目指す姿 ~創薬力の強化育成におけるCRCへのエール~ ※現地開催のみ
共催セミナー5 治験アンバサダー(治験の適切な理解と患者の治験参加の意思決定を支援する取り組み)
共催セミナー6 日本がグローバル試験から排除される日 ~5年間で我々は変われたのか?最悪のシナリオを回避するための意識・行動改革~ 後日オンデマンド配信は10/2~10/31
共催セミナー7 リモートアクセスモニタリングの有用性について改めて考えてみよう 後日オンデマンド配信は10/2~10/31
共催セミナー8 セントラルIRBの利活用を考える ~その最初の一歩を踏み出すために~ 後日オンデマンド配信は10/2~10/31
共催セミナー9 未来につながるサステナブルな治験電磁化への取組み 後日オンデマンド配信は10/2~10/31
共催セミナー10 テクノロジーを活用した臨床試験の浸透と医療機関における業務変化 ※現地開催のみ
共催セミナー11 DCT特論:分散化が加速する臨床試験の未来!医療機関との共創がもたらす新たな社会基盤構築 〜業界特化テクノロジースタートアップの役割〜 ※現地開催のみ
共催セミナー12 ブロックチェーン技術を用いた臨床試験システムについて、医療機関での導入で見えた効果と課題(SUSMED SourceDataSync® を導入した第三相試験の事例) 後日オンデマンド配信は10/2~10/31
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備考

(9月15日現在)

会議代表講演

●次世代への架け橋
~患者のため、社会のために必要な臨床試験のあり方~

9月16日(土) 10:00〜10:30
第1会場

座長:佐々木 由紀(北海道大学病院 医療・ヘルスサイエンス研究開発機構)

演者:黒田 智(岡山大学病院 薬剤部,新医療研究開発センター 治験推進部)

特別講演

●特別講演1
医療業界におけるイノベーションの軌跡と未来-これからの地域医療を支えるために-

9月16日(土) 10:40〜11:30
第1会場

座長:座間味 義人(岡山大学病院 薬剤部)

演者:武田 泰生(一般社団法人日本病院薬剤師会 会長)

●特別講演2
臨床研究力の向上について

9月16日(土) 13:30〜14:20
第1会場

座長:黒田 智(岡山大学病院 薬剤部,新医療研究開発センター 治験推進部)

演者:楠岡 英雄(独立行政法人国立病院機構 理事長)

シンポジウム

●シンポジウム1
次世代の臨床試験現場はどのように変わっていくか
〜CRC,CRA双方から視る、臨床試験現場の変化と対応について〜

9月16日(土) 14:30〜16:30
第1会場

座長:小川 武則(日本CRO協会/メディカル・データ・ビジョン株式会社)

座長:椿 敦(日本SMO協会/株式会社アイロム)

概要

1998年に新GCPが施行されて以降、全国治験活性化3カ年計画(2003年4月30日)、新たな治験活性化5カ年計画(2007年3月30日)、臨床研究・治験活性化5カ年計画2012(2012年3月30日)と臨床試験活性化のための取り組みが進められてきた。それに伴い、EDCやIXRS、e-Pro/e-COA、リモートアクセスなど、様々なデジタル化が進められてきた。
そしてICH-GCP E6 (R2)において、リスクに基づくアプローチ(RBA)を用いて、品質マネジメントシステム(QMS)を履行することが定められ、最近では分散型臨床試験(DCT)や研究への患者・市民参画(PPI)、ベンチマーク型コスト算定(FMV)など臨床試験の活性化、効率化のために様々な考え方、手法が行われるようになった。
臨床試験効率化のための考え方や手法について臨床試験現場でどのような影響を及ぼしているかを、あり方会議ではこれまで様々な解説、議論を行ってきた。そしてまた、効率化に貢献すると考えられている手法でも実際の臨床試験現場での様々な課題について明らかになってきた。
今一度、現場で日々臨床試験と向き合っている方々の目線で臨床試験現場の現状と次世代に向けた変化と課題、それらに対応するためにCRCやCRAのあるべき姿について考えていきたい。

S1-1 今後の臨床試験の変化と活性化のために必要なこと

演者:佐藤 暁洋(国立がん研究センター東病院)

S1-2 製薬企業から見た日本の臨床試験の展望と課題

演者:松澤 寛(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会/アステラス製薬株式会社)

S1-3 臨床試験現場の変化と次世代CRCに求められる要件

演者:板﨑 沙織(日本SMO協会/シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社)

S1-4 次世代のモニタリングと臨床現場への影響

演者:青山 涼子(日本CRO協会/パレクセル・インターナショナル株式会社)

●シンポジウム2
あなたが「CRC」を語るとき、愛・相・合を活用しよう
〜未来のCRCを養成し、CRCの輝きを伝えるための工夫〜

9月16日(土) 16:40〜18:10
第1会場

座長:難波 志穂子(岡山大学病院 新医療研究開発センター)

座長:木村 雪絵(国立がん研究センター東病院 研究実施管理部 ローカル支援室室長)

概要

本邦において、雇用機会の創出は喫緊の課題となっており、「雇用創出を円滑に進めるためには、雇用の受け皿づくり、そこにおける人材ニーズの把握、それに応じた人材育成、労働移動の円滑化など、諸施策を一体的・総合的に展開していくことが不可欠」と厚生労働省はのべています。
治験の現場においても給与・待遇と仕事内容が釣り合っているか、ワークライフバランス、やりがいなどの優先度を検討しながら、就職・離職は決断されています。
一方で、「治験」や「CRC」についての認知度を向上させ、担い手を増やす機会や方法については、まだまだ十分に議論されていません。学生や医療現場で働くスタッフに対して「CRC」を仕事の選択肢として思い描いてもらうための工夫、CRCの輝きを知ってもらう方策をともに考えてみませんか。
本セッションでは、【愛:仕事への愛情】、【相:相手が興味を持つきっかけ】、【合:特性に合う部分】の、愛・相・合の視点から未来のCRCを見つけ、育成していくためのきっかけになると幸いです。

S2-1 「治験」の現場で働く薬学部教員が学生に教えるCRCとして働く選択肢

演者:山崎 太義(昭和大学薬学部臨床薬学講座臨床研究開発学部門、昭和大学臨床薬理研究所)

S2-2 未来のCRCを引き寄せる:興味、やりがい、そして楽しさ

演者:中川 英子(公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院 臨床研究センター 臨床研究支援室)

S2-3 CRCの輝きを学術集会でアピールすることの重要性

演者:友常 雅子(地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立小児総合医療センター)

S2-4 CRCの魅力を楽しく伝える

演者:小林 久子(大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部 臨床研究センター)

●シンポジウム3
次世代に向けたリスク評価に基づくプロセス構築について考える
〜治験依頼者・医療機関双方にとってのサステナブルなあり方とは〜

9月16日(土) 14:30〜16:30
第2会場

座長:新井 清和(株式会社EP綜合 CEO室)

座長:小島 美樹子(広島大学病院 広島臨床研究開発支援センター)

概要

ICH-E6(R2)に品質マネジメントに係わる記載が盛り込まれ、GCPガイダンスでは品質マネジメント(Quality Management System:QMS)が明記された。被験者保護や信頼性の高いデータの確保をする上でリスク評価に基づくプロセス構築を適切に行うことは医療機関にとっても重要になってきた。試験の特徴やデータの多様化に適切に対応することを目的とした、GCPリノベーションではFitness for Purpose、Critical to Quality(CTQ)、Quality by Design等の考え方が示された。昨今のDCT(分散化臨床試験)やDX(デジタルトランスフォーメーション)の普及、COVID-19の流行等、私たちが携わっている臨床試験では様々な環境や技術の変化への対応が重要となっている。従前より行われてきた“出口管理”から“プロセス管理”を意識した取り組みを多くの医療機関で実施している一方、「どのようにプロセス管理の実装や手順書をしたらよいかわからない」や「依頼者が求める手順と通常診療との手順がかけ離れている」という声も上がっており、課題も未だに残されているのではないだろうか。
本シンポジウムでは、臨床試験に携わるそれぞれの立場の方々より発表をしていただき、今後、様々なタイプの臨床試験に対して、治験依頼者と医療機関双方にとってサステナブルなプロセス管理の具体的な取り組みについて考える機会となれば幸いである。

S3-1 計画から実施まで一貫した品質マネジメントを目指した臨床試験の質の確保

演者:塩見 輝朗(日本製薬工業協会医薬品評価委員会 臨床評価部会/アステラス製薬株式会社)

S3-2 アカデミアのDM(データマネジメント)によるRBAの取り組み事例と課題

演者:池田 裕弥(国立がん研究センター東病院 臨床研究支援部門診療研究推進部データ管理室)

S3-3 化学療法室を利用する治験のリスク評価とプロセス構築~多職種で取り組む!広島大学病院の試み~

演者:小島 美樹子(広島大学病院 広島臨床研究開発支援センター)

S3-4 SMOにおけるプロセス管理の取り組み ~CRCの生の声と直面している課題~

演者:植木 緑(株式会社EP綜合 広島支店)

●シンポジウム4
CRC経験を生かし、夢と誇りを持ったキャリアパスとは

9月16日(土) 16:40〜18:10
第2会場

座長:前川 茜(藤田医科大学)

座長:後藤 美穂(トライアドジャパン株式会社)

グラフィックレコーディング:𠮷川 観奈(株式会社EP綜合)

概要

高度なコミュニケーション能力や専門的な知識をもつ臨床研究コーディネーター(CRC)は、わが国の治験・臨床研究を進めるにあたってもはや必要不可欠な存在であると言えよう。臨床研究コーディネーターが誕生して26年が経とうとしている今、当初から活躍しているCRCは今、どのような立場・環境で活動しているのだろうか。また、部署間の人事異動や配置換えでCRCとなり、その後再び異動となった場合、CRCのキャリアはどのように生かされるのだろうか。ベースとなる職種からCRCへ、その先の役職へのキャリアアップの例、CRCの経験を生かして医療現場で活躍する例、また、中堅CRCが目指す専門職を紹介したい。本セッションが、今後のキャリアに悩むCRC、これまでの経験を生かし更にステップアップしたいCRC、出世したいCRC(私です)が明日から輝き、夢と誇りを持って頑張れるヒントとなれば幸いです。

S4-1 CRC 経験を生かしたステップアップ(薬剤師の立場から)

演者:水井 貴詞(岐阜市民病院)

S4-2 看護管理者から臨床研究支援組織管理者へ
「CRC」が好きであり続けるために担った役割と結果でしかない

演者:谷川 郁惠(株式会社アイロムIR/元:藤田医科大学 治験・臨床研究支援センター)

