プログラム・日程

日程表

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日程表(PDF)

開会式

9月2日(土)10:00〜

閉会式

9月3日(日)14:45〜

特別講演

特別講演1

9月2日(土)15:15~16:15

「先端医療機器の開発に挑戦し続ける~日本三大疾患に挑む~」

座 長:水野正明(名古屋大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究支援センター)
演 者:筒井宣政(東海メディカルプロダクツ)

「一人でも多くの生命を救いたい」という精神のもと、先端医療機器の研究開発を行ってこられた研究開発に込めた思いや開発の苦労、そこから得たものなどの経験談、仕事観、人生観、治験・臨床試験に携わるスタッフへのメッセージなどをお話しいただきます。

<講師紹介>
医療機器の分野で活動する研究開発型企業である株式会社東海メディカルプロダクツ(T.M.P.)の会長。先天性の心臓疾患をもつお嬢様を「なんとしても助けたい」という思いから人工心臓の開発に着手。国や公的機関から研究助成金を受けられるようT.M.P.を設立し、人工心臓の動物実験までこぎつけたが、臨床試験を実施するだけの資金と人材がなく開発を断念。
そのころ海外製しかなかったIABPバルーンカテーテルの医療事故の話を論文で読み、お嬢様を救えるものではなかったが、「娘に使用しても安全な医療機器、カテーテルの開発を」という強い思いから、国産初のIABPバルーンカテーテルの開発に取り組み成功。
あるとき、IABPの営業出張から帰りお嬢様が入院していた病院に寄った際「今日も〇〇病院で採用してもらい、カテーテルを使ってもらったよ」と報告すると、お嬢様は「また一人の命を救うことができるね」と自分のことように喜んでくれたという。医療機器の開発への思いは「娘の為」から「いい製品を作って人の役に立つ」に変わった。
お嬢様の他界後も「一人でも多くの生命を救いたい」という精神のもと、医療現場の声に耳を傾け、患者に負担の少ない安全な医療機器の開発に取り組んだ。

平成23年、旭日双光章受賞。
ワールド・アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2016の日本代表に選ばれる。

特別講演2

9月3日(日)13:15~14:15

「研究倫理教育の現状と課題~研究倫理教育からRCR教育へ~」

座 長:氏原 淳(北里大学北里研究所病院 薬剤部/臨床研究適正運用管理室)
演 者:札野 順(東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院)

医学系研究の領域において、研究不正やコンプライアンス違反の話題があとを絶たない。他の施設・企業における研究倫理違反の事例とその代償の大きさを目の当たりにし、他山の石として対策を講じている組織もあるだろう。対策を講じても網の目をかいくぐって起きてしまう違反事例や、研究者自身が倫理違反と気付かず問題のある作業が進行してしまっている事例も少なくない。CRCあり方会議でも、臨床研究に携わる関係者がなぜそういう事態に巻き込まれてしまうのか、どうすれば再発防止が可能なのか、例年の課題として議論を重ねてきた。この課題への対策のひとつが「研究倫理教育」である。施設内の教育セミナーや公認e-learningなどを駆使し、現場CRCや研究事務局なども改善に向けて粘り強く研究倫理教育に関与している。
本セッションのテーマとして挙げた「RCR教育」はミシガン大学のニコラス・ステネックが提唱し、米国研究厚生局(ORI)により提供される「責任ある科学研究(Responsible Conduct of Research, RCR)」の教育の考え方である。本セッションでは、国内に於けるRCR教育の第一人者、札野順先生をお招きし、臨床研究領域に限らず、国内外におけるRCR教育の動向や優れた教材について紹介いただく。研究不正に対応する研究倫理教育から「責任ある研究活動(RCR)」を構築するためのRCR教育に向け、新たな手法やツールを利用してCRC自らが学び、スタッフへのより実践的な指導の方策を学ぶ機会としたい。
※聴講にあたっては、札野先生が翻訳を手掛けたORI制作のバーチャル体験型学習シミュレーション教材
「THE LAB(http://lab.jst.go.jp/)」を事前に体験いただくことをおすすめします。