S4-3 CRC経験を生かしたキャリアパスの可能性

演者:東影 明人(岡山大学病院 医療技術部検査部門)

S4-4 がん看護実践に役立っているCRC経験

演者:櫻井 真知子(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター)

S4-5 日本臨床薬理学会臨床研究専門職認定制度のめざすもの

演者:熊谷 雄治(北里研究所病院研究部)

●シンポジウム5
患者報告アウトカムについて考えよう

9月16日(土) 16:00〜17:30
第3会場

座長:山口 拓洋(東北大学大学院 医学系研究科 医学統計学分野)

座長:樋口 和奈(株式会社アイロム クオリティマネジメントセンター人材開発部)

概要

「独立行政法人医薬品医療機器総合機構 患者参画ガイダンス」の中で、患者報告アウトカム(Patient Reported Outcome、PRO)は「審査において患者のBenefitを評価するための有用なツール」とされており、実際、PROを評価項目の一部とした臨床試験数は明らかに増えているように思う。世界各国でCOVID-19が流行したことも影響を与えている可能性もあるが、PROが患者に支持される医薬品等の効率的な開発に資することは間違いがないであろう。
「痛み」や「痒み」、「眠気」のような患者の主観以外に信頼性の高い適切な評価方法がないものであれば、PROを利用せざるを得ないが、医師による評価が可能なものであっても、PROを積極的に活用することでどのような評価が得られるのであろうか。
どのような試験で、どのようにPROを使用することが最適なのか、CRCとしてかかわる中で、すっきり理解できていないことや疑問に感じていることがあるのではないか。
PROを扱う上での作法や注意点について考え、CRCの疑問解決のお手伝いになればと思う。

S5-1 拡がる患者報告アウトカム(PRO)の活用 〜PROの重要性とその意義〜

演者:川口 崇(東京薬科大学 医療実務薬学教室 / 東北大学大学院 医学統計学分野)

S5-2 臨床研究の参加経験より ~患者の立場から~

演者:本橋 由香

S5-3 CRCとして、PROへの疑問

演者:樋口 和奈(株式会社アイロム クオリティマネジメントセンター人材開発部)

S5-4 PROに関するCRCの疑問解決

演者:山口 拓洋(東北大学大学院 医学系研究科 医学統計学分野)

●シンポジウム6
患者・市民が求めるPPIとは

9月16日(土) 14:30〜16:30
第4会場

座長:東山 浩之(アステラス製薬株式会社 ペイシェント・セントリシティ室 ペイシェント・パートナーシップス)

座長:片木 美穂(卵巣がん体験者の会スマイリー)

概要

2022年の第22回CRCと臨床試験のあり方を考える会議ではシンポジウム11:「研究グループにおけるPPI(患者・市民参画)の実践」において、PPI を積極的に実践している国内のがん領域に関わる主要な研究グループやがん患者団体における実践例を共有し、今後のPPI推進にあたっての参考とすることを目的とした企画が行われました。PPIを実践し研究に取り組んでいる事例があるいっぽうで、患者が企業や医療機関からPPIについて参加を求められても「患者様の意見を伺わせていただく」というお客さまのような扱いであり、「対話をする」「参画をする」というところまで進んでいないことも多いです。企業も研究者(医療者)も患者も「将来の患者さんのためにより良い未来を作る」「新しい医薬品や知見を創出する」ことを目指しているはずなのに私たちの声を聞くだけの一方通行であることが多く、信頼を構築し、対話、参画するところまで繋がらないのがとてももどかしい状況です。実際に医薬品開発・研究の場に患者が本当の意味で参画できるようになるにはどうしたらよいのでしょう。そこで患者・市民とされている立場の方々から「患者・市民が求めるPPI」について研究者にCRCに何を求めているか話していただき、より良いPPIについて考えたいと思います。

S6-1 未来の扉を拓くために~受け取ったバトンとPPI推進への挑戦

演者:轟 浩美(認定NPO法人希望の会)

S6-2 難病当事者が期待する患者・市民参画

演者:池崎 悠(一般社団法人ピーペック)

S6-3 患者・市民が参画することで何が変わる?PPIのこれまでとこれから

演者:天野 慎介(一般社団法人全国がん患者団体連合会/一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン)

●シンポジウム7
多様な視点から治験・臨床研究におけるPPI活動を考えよう!

9月16日(土) 16:40〜18:10
第4会場

座長:三邉 武彦(昭和大学統括研究推進センター センター長)

座長:河西 勇太(アステラス製薬株式会社 臨床開発ペイシェント・エンゲージメント)

概要

医療分野研究開発推進計画には「臨床研究及び治験の実施に当たっては、その立案段階から被験者や患者の参画を促進するとともに、患者・国民への臨床研究及び治験の意義やそれが国民にもたらすメリット等についての啓発活動を積極的に推進する必要がある(平成26年7月22日健康・医療戦略推進本部決定、平成29年2月17日一部変更)」とあり、医薬品開発、臨床試験における患者・市民参画(PPI:Patient and Public Involvement)の取り組みの重要性が認知されている。近年、製薬企業のみならず、研究者にもPPIの認知は進んでいるものの、まだ患者・市民の声を十分に反映できているとは言えない。
本シンポジウムでは臨床試験に関わる全ての職種が一丸となって取り組めるよう、PPIの取り組みを推進するために望まれる体制についての議論の機会としたい。PPIの取り組みについて事例を共有するとともに、患者向けの情報発信がPPI参画に寄与するか、将来の医療に貢献するためのPPI活動がどのようなものか、CRCだけでなく臨床試験に関わる多職種の皆さんとともに検討したい。

S7-1 患者・市民参画(PPI)の意義と課題 ―医療研究開発を社会と共に創り、社会を共に創るために― 

演者:勝井 恵子(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED))

S7-2 企業治験におけるPPIの現況と課題

演者:河西 勇太(アステラス製薬株式会社)

S7-3 PPI促進のためにアカデミアができること

演者:肥田 典子(昭和大学薬学部臨床薬学講座臨床研究開発学部門)

S7-4 アカデミア・AROにおけるPPI活動 -北大病院PPIプロジェクトのご紹介-

演者:堀江 奈穂(北海道大学病院 医療・ヘルスサイエンス研究開発機構 プロモーションユニット 臨床研究開発センター 臨床開発推進部門)

パネリスト:鈴木 隆行 

●シンポジウム8
医療機関の来院に依存しない臨床試験(DCT)について考えよう

9月16日(土) 14:30〜16:30
第5会場

座長:山﨑 純子(神戸大学医学部附属病院 臨床研究推進センター 研究実施部門)

座長:田之頭 淳一(日本製薬工業協会 医薬評価委員会 臨床評価部会/武田薬品工業株式会社)

概要

これまでの臨床試験は患者が実施医療機関へ来院し、評価を受ける方法が主流であり、実施医療機関が自宅から遠方にある患者や、疾患や症状等によって定期的な来院に制限がある方にとっては、臨床試験への参加が困難となる場合があった。このような課題に対して、実施医療機関に集約された臨床試験プロセスを分散化させ、患者が実施医療機関へ来院しなくても臨床試験に参加できる新しい臨床試験手法(分散化臨床試験、Decentralized Clinical Trial、以下DCT)が、医薬品開発の有効な手段の一つとして国内外で検討されており、コロナ禍を背景に、その活用は広がりつつある。
DCTに用いられる手法は、eConsent・オンライン診療・ePRO/eCOA・近隣医療機関との連携・訪問看護・治験使用薬の患者への配送・ウェアラブルデバイス等があるが、これらの手法の普及状況はその手法毎にばらついている。治験の現場では、DCTの各手法を用いる場合に様々な運営上の工夫が行われており、医療機関及び製薬企業共に、成功体験を積み重ねていっている段階である。
本シンポジウムではCRC及び製薬企業からDCTの各手法の導入に向けた取り組みや各手法の実施体験を紹介し、臨床試験の現場でDCTの各手法を導入・実施する際の効果や課題について議論したい。

S8-1 医療機関への来院に依存しない臨床試験(DCT)への期待と課題 ‐製薬企業の立場から‐

演者:半田 智和(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会/ヤンセンファーマ株式会社)

S8-2 オンライン診療を用いたリモート治験におけるCRCの役割

演者:中山 久美(愛知県がんセンター 臨床試験部 介入研究支援室(治験部門))

S8-3 eConscentの実際

演者:石井 智徳(東北大学病院 臨床研究推進センター)

S8-4 分散化臨床試験(DCT)におけるリモート支援―サテライトおよび中央評価導入の実際―

演者:古賀 早苗(IQVIAサイトソリューションズ ジャパン合同会社)

S8-5 様々なDCT(Home Nursing)導入試験の『訪問看護』で経験した「作業ニーズの実施可否」にみる日本の訪問治験(臨床試験)の課題と今後への期待

演者:丸山 薫(3Hメディソリューション株式会社 ホームナーシンググループ)

S8-6 当院における治験使用薬の被験者宅配送の経験から考えるDCT導入に必要な準備と課題

演者:槇枝 大貴(岡山大学病院 新医療研究開発センター 治験推進部/岡山大学病院 薬剤部)

●シンポジウム9
魅力あふれるCRCを目指してー業務の効率化の観点から働き方を見直してみようー

9月17日(日) 10:40〜12:10
第1会場

座長:肥田 典子(昭和大学 薬学部臨床薬学講座臨床研究開発学部門)

座長:西崎 祐史(順天堂大学医学部 医学教育研究室)

概要

「医師の働き方改革」が2024年4月から開始されること受け、日本国内の医療機関では勤務時間管理のほか、タスクシフト、ICTの活用について議論が進んでいる。働き方改革は①少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少、②育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化などの問題解決のため、個々の事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現することを目指している。
医師だけでなく、すべての医療職種でも働き方改革が求められているが、CRCは勤務先、雇用形態、医療資格、業務内容などにバリエーションがあり、女性比率が高いことが特徴である。勤務を続ける中では、キャリアの形成も重要なポイントであり、女性特有の出産、育児、介護等のライフイベントによってキャリアアップを断念しないような配慮も望まれる。働き方改革はダイバーシティ&インクルージョンにもつながることから、すべての人が働きやすい職場環境を整えることが目標となる。
医師以上に多様性に富んだ職種であるCRCが、キラキラと輝いて働き続けることができるようさまざまな立場からの意見を伺い、働き方だけでなくキャリアについても個々人が見直す機会にしていただきたい。

S9-1 業務を可視化!日々の時間を見直し、私たちCRCが本来するべき仕事に力を注ごう!

演者:難波 志穂子(岡山大学病院 新医療研究開発センター 治療推進部)

S9-2 SMOのCRCの立場から「働くこと」「キャリア」を考える

演者:鎌田 理恵子(株式会社EP綜合 大宮支店)

S9-3 CRCが医療の未来を支えるために 〜業務の効率化の観点から〜

演者:吉岡 まみ(地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 健康長寿イノベーションセンター 研究開発ユニット)

S9-4 臨床研究におけるCRCの役割とその重要性

演者:西崎 祐史(順天堂大学医学部医学教育研究室)

●シンポジウム10
これからの治験モニタリング手法について考える
〜リモートアクセスと医療情報閲覧方法のあり方とは〜

9月17日(日) 13:50〜15:20
第1会場

座長:衛藤 智章(国立病院機構九州がんセンター薬剤部/臨床研究センター)

座長:新井 清和(株式会社EP綜合 CEO室)

概要

COVID-19蔓延前よりリモートアクセス(ここではリモートSDV、リモートSDRを含む)に先進的に取り組んでいる医療機関もあるが限定的だった。その理由には、モニタリングの品質、体制整備、情報セキュリティ対策、導入コスト、依頼者と医療機関側とのコミュニケーションなど様々な課題があると考える。しかし、COVID-19蔓延以降、医療機関向けにリモートアクセスのソリューションが普及し、全国の医療機関で整備が進んでいる。また、オンサイト閲覧と比較してコスト削減や効率性などから、特に地方の医療機関でリモートアクセスの利便性が高いと思われる。ところが行動制限の緩和とともにオンサイト閲覧が継続され、医療機関ではリモートアクセスの体制整備を喫緊の課題として進めるべきかどうか悩んでいる方もいるのではないだろうか。リモートアクセスの体制整備には課題も多く体制整備の負担もあるが、遠隔診療など医療の形態が変化しつつある昨今、これからはリモートとオンサイト閲覧をうまく組み合わせた効率的な直接閲覧のあり方を考える必要がある。
本シンポジウムでは、近年、変化しつつあるモニタリング手法に関する最新の情報を整理する。そして、治験依頼者から海外におけるモニタリングの現状と本邦の実施体制のあり方を、また医療機関側から、リモートアクセス体制の現状とこれからの課題について議論し、多種多様な日本の医療機関と治験依頼者双方にとってサステナブルなモニタリング手法について考えていきたい。

S10-1 知っておきたいリモートアクセスに関する最新の話題

演者:笹浪 和秀(日本CRO協会 リモートアクセスモニタリングTF/シミック株式会社)

S10-2 海外でのモニタリングの現状と、治験依頼者が考える日本のモニタリング手法

演者:冷水 浩子(MSD株式会社スタディオペレーション部 オンコロジー領域)

S10-3 治験に求められる品質保証と監査の立場からみる理想的なモニタリングのあり方

演者:富井 純一郎(日本CRO協会 監査ワーキンググループリーダー/株式会社新日本科学PPD)

S10-4 医療機関におけるリモートアクセス体制の現状と今後の課題

演者:西村 有美(株式会社EP綜合 広島支店)

●シンポジウム11
治験費用算定のパラダイムシフト
〜ベンチマーク型コスト算定の導入経験から見えた医療機関における課題と対策〜

9月17日(日) 9:00〜10:30
第2会場

座長:新井 貴子(国立研究開発法人日本医療研究開発機構 シーズ開発・研究基盤事業部 拠点研究事業課)

座長:稲泉 恵一(ファイザーR&D合同会社 クリニカル・オペレーション統括部)

概要

近年,医薬品開発においては,世界同時開発戦略に伴い国際共同治験が増加しており,日本の治験費用においてもFair Market Value (市場適正価格:以下,FMV)の概念のもとに費用の「適正性」と「透明性」の確保が求められている。しかし,日本ではポイント算出表に基づいた日本独自の治験費用の算定方法が主流であり,各項目に対する解釈や積算方法の違いから,治験の施設費用は医療機関ごとに大きなばらつきがあるのが現状である。
現在,国際的な治験費用の算定については,FMVの概念に基づいたベンチマーク型コスト算定が主流であり,本邦においても,2019年5月に日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会TF4が発行した「我が国における適正な治験費用の実現に向けて〜Fair Market Valueに基づいた治験費用算定プロセス〜」を皮切りに,海外での使用経験のある治験依頼者を中心にベンチマーク型コストの導入が開始されている。
本セッションでは,厚生労働省 特別研究班 治験環境調査からみえたベンチマーク型コスト算定導入の実態を共有するとともに,すでにベンチマーク型コスト算定の導入を経験した医療機関より導入時の準備や課題を紹介いただき,治験依頼者や規制当局などの様々なステークホルダーを交えて,今後どのように導入を推進していくべきかディスカッションを行う予定である。

S11-1 <厚生労働省 特別研究班 治験環境調査>治験環境調査から見えたベンチマーク型コスト算定導入の課題について

演者:佐藤 暁洋(国立がん研究センター東病院)

S11-2 ベンチマーク型コスト算定を経験して

演者:黒部 麻代(独立行政法人国立病院機構本部 総合研究センター治験研究部治験推進室)

S11-3 日本医科大学におけるベンチマーク型コスト算定方式の取り組みと今後の課題

演者:島世 宏明(学校法人日本医科大学 研究統括センター)

パネリスト:三枝 暢子(日本イーライリリー株式会社&R&DHC)

パネリスト:飯村 康夫(厚生労働省医政局 研究開発政策課 治験推進室)

●シンポジウム12
ICF 共通テンプレートを導入して初めて分かったこと
〜事件は現場で起きている〜

9月17日(日) 10:40〜12:10
第2会場

座長:榎本 有希子(日本大学医学部附属板橋病院)

座長:西川 心(日本イーライリリー株式会社 研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部 臨床開発本部)

概要

近年,医薬品開発における患者・市民参画(PPI)の推進に伴い,国内でも治験実施計画や治験参加者向けの文書に,患者さんや一般市民の方の声を反映させる取り組みが始まっている。中でも同意説明文書(ICF)は治験参加者にとって最も重要な文書であるため,医療機関や治験依頼者はそれぞれ固有のICFテンプレート(以下,テンプレート)を作成し,患者目線の表現や新たな規制要件を反映させるなど,よりよいICFの作成を目指している。
しかし,その結果として日本国内では多種多様なテンプレートが存在し,それを取りまとめる治験責任医師および支援者であるCRCそして内容を確認するCRAがそれぞれの作業に多くの時間と労力を費やし,ときに治験準備のボトルネックになることもある。そして,ひとつの治験で施設ごとにICFの表現や並び順が異なることで,同じ治験に参加する治験参加者に提供される情報の違いも起こり得る。また,e-Consentの普及においても障壁のひとつになると考えられる。このような問題を解決する1つの手段として,2020年より私たちはR&D Head Club Working Group2および様々な医療機関を含むステークホルダーと共に患者さん目線を取り入れたJapan ICF Common Templateを作成し,第22回CRCと臨床試験のあり方を考える会議2022で紹介した。本セッションではJapan ICF Common Templateの導入経験のある医療機関のCRCや治験依頼者(CRO)のCRAの方々に登壇いただき,導入時の課題や説明時のメリット・デメリットを紹介いただき,さらなる普及を目指して,各ステークホルダーを交えてパネルディスカッションにて協議を行う予定である。

2-1 ICF共通テンプレートの導入現場 ~IRBへの対応~

演者:三宅 絢野(聖路加国際病院 治験管理課)

S12-2 ICF共通テンプレートの導入 ~「ICF暗黒時代」脱却のための第一歩~

演者:小林 和子(近畿大学病院 臨床研究センター)

S12-3 ICF共通テンプレート導入におけるCRAからの目線

演者:松岡 眞子(パレクセル・インターナショナル株式会社)

パネリスト:岩屋 紀子(一般社団法人 医療開発基盤研究所)

●シンポジウム13
医療機関および治験依頼者が取り組む戦略的な症例登録の促進

~日本が国際共同試験に選ばれ続けるために~

9月17日(日) 13:50〜15:20
第2会場

座長:松山 琴音(日本医科大学 医療管理学特任教授)

座長:稲泉 恵一(ファイザーR&D合同会社 クリニカル・オペレーション統括部)

概要

近年,医薬品開発の国際化が進む中,日本の治験の遅れは,新たな治療薬を待つ世界中の患者さんやその家族への期待に応えられないばかりでなく,日本が国際共同試験の実施国として選ばれなくなることによる新たな「ドラッグロス」につながる可能性もある。
日本が開発国として継続的に選ばれるためには,治験の質を維持しつつ,症例の組み入れにおいても高いパフォーマンスを発揮し,国際競争力のさらなる向上が求められている。
一方で,施設あたりの症例集積性の向上については,日本における大きな課題の1つであり,「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」から長きにわたり,医療機関や治験依頼者がそれぞれの立場で,様々な取り組みを実施してきたが,いまだに改善された状況とはいいがたい。
この課題を解決するためには,これまで当たり前に実施してきた症例の組み入れ手順の見直しや,新たな技術をうまく活用することを,様々なステークホルダーが協力して戦略的に取り組む必要がある。
本セッションでは,医療機関および治験依頼者の立場から様々な症例の組み入れ促進や促進につながる活動を紹介いただき,各ステークホルダーが協力して戦略的に進める症例登録のアプローチについて協議する。

S13-1 医療機関が取り組む戦略的な症例登録の促進

演者:上水流 明香(学校法人日本医科大学研究統括センター)

S13-2 がんリモート試験の仕組みから考える戦略的な症例登録の促進

演者:中山 久美(愛知県がんセンター臨床試験部 介入研究支援室)

S13-3 岡山医療連携推進協議会(CMA-Okayama) 治験・臨床研究ネットワークにおける症例集積性向上に向けた取り組み

演者:宇野 秀樹(岡山大学病院 新医療研究開発センター)

S13-4 治験依頼者が考える戦略的な症例登録の促進

演者:宮崎 由美子(日本イーライリリー株式会社臨床開発本部)

パネリスト:谷口 浩也(愛知県がんセンター 薬物療法部)

●シンポジウム14
リーダーの「やってはいけないこと」と「これだけはやること」を考えてみよう
〜モチベーション高く、ポジティブシンキングの職場づくり〜

9月17日(日) 9:00〜10:30
第3会場

座長:難波 志穂子(岡山大学病院 新医療研究開発センター)

座長:相澤 千恵(東北大学病院 臨床研究推進センター)

概要

あなたは、リーダーになるための「練習」をしましたか?
経験年数を重ねるにつれ1年目の記憶は薄れ、気が付くとリーダーに任命される、あるいは組織のなかで一番の古株、部署を管理する立場におかれ、自分の管理能力・方法に疑問を抱く場面に直面されていないでしょうか。
理想のリーダーとはなにか、と考えると枚挙に暇はありません。それは性格、状況、立場、さまざまな背景によって大きく異なるから。でも、シンプルに「やってはいけないこと」と「これだけはやること」を知るだけで、スタッフのやる気の向上あるいはポジティブシンキングが習慣になる組織を作ることができるかもしれません。また、昨今は、リーダーが心理的安全性を重要視する取り組みも報告されるようになりました。
本セッションでは、CRCの管理を任されているあるいは管理補佐的な立場にある人だけではなく、マネジメントにかかわるすべての人が組織について考える機会とします。

S14-1 先人から学ぶ~組織のやる気を引き出す工夫

演者:柴田 陽子(株式会社EP綜合 広島支店)

S14-2 学習する病院組織を目指すリーダーのあなたへ~心理的安全性への招待~

演者:山口(中上) 悦子(大阪公立大学医学部附属病院 医療の質・安全管理部)

S14-3 リーダーを任されたときの最初の一歩を考えてみる

演者:濱野 可央里(岡山大学病院 新医療研究開発センター 治験推進部)

S14-4 厄介なコンフリクトがもたらすもの

演者:中濵 洋子(国立がんセンター中央病院 臨床研究支援部門)

●シンポジウム15
臨床試験を“社会と共に創る”、臨床試験で“社会を共に創る”時にCRCができること

9月17日(日) 13:50〜15:20
第3会場

座長:小村 悠( 国立がん研究センター東病院 臨床研究支援部門/医薬品開発推進部門)

座長:勝井 恵子(日本医療研究開発機構(AMED)研究公正・社会共創課 )

グラフィックレコーディング:𠮷川 観奈(株式会社EP綜合)

概要

 臨床試験に携わる私たちは、目の前の患者さんだけではなく、持続可能な新しい社会や価値の創造にどのような貢献ができるのか。
臨床試験が患者さんにとってより役に立つ成果を生み出すには、社会における多種多様な「知」と、それらを活用するための「協働」がますます重要になると考えられる。このような中で、臨床試験を“社会と共に創る”、臨床試験で“社会を共に創る”動きがこれまで以上に必要とされている。
 では、治験の現場で活躍するCRCはそのためにいったい何ができるのか。北海道大学のCRC佐藤希美氏は「だれかがやってくれるのを待つのではなく、自分も社会の一員であるのだから、自分ができることでよりよい社会にしていく」と言う。国立がん研究センター東病院のCRC主任木村雪絵氏は「対話を活用し互いの異なる価値観から創造的なアイデアを企業(研究者)と共創し続けること」を考えている。がん看護専門看護師として働く藤原紀子氏は「目の前の患者さんは、治療で副作用の症状もあり、辛い思いをされているけれど、研究に参加してくださる時点で未来のために私たちは一緒に進んでいる」とリサーチナースとしての想いを持っている。   
 臨床試験における様々な関係者や参加者をつなぐ立場にあるCRCが期待されている役割は大きい。一人ひとりが多様な幸せ(well-being)を実現できる社会に向けて、CRCが自分たちの手に近いところで、自分たちでも出来そうな社会共創について考える時間としたい。

S15-1 地域での社会共創~中学生への職業講話を通して~

演者:佐藤 希美(北海道大学病院 医療・ヘルスサイエンス研究開発機構 臨床研究開発センター)

S15-2 「人」と「知」を繋ぐCRCができる共創

演者:木村 雪絵 (国立がん研究センター東病院 臨床研究コーディネーター室)

S15-3 リサーチナースというあり方:目の前の患者とともに、未来を創る

演者:藤原 紀子(東京大学医科学研究所附属病院)

S15-4 患者の立場から:CRCと臨床試験に期待すること

演者:天野 慎介(一般社団法人全国がん患者団体連合会/一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン)

●シンポジウム16
20 年を迎える日本の医師主導治験の過去、現在、そして将来の展望

9月17日(日) 9:00〜10:30
第5会場

座長:小林 史明(株式会社 CTD )

座長:佐藤 康敬(徳島大学病院 総合臨床研究センター)

概要

2003年に薬事法(現;医薬品医療機器等法)が改正され、製薬企業等と同様に医師自らが治験を企画・立案・管理する医師主導治験が始まった。これは医療現場の思いを医薬品等の開発に繋ぐことが出来る方法の1つであり、現在までに医師主導治験により希少疾患をはじめとした数多くの医薬品及び医療機器が誕生した。
一方で、医師主導治験では医師自らが実施する業務が膨大であり、企業治験と比べて予算や期限の制限を受けやすいなどの課題が存在する。これらに対処するため、支援体制の整備は欠かせない。過去には、日本医師会治験促進センターが研究費交付や実施支援を行っていたものの、支援体制に関わる基盤整備は十分でなく、医師主導治験の実施は現在より困難であったと思われる。そこで、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)や臨床研究中核病院の設置など、実施基盤の整備が進むこととなった。現在では、医薬品開発を支援する企業との協働や人材育成など、多岐にわたる実施基盤の整備が進み、医師主導治験を取り巻く環境は大きく変化している。
本シンポジウムでは、医師主導治験が始まり20年を経ての課題や経験を共有することで、現在の課題を探索する。そして、それらの課題について議論することで、Win-Winな未来を目指すために、我々が今後取り組むべき事項を見据えるための場としたい。

S16-1 医師主導治験の制度の整備から20年を経て-過去からの変遷と未来-

演者:小林 史明(株式会社 CTD )

S16-2 医師主導治験を実施・支援して-これまでの経験と課題から未来に思うこと-

演者:浅田 隆太 (岐阜大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究推進センター/名古屋医療センター 臨床研究センター)

S16-3 CROとアカデミアの医師主導治験における協働について-過去、現在、未来-

演者:真島 奈都美 (シミック株式会社 臨床事業本部/山梨大学医学部附属病院 臨床研究連携推進部 )

S16-4 医師主導治験の未来への展望:CRCの役割と共に進む

演者:阿部 圭子 (東北大学病院 臨床研究推進センター 臨床研究実施部門)

●シンポジウム17
どこまでできるかニッポンのDCT
〜DCT実装、それぞれのカタチ〜

9月17日(日) 13:50〜15:20
第5会場

座長:河邉 真一(一般社団法人 日本QA研究会)

座長:近藤 奈津子(東京センタークリニック)

概要

近年、Decentralized Clinical Trial (DCT)のコンセプトが国際的に広く知られるようになり、その意義や方法論に関する議論が進んでいる。DCTは、被験者の施設訪問を必須としない臨床試験・臨床研究の実施形態であり、被験者や家族の負担軽減および臨床試験への被験者の参加機会の増大に寄与するだけでなく、スポンサーにとっても、評価データの確保という点で大きなメリットがある。
DCTの実装においては、遠隔での説明・同意取得および診療、調査観察や検体採取のための訪問看護師等の派遣、近医との連携といった要素や対応手法が用いられるが、その組み合わせは、プロトコルごとに異なり、医療機関の体制および被験者の環境等によって異なる。また、これらの要素や対応手法に対応した規制要件やガイダンス等が必ずしも整備されている訳ではないことから、現状において実装事例は限定的である。
本シンポジウムでは、診療および臨床試験・臨床研究の実施体制が異なるクリニック、専門病院およびアカデミア(ARO)に所属する各パネリストから具体的なDCT対応経験を紹介するとともに、DCTにおける品質保証のあり方について、監査および当局査察の観点からの知見を共有する。さらに、フロア参加者を交えた総合討論により、今後のDCT実装のヒントや課題を明確にする。

S17-1 クリニックでのDCT実装

演者:長嶋 浩貴(東京センタークリニック)

S17-2 国立がん研究センター中央病院におけるDCTの実装

演者:伊藤 久裕(国立がん研究センター中央病院)

S17-3 宿泊療養所で実施する特定臨床研究におけるDCTの実装

演者:浅野 健人(大阪大学医学部附属病院)

S17-4 DCTの監査

演者:筒泉 直樹(一般社団法人 日本QA研究会)

公募シンポジウム

●公募シンポジウム1
電磁化は新たなステージへ
〜システム移行を乗り越えた、その先にある未来〜

9月16日(土) 10:30〜12:00
第2会場

座長:渡部 歌織(東京大学医学部附属病院 臨床研究推進センター)

座長:藤岡 慶壮(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会/住友ファーマ株式会社)

概要

2022年8月に治験促進センターの廃止が通知され、これに伴い、治験支援システム「カット・ドゥ・スクエア(以下、CtDoS2)」が2023年2月に終了することが予告された。利用していた約2300の実施医療施設は新しいシステムへの移行を迫られ、治験支援システム事業者はそれぞれのサービスを展開してきた。CtDoS2の終了後には、新しいシステムへの移行が進み、この機会に施設文書保管を含む完全電磁化に切り替えた施設も数多くあると聞く。CtDoS2終了が架け橋となり、治験関連文書の電磁化は新たなステージへ向かう真っ只中にいる。
本シンポジウムでは、同時期に異なる治験支援システムを移行/導入した実施施設の担当者より、その実際について振り返っていただく。また、日本CRO協会電磁化推進タスクフォースからは、これから電磁化に取り組もうとする医療機関を後押しするために実施している、電磁化による医療機関・依頼者のコスト・工数削減効果の試算について報告する。治験依頼者の立場からも電磁化の現状と展望について共有していただき、セッション全体では、苦労したこと、学んだこと、得たもの、これから目指すものなどを共有しながらディスカッションする。
どのような治験支援システムが求められ、どのように使っていくべきか、その先にどのような未来を描きたいのかについて、考える機会となれば幸いである。

公S1-1 紙から電磁化、電磁化システムの移行を経て ~突然のシステム廃止 それでも紙には戻らない~

演者:永田 翔子(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター 臨床研究センター)

公S1-2 医療施設の業務プロセス改善も新たなステージへ~治験関連文書の電磁化を目的とした文書管理システムを導入して~

演者:神宮 真希(北海道大学病院 医療・ヘルスサイエンス研究開発機構 臨床研究開発センター)

公S1-3 電磁化による医療機関・依頼者のコスト・工数変化の試算

演者:岩﨑 晋吾(日本CRO協会電磁化推進タスクフォース/エイツーヘルスケア株式会社)

公S1-4 治験依頼者から見える治験手続きの電磁化の現状と、電子化の展望

演者:藤岡 慶壮(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会/住友ファーマ株式会社)

●公募シンポジウム2
臨床研究の審査
〜一般委員の育成から始まるバタフライ効果〜

9月16日(土) 10:00〜12:00
第3会場

座長:藤原 紀子(東京大学医科学研究所附属病院 先端緩和医療科)

座長:今村 恭子(一般社団法人医療開発基盤研究所)

概要

臨床研究の多様化・複雑化に伴い、倫理審査委員会の役割は大きくなっており、「研究対象者の観点を含めて一般の立場から意見を述べることができる者」(以下、一般委員)への期待がより高くなっている。しかしながら、他の専門家委員と対等に意見を述べるための『共通言語』を持たないまま審査に臨み、積極的に発言できないケースが多い。
一社)医療開発基盤研究所が2021年に実施した、現職一般委員58名を対象とした調査では、審査において「ほぼ毎回意見を述べる」が38%にとどまり、また、述べられた意見の多くは「同意説明文書の言い回し・誤字・脱字」(98%)であり、研究対象者の保護に関連した事項は「来院スケジュール、検査・採血頻度」(5%)、「安全性・リスク」(40%)と少なく、求められる役割を果たしているとは言い切れない。これは、倫理審査委員育成研修の機会が少ないことが一因と考えられる。一般委員への期待を念頭に、一般委員を対象とした育成プログラムの普及・拡充は、倫理審査委員会の審査に変化をもたらし、さらなる臨床研究の質の向上につながることが期待される。
本シンポジウムでは、一般委員の役割を問い直し、利用可能な育成プログラムとプログラム参加者の知識・意識・行動の変化を紹介する。また審査運営者からみた育成プログラムの効果についても情報共有を行い、今後のより良い審査の実現にむけた一般委員の育成についてフロア参加者と意見交換を行う。

公S2-1 一般委員育成の意義

演者:神里 彩子(東京大学医科学研究所)

公S2-2 倫理審査委員会の一般委員育成プログラムの必須アイテム

演者:雪吉 歌小里(岡山大学病院 新医療研究開発センター 治験推進部)

公S2-3 私の一般委員ライフ:アカデミアCRB/IEC

演者:井上 恵子(医療過誤原告の会)

公S2-4 私の一般委員ライフ:クリニックCRB/IEC

演者:岩屋 紀子(難病サポート familia やまぐち)

公S2-5 一般委員育成プログラムの効果~倫理審査委員会事務局の立場から~

演者:玉浦 明美(国立精神・神経医療研究センター)

座談会

●座談会1
治験使用薬に関する課題と解決方法をCRCと共に考える!

9月16日(土) 14:20〜15:50
第3会場

座長:久保田 篤司(帝京大学薬学部 薬学教育推進センター臨床実習ユニット)

座長:丸谷 晶美(国立国際医療研究センター病院 薬剤部/治験管理室)

概要

適正な治験を実施するためには、適切な治験薬の管理、調剤、投与は治験を実施する上で必要不可欠である。しかし、CRCの中には、「治験薬の払い出しにどうしてこんなに時間がかかるのか」、「薬剤部門とのスムーズな治験の進め方が分からない」などの悩みを抱えている方も多いのではないだろうか。
これらの悩みは、治験使用薬を管理する薬剤部門と、治験使用薬の管理方法を定める依頼者との間での考え方の相違等に起因することもあり、CRCと薬剤部門とでスムーズに治験が進められないケースも少なくなく、被験者、CRC、治験薬管理者、依頼者等の関係性において大きなトラブルに発展することもある。
本座談会では、実施医療機関、依頼者、規制当局の方々をコメンテーターとして招き、治験使用薬に関する具体的な問題事例を提示し、情報共有と問題解決に向けた意見交換を行う。具体例として、「IWRSの仕様に関する問題」、「各種ログや治験薬管理表等の記録の残し方に関する問題」、「治験使用薬の包装の問題」、「治験使用薬の温度管理や保管の問題」さらには「市販後に直結するであろうと思われる調製方法の問題」等について、課題の解決となる糸口を探ることを目的としている。
本座談会を通して、適切な治験薬の管理・投与に向けた一助になることを期待している。治験使用薬を取り扱うCRCの皆さんをはじめ、多くの関係者の参加をお待ちしています。

パネリスト:鶴丸 雅子(長崎大学病院 臨床研究センター治験ユニット長)

パネリスト:老本 名津子(京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構臨床研究支援部 薬剤主任/臨床研究コーディネーターユニット長)

パネリスト:木俣 美津夫(聖隷浜松病院臨床研究管理センター)

パネリスト:深川 恵美子(広島大学病院広島臨床研究開発支援センター)

パネリスト:森山 菜緒(帝京大学医学部附属病院 臨床試験・治験統括センター)

パネリスト:辻󠄀本 有希恵(独立行政法人国立病院機構近畿中央呼吸器センター治験管理研究室 副治験管理研究室長/副看護師長)

パネリスト:田畑 智之(日本製薬工業協会医薬品評価委員会 臨床評価部会/EAファーマ株式会社 信頼性保証部)

パネリスト:渡部 ゆき子(日本製薬工業協会医薬品評価委員会 臨床評価部会/中外製薬 医薬安全性本部)

パネリスト:福田 祐介(厚生労働省医薬・生活衛生局 医薬品審査管理室 審査調整官)

●座談会2
良好なコミュニケーションのためにお互いを「知る」ことから始めよう
〜CRCとCRAの相互理解にむけて〜

9月17日(日) 9:00〜10:30
第1会場

座長:小林 久子(大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部臨床研究センター)

座長:小松 高幸(日本CRO協会/シミック株式会社)

概要

私たちを取り巻く治験環境はコロナ禍を経て大きく様変わりしようとしている。特にQMSやDCTなどの導入により臨床試験の実施手法そのものが変化している。
しかしながら、臨床試験の手法は変化していても臨床試験現場で発生しているトラブルやミスコミュニケーションが減少しておらず、本質的な原因も以前とさほど変わっていない。
昨今の社会環境において、CRCとCRAが十分に意見交換をすることは難しくなり、特に対面で実施する機会はコロナ以降ほとんど見られてこなかった。
現場で実際に発生したトラブル、課題に対して、それぞれの立場から意見交換を行い、様々な角度から問題の理解と解決策を模索していきたいと考え、座談会を企画した。
座談会では、自身の立場を押し付けるのではなく、相手の立場や意見、業務プロセス、またその背景情報を「知る」ことで、臨床試験現場で発生しているCRCとCRAの間での問題を解決する糸口となればと考えており、参加していただくことで、円滑な臨床試験実施の一助となることを期待している。

パネリスト:仮屋 百合絵(株式会社EP綜合)

パネリスト:田丸 一磨(横浜市立大学附属市民総合医療センター)

パネリスト:遠藤 友美(静岡県立静岡がんセンター)

パネリスト:實 雅昭(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会臨床評価部会/バイエル薬品株式会社)

パネリスト:池田 知実(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会臨床評価部会/ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社)

パネリスト:吉見 尚人(日本CRO協会/エイツーヘルスケア株式会社)

パネリスト:江川 祐紀(日本CRO協会/イーピーエス株式会社)

パネリスト:鶴丸 雅子(長﨑大学病院 臨床研究センター)

パネリスト:後藤 美穂(トライアドジャパン株式会社)

パネリスト:玉浦 明美(国立精神・神経医療研究センター)

パネリスト:山岸 美奈子(独立行政法人国立病院機構埼玉病院)

※アンケートは終了させて頂きました。多数の投稿をありがとうございます。

●座談会3
疾患進行した時の被験者さんとの関わり

9月17日(日) 10:40〜12:10
第3会場

座長:前川 茜(藤田医科大学)

座長:森下 典子(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター)

概要

臨床試験には始まりがあれば、必ず終わりがある。全てのビジットをこなし原疾患の改善がみられて終了となる治験もあれば、様々な理由から途中で中止を余儀なくされる場合も多々ある。その一つにがん試験での「疾患進行」による中止がある。また、小児疾患や難病を対象とした治験での脱落の場合も、同意説明時と同じくBAD NEWSである場合が多いだろう。それまでに培ってきた被験者との信頼関係や、共に闘病し、治験薬に寄せる期待により沿ってきただけに、同意説明時とは違った重い気持ちとなることもある。多くの治験では治験薬の投与が終了しても生存調査が続くが、生存調査の電話をする時に「病状が悪くなっていたらどうしよう」「ご本人がお話しできない状態だったらご家族にどんな話をすればよいのだろう」と緊張するCRCも少なくないだろう。新人さんからベテランさんへ、プロフェッショナルから初心者さんへそんな気持ちを話し合いませんか。

Z3-1 CRCとして被験者さんの心へ寄り添うことの難しさ~疾患進行宣告時の対応を経験して~

演者:平川 茉実(藤田医科大学 橋渡し研究統括本部 治験・臨床研究支援センター)

Z3-2 “小児の被験者とその保護者の関
わ りで信頼関係を築くために大切に思うこと”

演者:伊藤 綾(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター)

Z3-3 疾患進行時のがん患者とその家族とのCRCの関わり

演者:平岡 菜穂子(国立がん研究センター中央病院 臨床研究コーディネーター室)

Z3-4 疾患の進行した被験者(研究参加者)としての患者や家族へのかかわり方

演者:藤原 紀子(東京大学医科学研究所附属病院)

●座談会4
データマネージャと CRC の視点の違い
〜データについて考えてみよう!〜

9月17日(日) 10:40〜12:10
第5会場

座長:林 行和(エイツーヘルスケア株式会社)

座長:樋口 和奈(株式会社アイロム クオリティマネジメントセンター)

概要

電子化やグローバル化が大きく進む情報化時代の中で、臨床試験データは、より品質が高く、より有用性の高い資産となっている。それにはデータマネージャの働きがなくてはならない。データマネージャは、治験実施計画書に規定された評価結果を適切に導き出すために、必要なデータを特定し、データ収集のための仕様作成・管理を行い、最終的に必要なデータを取りまとめ、データ分析や製品の評価結果につなげている。
幅広く業務を行う中で、データマネージャがどのような視点で治験実施計画書を読み、どのような業務を行っているのか。CRCが総括報告書や申請資料に必要なデータを見据えて業務に取り組むことにより、より品質の高いデータを収集できるのか。症例報告書デザインの段階でCRCの意見を反映することで、より効率的にデータ収集を行えるようになるのか。データマネージャの視点、CRCの視点が互いの業務に役立つことがあるのではないか。日々の業務の中で感じている疑問を持ちより、アカデミア主導の臨床試験、企業治験に関わらず、自由にディスカッションをする機会を持てればと思う。

Z4-1 企業治験でのDMの役割、QMSに向けて取り組んでいること

演者:柴田 康晴(MSD株式会社)

Z4-2 アカデミアの立場から −臨床データマネージャとCRCの協業−

演者:高田 宗典(東北大学病院 臨床試験データセンター)

※座談会内容の再検討により、発表番号を変更しました

パネリスト:成田 さわな(長崎大学病院 臨床研究センター)

パネリスト:中島 孔明(日本イーライリリー株式会社 研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部/臨床開発本部 )

パネルディスカッション

●パネルディスカッション
治験だけじゃない!指針、臨床研究法、異なる規制を扱う研究現場の現状

9月17日(日) 13:50〜15:20
第4会場

座長:酒井 隆浩(国立がん研究センター東病院 )

座長:伊藤 美樹(国立がん研究センター中央病院)

概要

GCP省令(薬機法)、臨床研究法、そして生命科学・医学系指針と、日本では研究の種類によって異なる法令や指針が存在するため、研究に従事する者は研究種別に応じた規制下での対応が求められる。しかし、各々の規制で規定された研究実施のための手順は少しずつ異なるため、実際の現場では、その対応に苦慮することや規制を混同して法令または指針に違反してしまう可能性を抱えている。また、CRCは、主に治験の支援にエフォートを割いているため、特定臨床研究や指針下の研究を支援することは難しく、治験以外の研究では、研究者が主体となって研究を実施しなければならない。そこで、治験や特定臨床研究、指針下で実施する研究を扱う研究機関において、研究者を支援する実施体制や法令の異なる研究を扱うにあたって生じる問題点、また、各規制下で研究を適正に実施するために工夫している点を、役割の異なる立場から事例を踏まえて報告し、今後、本邦でこれらの研究をより活発に行っていくには、何が必要なのかを皆で議論したい。さらに、本セッションでは、今後、治験や臨床研究に関連する法令にも少なからず影響を与えるであろう、GCPリノベーションの最新情報を皆で共有し、近い将来、研究を行う現場にどのような影響があるのかについても併せて考えていきたい。

P-1 研究者の立場から見た臨床研究の現状と問題点

演者:枝園 忠彦(岡山大学病院  乳腺・内分泌外科)

P-2 CRCの視点からみた治験以外の臨床研究支援 ~現状と課題~

演者:河野 美那子(東京大学医科学研究所附属病院 TR・治験センター)

P-3 複数の規制のはざまでてんやわんやの倫理委員会事務局

演者:渡邉 卓也(京都大学医学部附属病院・倫理支援部)

P-4 GCP renovationが日本の研究規制に与える影響

演者:中村 健一(国立がん研究センター中央病院 )

ワークショップ

●ワークショップ1
認定臨床研究審査委員会は臨床研究の橋脚である!
-適正な審査へ導くために私にできること-

9月16日(土) 10:00〜12:00
第4会場

座長:伊藤 美樹(国立がん研究センター中央病院)

概要

臨床研究の手続きに関して諸外国とは大きな違いがある.諸外国では医薬品の臨床試験について,薬事に関する規制当局(日本でいうPMDAに相当する機関)の事前確認を概ね必須としているが,国内においては様々な法の下に臨床研究が行われており,そのうちのひとつ臨床研究法においては, 認定臨床研究審査委員会(以下,CRB)の役割が重視された制度となっている.CRBに求められる機能や役割は治験や倫理指針が適用となる臨床研究と本質的には同じではあるのに対し,実質的には臨床研究の実施の適否や中止勧告等の判断を担い,チェック体制の要となっている.加えて審査手続きに関しては他に比べ非常に複雑である.
チェック体制を支えるCRB事務局員のみなさん!CRB事務局は今回のあり方会議のテーマでもある架け橋の大事な橋脚です。みなさんがいなければどんなに素敵な研究も日の目を見ることはありませんし,研究者を正しい手続きや審査へ導くのもまたみなさんしかできないことです.適切な法の下で適正な審査を行う一助として,本ワークショップでは前半は特に分かりにくい医療機器を用いた特定臨床研究の該当性について学び,不適合事例を通して事前審査する際の注意点を振り返ります.後半はみなさんからいただいた日頃の悩みに対して意見交換しながら新たな気づきや発見を体験していただくと共に仲間を増やす機会にしていただきたいと考えております.

W1 特定臨床研究の該当性判断(医療機器)

講義担当:村垣 善浩(神戸大学大学院医学研究科 医療創成工学専攻)

W1 グループワーク「重大な不適合事例への対応」

グループファシリテーター:國米 美加(岡山大学病院 研究推進課)
尾崎 雅彦(国立がん研究センター東病院)
遠藤 佑輔(鳥取大学医学部附属病院 新規医療研究推進センター 臨床研究支援部門)

オブザーバー(臨席):道家 由行(厚生労働省関東信越厚生局 医事課)

※定員に達しましたので、参加登録の受付を終了させて頂きました。多数のお申込をありがとうございます。

●ワークショップ2
コミュニケーションのスキルを磨こう!
〜事実・感情・思考を分けて伝える〜

9月16日(土) 10:00〜12:00
第5会場

座長:中野 重行(大分大学名誉教授)

座長:有田 悦子(北里大学薬学部 教授)

概要

臨床研究(あるいは創薬育薬医療)チームは、CRC、CRA、患者、医師などを含む、多くの幅広い職種の人間により構成されているので、チームとしてのパフォーマンスの質を上げるためには、コミュニケーション能力が必須となる。そこで、CRCあり方会議の参加者を対象にして、『よきコミュニケーション』に必要なスキルを身につけたい、あるいは、コミュニケーション能力をより向上させたいという希望者に、参加体験型ワークショップ(WS)の機会を提供する。
臨床試験支援財団では、CRCあり方会議の期間中に過去5回に渡りコミュニケーションに関する参加体験型のワークショップを開催してきた。第17回(名古屋2017)は「聴く」、第18回(富山2018)は「伝える」、第19回(横浜2019)は「話し合う」、~なお、第20回は長崎で現地開催の予定だったがコロナ禍のため延期した~、第21回(横浜2021 Web開催)では「やわらかな1.5人称」、第22回(新潟 Hybrid開催)では「やわらかな1.5人称とメタ認知」であった。参加体験型WSなので人数を限定して実施して、『よきコミュニケーション』に必要なスキルを身につける機会を提供する。
今回のテーマは、よきコミュニケーションを図るために基本となる「事実・感情・考えを分けて伝える」である。平素は行わないことが多い「事実・感情・思考」を分けて捉えるワークを行い、分けて捉えることの難しさとコツを体験して、今後のコミュニケーション能力の向上に役立てていただきたい。初心者からベテランまで、幅広い方々の参加を期待しています。

※定員に達しましたので、参加登録の受付を終了させて頂きました。多数のお申込をありがとうございます。

一般演題口頭発表

●一般演題口頭発表1
Be ambitious!
〜新人一般演題による口頭発表セッションin 岡山〜

9月16日(土) 16:40〜18:10
第5会場

座長:稲吉 美由紀(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター)

座長:井上 薫(株式会社EP綜合)

概要

新型コロナ感染拡大に伴い、学会等はオンラインやハイブリッドでの開催が定着しつつある。遠方からなかなか参加できない人や学会の参加が難しかった人も自分の都合のよい時間に聴講、閲覧できるメリットは大きい。一般演題発表はe-ポスターでの発表により、現地へ向かうことなくポスターの閲覧ができるようになったが、口頭発表はプレゼンテーション、質疑応答を経験することで、話す人が聞き手にわかりやすく伝えるスキルを磨く絶好の場となっている。
そこで、第23回CRCと臨床試験のあり方を考える会議2023 in 岡山では、治験、臨床研究等に従事した経験年数が浅く、学会での発表経験が少ない方に口頭発表をしていただくセッションを設けた。
本セッションでは各演者の方々の発表の後、会場やLIVE配信での質疑応答を予定している。

O1-01 治験業務にリスクマネジメントを実践することで質の向上と作業効率化の両立を目指す

演者:上田 勉(滋賀医科大学医学部附属病院 臨床研究開発センター)

O1-02 第1相臨床薬理試験実施に向けた支援体制の構築

演者:渡邊 未久(富山大学附属病院 臨床研究管理センター)

O1-03 治験データ管理CRCの導入と運用の課題に対する解決策の考察

演者:中嶋 未来(シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社 大阪オフィス)

O1-04 臨床スタッフとCRCの相互理解を深めるための検討

演者:助川 美月(桶狭間病院藤田こころケアセンター)

O1-05 繰り返さない! ~みんなで共有,深まる理解,防ぐ逸脱~

演者:古 千晶(日本大学医学部附属板橋病院 臨床研究センター)

O1-06 「予期せぬ問題“Unanticipated Problems”」を使った継続審査

演者:吉田 正樹(東北臨床研究審査機構(ACTIVATO))

O1-07 臨床検査技師からCRCへのキャリアシフトにおいて直面する課題と克服のための展望

演者:橋本 憂奈(金沢医科大学病院 臨床試験治験センター)

●一般演題口頭発表2
Full of energy!
〜選出された一般演題による口頭発表セッション 〜

9月17日(日) 9:00〜11:00
第4会場

座長:前田 実花(北里大学薬学部 臨床薬剤疫学/ 北里大学病院 HRP室・薬剤部)

座長:稲吉 美由紀(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター)

概要

新型コロナ感染拡大に伴い、学会等はオンラインやハイブリッドでの開催が定着しつつある。一般演題発表はe-ポスターでの発表により、現地へ向かうことなくポスターの閲覧ができるようになり、遠方からなかなか参加できない人や学会の参加が難しかった人も自分の都合のよい時間に聴講、閲覧できるメリットは大きい。ポスター発表は現場で困っていることを解決するために、各参加者が興味のある演題の発表を聞きに行き、演者との質疑応答や情報交換をすることで、業務の見直しや新たな取り組みのきっかけになっていると感じている。そこで、第23回CRCと臨床試験のあり方を考える会議2023 in 岡山では、一般演題の中から、他施設において有用性のある取り組み、独創性のある着眼点での発表など、新規性や発展性のあるテーマで発表されている演題を選出し、活気ある取り組みを口頭発表をしていただき、情報共有と質疑応答が可能となるよう一般演題による口頭発表セッションを企画した。
エネルギーに満ちた有意義なセッションとなることを願っている。

O2-01 Veeva SiteVault等を用いたカット・ドゥ・スクエアからの移行と運用の再構築

演者:鈴木 かおり(JA静岡厚生連遠州病院)

O2-02 治験薬の在宅投与導入にむけた訪問看護ステーションとの連携体制の整備

演者:野村 清郁(山口大学医学部附属病院 臨床研究センター)

O2-03 特定臨床研究の支援に対するリスクの検討 ~CRCの立場から~

演者:赤澤 明日美(シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社 岡山オフィス)

O2-04 その手順本当に必要?
~必要性に疑問を感じる治験実施手順の調査と疑問の解消に向けた取り組み~

演者:河野 美那子(東京大学医科学研究所附属病院)

O2-05 廃棄検査キットの削減による業務効率向上への取り組み

演者:大野 葉月(国立がん研究センター中央病院 臨床研究コーディネーター室)

O2-06CRC/CRA合同ワークショップ
「今日から始める!医療機関で行う臨床試験のプロセス管理」を踏まえた今後の取り組み

演者:塩見 輝朗(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会 タスクフォース2)

O2-07 CRCの経験年数とアクシデント事例の関連について

演者:森 真季子(株式会社EP綜合))

O2-08 Quality by Design による臨床試験の実践に向けた課題分析
~研究者・支援者を対象としたFocus Group Interviewより~

演者:神山 直也(旭川医科大学病院))

O2-09 訪問看護を用いたDCTに初めて従事する看護師が経験した困難
~体制・教育システム構築にむけて~

演者:松下 はるゑ(ソフィアメディ株式会社 経営企画本部 治験プロジェクト)

O2-10 NCGM が開発したeConsentシステムにおける「厚労省eConsent ガイダンス」の要件に関する検討

演者:友次 直輝(国立国際医療研究センター)

Web企画(教育講演)

●Web企画(教育講演)1
DCT関連規制・ガイダンスの動向 
〜治験の実際に役立つヒントを得よう〜

【事前配信】オンデマンド配信

座長:田之頭 淳一(日本製薬工業協会 医薬評価委員会 臨床評価部会)

概要

これまでの臨床試験は患者が実施医療機関へ来院し、評価を受ける方法が主流であり、実施医療機関が自宅から遠方にある患者や、疾患や症状等によって定期的な来院に制限がある方にとっては、臨床試験への参加が困難となる場合があった。このような課題に対して、実施医療機関に集約された臨床試験プロセスを分散化させ、患者が実施医療機関へ来院しなくても臨床試験に参加できる新しい臨床試験手法(分散化臨床試験、Decentralized Clinical Trial、以下DCT)が、医薬品開発の有効な手段の一つとして国内外で検討されており、コロナ禍を背景に、その活用は広がりつつある。
2022年度より、DCT実施に向けた環境整備の一環として厚生労働省の「オンライン治験信頼性確保に係る調査・ガイダンス作成事業」が開始され、これまでに「治験及び製造販売後臨床試験における電磁的方法を用いた説明及び同意に関する留意点について(令和5年3月30日)」が発出された。
本講演は、DCTの基本的な考え方から最新のガイダンスの内容を把握する機会となる。

医療機関への来院に依存しない臨床試験(DCT)の実現に向けて

演者:駒形 昌宣(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会/住友ファーマ株式会社)

DCTの現状と課題、ガイダンスの策定に向けた取組について

演者:福田 祐介(厚生労働省医薬・生活衛生局 医薬品審査管理課)

●Web企画(教育講演)2
GCP省令、臨床研究法及び生命・医学系指針の最新の動向について

【事前配信】オンデマンド配信

座長:四方 賢一

概要

本邦で行われる治験・臨床研究の多くは、GCP省令、臨床研究法及び生命・医学系指針を遵守して実施される。臨床研究法は2018年に施行され、ちょうど5年が経過した。治験に比べ、該当する試験数は多くないが、特定臨床研究の試験成績を医薬品の承認申請に利用する場合の留意点が発出されるなど、特定臨床研究が薬事申請に利用される可能性が高まりつつある。また、生命・医学系指針では、令和3年3月にゲノム指針と医学系指針が統合され、これを契機として、複数の研究機関を1つのIRBで審査する一括審査の利用が増えてきている。一方、GCP省令については、令和2年度に治験使用薬の概念が追加され、それに伴い、治験副作用等報告の範囲も変更となった。近年、このように、種々の規制が変化していく中で、私たちは治験だけでなく、特定臨床研究や指針下の研究のような異なる規制に触れる機会も徐々に増えつつある。そこで、本セッションでは、各規制の最新の動向に焦点を当てて、それぞれの規制に精通した方々に教育講演をお願いすることとした。なお、GCP省令については、医師主導治験に焦点を当てた講演をお願いしており、会議後もオンデマンド配信を予定しているため、是非一度、ご視聴いただければ幸いである。

医師主導治験の基礎

演者:演者:土田 尚(国立病院機構本部 総合研究センター)

臨床研究の歴史と倫理から知る「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」

演者:寺元 剛(富山大学附属病院 臨床研究管理センター

臨床研究法 -施行5年後の見直しに係るとりまとめの概要を中心に-

演者:伊藤 美樹(国立がん研究センター中央病院)

●Web企画(教育講演)3
安全性データの収集方法が変わる?~ICH E19ガイドラインの臨床試験現場へのインパクト~

【事前配信】オンデマンド配信

座長:田上 雅之(日本製薬工業協会 薬事委員会/ファイザー)

概要

ICH E19(安全性データ収集の最適化ガイドライン)という新しいガイドラインによって、安全性プロファイルが十分に特徴づけられた医薬品に関して新たな臨床試験を実施する際に、安全性データがリスクに応じて収集・解析される方向に向かうかもしれません。E19ガイドラインで推奨する「選択的安全性データ収集:SSDC」の手法では、医薬品の安全性プロファイルおよび臨床試験の目的に応じて安全性データの収集項目が削減され、当該試験のなかで、より重要度の高い安全性情報(重篤な有害事象:SAEや特に注目すべき有害事象:AESI)の収集にリソースを集中できる可能性があります。もちろん、SSDCを適用した臨床試験においても、試験参加者の福利・安全性の確保は最重要課題であり、責任医師等による被験者の安全性モニタリングやカルテ等への記録が必要であることは変わりありません。臨床試験における安全性データの収集項目が削減されることで、副次的には、エラーの低減、クエリー対応の負担の軽減なども期待されますが、その適用にあたっては、SSDCの適用方法について正しく理解し、GCPリノベーションで重視される試験立案時における品質の作りこみ(Quality by Design)が重要になってきます。今後、日本においてもSSDCを適用した介入臨床試験が増加していくことが予想されることから、本セッションを通じてE19ガイドライン施行に伴って変化する臨床試験での対応について、医療現場の皆様と情報共有し、議論したいと考えています。

E19ガイドラインの概要

演者:渡部 ゆき子(日本製薬工業協会 臨床評価部会/中外製薬株式会社)

選択的安全性データ収集と包括的安全性データ収集でのデータ収集・集計・解析の留意点

演者:酒井 弘憲(日本製薬工業協会 データサイエンス部会/エーザイ株式会社)

●Web企画(教育講演)4
臨床試験レイサマリーの現状と本邦での普及へ向けて

【事前配信】オンデマンド配信

座長:小村 悠(一般社団法人PPI JAPAN/国立がん研究センター東病院)

概要

欧州では、欧州連合臨床試験規則(EU CTR)536/2014(2022年1月発効)により、全ての臨床試験の結果を一般市民が知ることができるよう簡単な要約(レイサマリー)の提供が必須となった。Good Lay Summary Practice(GLSP)は、試験のスポンサーに対し、一般市民が公平にアクセス可能となるよう、臨床試験情報システム(CTIS)を通じたレイサマリーの提供を義務付けている。新薬開発において国際共同治験の実施が一般的である中、レイサマリーに対する本邦での検討は始まったばかりである。近年、医薬品開発における患者・市民参画(PPI)への認識が高まるものの、試験結果へ患者や一般市民がアクセスすることは難しい。治験参加者であっても、自身が参加した試験結果にアクセスできないことがある。試験結果の提供のあり方の整備・改善が求められるところである。本セッションでは、海外・本邦におけるレイサマリーの現状を整理し、本邦でのレイサマリーの理解・普及のための一般社団法人ピー・ピー・アイ・ジャパン(PPI JAPAN)の活動、製薬企業やアカデミアでの最近の取り組み事例を紹介し、レイサマリーを通じた患者への試験結果の共有にあたって治験実施施設や治験コーディネーターに期待される役割、レイサマリーが普及することで期待される治験環境の変化やその社会的意義について考察する。

レイサマリー:その意義と普及への取り組み

演者:八木 伸高(一般社団法人PPI JAPAN/日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社)

本邦の現状と製薬企業からの期待

演者:鈴木 和幸(一般社団法人PPI JAPAN/ノバルティス ファーマ株式会社)

患者還元がなぜ必要なのか? ~レイサマリーへの期待と課題~

演者:桜井 なおみ(一般社団法人PPI JAPAN/一般社団法人CSRプロジェクト)

Web企画(CRCあり方ラジオ)

●CRC あり方ラジオ in 岡山:治験の課題をTransforming ①
治験におけるSDGs ~持続可能なスタイルを考えよう~

9月16日(土) 10:40〜11:40
WEB用会場

座長:稲吉 美由紀(国立研究開発法人 国立成育医療センター)

座長:深川 恵美子(広島大学病院 広島臨床研究開発支援センター)

P-030 次世代に向けた持続可能な治験SDGs/カーボンニュートラル/BCPなどの社会的課題に貢献するための新たな活動の取り組みの検討

演者:村田 勇人(EFPIA Japan 臨床部会/中外製薬株式会社)

P-034 費用適正化・業務効率化を目指した治験進捗管理システムの構築

演者:上村 ゆかり(熊本大学病院 臨床試験支援センター)

P-111 リクルート時のQRコードの有用性について

演者:志済 美樹(山形徳洲会病院 臨床試験センター)

P-139 治験における未使用検査キット廃棄の現状調査 SDGsを目指してCRCにできること

演者:久保 あかり(公立大学法人横浜市立大学附属病院 臨床試験管理室)

●CRC あり方ラジオ in 岡山:治験の課題をTransforming ②
治験におけるDiversity Management ~多角的視点で新たな創造を生み出そう~

9月17日(日) 13:50〜14:50
WEB用会場

座長:稲吉 美由紀(国立研究開発法人 国立成育医療センター)

座長:深川 恵美子(広島大学病院 広島臨床研究開発支援センター)

P-054 医療機関と治験依頼者の業務効率化に向けた協働
~北大-ノバルティス:メール簡素化トライアル~

演者:小林 奈緒美 (北海道大学病院 医療・ヘルスサイエンス研究開発機構 臨床研究開発センター)

P-103 新人CRCが考える新人CRCのための教育アプリの構築

演者:三浦 太郎(岡山大学病院 新医療研究開発センター 治験推進部)

P-113 小児外来治験でのファシリティドッグの介入におけるCRCの対応

演者:砂押 照代(東京都立病院機構東京都立小児総合医療センター 臨床研究支援センター)

P-127 熟練した臨床研究コーディネーター(CRC)のレジリエンスに関与する心理社会的要因

演者:野呂 幾久子(東京慈恵会医科大学 人間科学教室)

概要

第21回CRCと臨床試験のあり方を考える会議2021 in 横浜において開催された「CRCあり方ラジオ:一般演題からLIVEトーク」が好評につき岡山で第2弾を開催することとなった。このLIVEトークでは、事前に一般演題からテーマを2つ選出し、その同じテーマで発表されている演者数名にオンラインで接続頂き(現地参加も可)、ポスターでは語りきれなかった思いを演者からお話し頂いたり、発表内容についてディスカッションしていく。
ディスカッションをLIVE配信で視聴頂けるようにしており、「ラジオを聴くように」気軽に視聴頂きながら、LIVEトークの時間をリスナーの皆様と共有し、耳から学ぶ場としていきたい。

Web企画(ポスターツアー)

プログラム委員と“ブラブラ”巡るポスターツアー

オンデマンド配信

座長:稲吉 美由紀(国立成育医療研究センター)

座長:近藤 直樹(国立病院機構東京病院)

演者:稲泉 恵一(ファイザーR&D合同会社)
難波 志穂子(岡山大学病院)
樋口 和奈(株式会社アイロム)

コメンテーター:黒田 智(岡山大学病院)

概要

プログラム委員が一般演題のいくつかのカテゴリーのポスターについて、プログラム委員の独自の視線・目線でポスター巡りを展開し、専門知識や歴史、過去の出来事、最近の話題、今後の展望などにふれながら、見どころを紹介していきます。いつもと違った視点でポスターを見ることで、新たな発見があるかもしれません。プログラム委員と“ブラブラ”歩きながら探検・散歩する感覚でポスター巡りを楽しんでいただきたいと考えております。

共催セミナー 1日目

●共催セミナー1

9月16日(土) 12:20〜13:20
第1会場(現地+WEB)

◆ SS1 データインテグリティ、その意味を改めて認識し浸透していくために
三団体によるデータインテグリティ宣言とその啓発活動の報告

座長:小川 武則(一般社団法人日本CRO協会/メディカル・データ・ビジョン株式会社)

開会挨拶:佐野 俊治(日本製薬工業協会/ MSD 株式会社)

演者:藤岡 慶壮(日本製薬工業協会/住友ファーマ株式会社)
牧 敬二(日本SMO協会/株式会社EP綜合)
小川 武則(一般社団法人日本CRO協会/メディカル・データ・ビジョン株式会社)

パネリスト:野﨑 裕乃(日本製薬工業協会/株式会社中外臨床研究センター)
佐々木智子(日本SMO協会/株式会社アイロム)
田邉 理恵(一般社団法人日本CRO協会/イーピーエス株式会社)

閉会挨拶:後藤 美穂(日本SMO協会/トライアドジャパン株式会社)

共催:日本製薬工業協会/日本SMO協会/一般社団法人日本CRO協会

●共催セミナー2

9月16日(土) 12:20〜13:20
第2会場(現地+WEB)

◆ SS2 セントラルIRBの利活用を考える
(治験の国際競争力維持のために)

座長:内田 智広(R&D Head Club治験環境改善TF WG3 /ノバルティス ファーマ株式会社)

演者:田邊 將行(R&D Head Club治験環境改善TF WG3 /アッヴィ合同会社)
河原 志都子(R&D Head Club治験環境改善TF WG3 /日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社)
稲野 彰洋(ACTIVATO /福島県立医科大学)

共催:R&D Head Club

●共催セミナー3

9月16日(土) 12:20〜13:20
第3会場(現地+WEB)

◆ SS3 臨床試験の未来に向けて:
~DCTのその先に−MCTC(Modernizing Clinical Trial Conduct)~

座長:宮崎 由美子(日本イーライリリー株式会社 臨床開発本部)

パネリスト:岩見さゆり(シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社 SSIカンパニー 西関東オフィス)
吉田 詩織(京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構 臨床研究支援部)

SS3-1 TransCelerateが提唱する近代化臨床試験(MCTC)

演者:矢部 一美(ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 臨床開発部)

SS3-2 DCTベンダーの立場からのDCT(eConsent+α)導入のベストプラクティス

演者:小野口 浩行(メディデータ・ソリューションズ株式会社)

SS3-3 治験実施医療機関の立場からのDCT(eConsent+α)導入のベストプラクティスとDCT導入試験の治験参加者の声

演者:近藤 良仁(シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社)

共催:TransCelerate Biopharma Inc.

●共催セミナー4

9月16日(土) 17:40〜18:40
第3会場(現地開催のみ)

◆ SS4 我が国の医薬品産業が目指す姿
~創薬力の強化育成におけるCRCへのエール~

座長:松島 学(日本SMO協会)

SS4-1 創薬力の強化育成に関するプロジェクトチーム 提言より

演者:橋本 岳(衆議院議員)

SS4-2 令和4年度厚生労働行政推進調査事業(厚生労働科学特別研究事業)
「小児がん及び小児希少難治性疾患に係る医薬品開発の推進制度に資する調査研究」について

演者:鹿野 真弓(東京理科大学 薬学部 薬学科 医療薬学教育研究支援センター)

共催:日本SMO協会

●共催セミナー5

9月16日(土) 12:20〜13:20
第4会場(現地+Live配信)

◆ SS5 治験アンバサダー(治験の適切な理解と患者の治験参加の意思決定を支援する取り組み)

座長:松山 琴音(学校法人日本医科大学)

パネリスト:大桃 慶子(シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社)
井上 貴博(シミック株式会社)

SS5-1 治験アンバサダーはなぜ必要なのか?

八木 伸高(日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社)

SS5-2 治験アンバサダーがCRCに期待したいこと,治験,同意取得に与える影響

奥瀬 正紀(INSPIRE JAPAN WPD)

SS5-3 患者による理解、納得した意思決定のために

演者:柳澤 由紀(静岡県立静岡がんセンター)

共催:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社/シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社

●共催セミナー6

9月16日(土) 12:20 〜13:20
第5会場(現地+WEB)

◆ SS6 日本がグローバル試験から排除される日
~5年間で我々は変われたのか?最悪のシナリオを回避するための意識・行動改革~

座長:安井 嘉一(欧州製薬団体連合会 臨床部会/ノバルティス ファーマ株式会社)
石崎 哲誠(米国研究製薬工業協会 臨床部会/ギリアド・サイエンシズ株式会社)

演者:吉田 健吾(ファイザーR&D合同会社)
森田 知史(日本イーライリリー株式会社)
香川 由美(バイエル薬品株式会社)
柏原 辰彦(ノバルティス ファーマ株式会社)
松澤 純平(アストラゼネカ株式会社)
寺山 耕平(MSD株式会社)
戸部 寛人(ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)
酒井 茉由(ギリアド・サイエンシズ株式会社)
髙橋 昌大(インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社)
林田 雄介(ヤンセンファーマ株式会社)
木戸 究(ノバルティス ファーマ株式会社)
斎藤まど香(岡山大学病院)
森山 菜緒(帝京大学医学部附属病院)

共催:PhRMA/EFPIA Japan

共催セミナー 2日目

●共催セミナー7

9月17日(日) 12:30〜13:30
第1会場(現地+WEB)

◆ SS7 リモートアクセスモニタリングの有用性について改めて考えてみよう

座長:奥田 浩人(岡山大学病院 新医療研究開発センター 治験推進部)

SS7-1 リモートアクセスのこれからを施設として考える

演者:佐々木由紀(北海道大学病院 臨床研究開発センター)

SS7-2 リモートアクセスモニタリングの特定臨床研究における活用事例

演者:樽井 弥穂(大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部 臨床研究センター)

SS7-3 リモートアクセスモニタリングソリューションの現状

演者:下河辺 純一(日本CRO協会 リモートアクセスタスクフォース)

共催:一般社団法人日本CRO協会

●共催セミナー8

9月17日(日) 12:30〜13:30
第2会場(現地+WEB)

◆ SS8 セントラルIRBの利活用を考える
~その最初の一歩を踏み出すために~

座長:稲野 彰洋(ACTIVATO/福島県立医科大学)
水谷 圭吾(R&D Head Club 治験環境改善TF WG3 /グラクソ・スミスクライン株式会社)

パネラー:稲澤 譲治(HURECS /東京医科歯科大学 リサーチコアセンター)
飯村 康夫(厚生労働省 医政局 研究開発振興課 治験推進室)
近藤 直樹(独立行政法人国立病院機構 東京病院)
原田 文香(R&D Head Club治験環境改善TF WG3/中外製薬株式会社)

共催:一般社団法人東北臨床研究審査機構(ACTIVATO)/NPO法人臨床研究の倫理を考える会(HURECS)

●共催セミナー9

9月17日(日) 12:30〜13:30
第3会場(現地+WEB)

◆ SS9 未来につながるサステナブルな治験電磁化への取組み

座長:長尾 典明(日本たばこ産業株式会社 医薬事業部 臨床開発部)

演者:渡邉 享平(福井大学医学部附属病院 医学研究支援センター)
福島 達也(IQVIAサービシーズ ジャパン株式会社 Clinical Operations)
後藤 美穂(日本SMO協会/トライアドジャパン株式会社 代表取締役副社長 医薬開発本部本部長)
鎌倉 千恵美(アガサ株式会社 代表取締役社長)

共催:アガサ株式会社

●共催セミナー10

9月17日(日) 11:10〜12:10
第4会場(現地開催のみ)

◆ SS10 テクノロジーを活用した臨床試験の浸透と医療機関における業務変化

座長:小野口 浩行(メディデータ・ソリューションズ株式会社)

演者:藤野 耕太郎(メディデータ・ソリューションズ株式会社)

共催:メディデータ・ソリューションズ株式会社

●共催セミナー11

9月17日(日) 12:30〜13:30
第4会場(現地開催のみ)

◆ SS11 DCT特論:分散化が加速する臨床試験の未来!
医療機関との共創がもたらす新たな社会基盤構築
〜業界特化テクノロジースタートアップの役割〜

座長:浅野 健人(大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部臨床研究センター)

演者:猪川 崇輝(株式会社Buzzreach)
前島 哲平(株式会社Buzzreach)
山本 晋也(株式会社 Link & Innovation)

共催:株式会社Buzzreach

●共催セミナー12

9月17日(日) 12:30〜13:30
第5会場(現地+WEB)

◆ SS12 ブロックチェーン技術を用いた臨床試験システムについて、医療機関での導入で見えた効果と課題(SUSMED SourceDataSync® を導入した第三相試験の事例)

座長:池上 あずさ(社会医療法人芳和会くわみず病院)

演者:上野 太郎(サスメド株式会社)
米満 敦史(株式会社EP綜合)

共催:サスメド株式会社

第23回 CRCと臨床試験のあり方を考える会議 2023 in 岡山

運営事務局:株式会社メッド
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