教育講演

教育講演1

9月2日(土)10:15~10:45

「臨床研究法の解説」

座 長:安藤雄一(名古屋大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究支援センター)
演 者:井本昌克(厚生労働省 医政局 研究開発振興課)

教育講演2

9月2日(土)10:45~11:15

「個人情報保護法改正に伴う人を対象とする医学系研究に関する倫理指針改正の解説」

座 長:安藤雄一(名古屋大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究支援センター)
演 者:田代志門(国立がん研究センター 研究支援センター 生命倫理支援室)

教育講演3

9月2日(土)11:15~11:45

「拡大治験の解説」

座 長:安藤雄一(名古屋大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究支援センター)
演 者:後澤乃扶子(国立がん研究センター 研究支援センター 研究管理部研究管理課)

教育講演4

9月3日(日)9:15~9:45

「患者申出療養制度の解説」

座 長:大村泉美(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会)
演 者:渡部歌織(東京大学医学部附属病院 臨床研究支援センター)

教育講演5

9月3日(日)9:45~10:30

「保険外併用療養費制度・被験者負担軽減費の解説」

座 長:大村泉美(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会)
演 者:佐藤 啓(公益財団法人 日本薬剤師研修センター)

トークセッション

9月2日(土)17:00~18:30

「原点を見つめて新たな一歩へ~CRC・CRAとしての心構え~」

インタビューワー:町 亞聖(フリーアナウンサー)
サポーター:丸山由起子(公益社団法人 日本医師会 治験促進センター)
パネリスト:安藤幸子(名古屋大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究支援センター)
パネリスト:大野昌美(セーマ株式会社 品質管理部)
パネリスト:石塚健二(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会)
パネリスト:植田真一郎(琉球大学大学院医学研究科 臨床薬理学)
パネリスト:轟 浩美(スキルス胃がん患者家族会 認定NPO法人 希望の会)

平成8年の薬事法(現「薬機法」)改正により医薬品の治験に関してGCPが法制化されてから20年が経過した。この間、臨床研究・治験を取り巻く環境や制度は大きく変化してきた。そのような中、進歩していく医療に、変化していく環境にCRC、CRA自身が追いつけず戸惑いを感じていることもあるのではないだろうか。また、「目の前にある臨床研究や治験がなぜ必要なのか」、「薬機法やGCPは何を求めているのか」根底にある重要な部分は当たり前として存在しており、日々の業務の中で改めて根底部分を考える機会は多くはないだろう。医療の進歩は、病気で苦しむ方々の希望であるとともに常にリスクの側面や倫理的問題が潜んでいることを忘れてはならず、臨床研究・治験に携わる私たちの倫理観や向き合う姿勢は常に問われている。

そこで本セッションでは大きな変化を迎えた今、臨床研究・治験に携わる私たちに求められる倫理観を主軸に法、倫理、実務、教育等のテーマに沿って、「CRC・CRAの存在意義ってなんだろう」、「求められるものが多く、日々の業務に追われて大変だ」「CRC・CRAを極めたい」など不安や疑問、これからに対する期待など様々な思いを抱えて臨床研究・治験と向かい合っている皆さんに向けてCRC、CRAの土台を築き上げたプロフェッショナル、医師、患者家族をパネリストにむかえ、トークセッション形式で「CRC・CRAとしての心構え」についてお話いただく。

本セッションを通し、パネリストの方々の考えやメッセージを受けて臨床研究・治験に関わる者としての倫理観(心構え)を自分なりに考え、感じとっていただき、私たちが守り続けること、そして変えていくべきことは何か、「原点を見つめて新たな一歩」を踏み出す機会としたい。

シンポジウム

シンポジウム1

9月2日(土)10:15~11:45

「院内コーディネーションのコツここにあり!~専門性を活かしたチームの取組み~」

座 長:石橋寿子(アッヴィ合同会社 開発本部)
座 長:広田沙織(公益社団法人 日本医師会 治験促進センター)

SY1-1:
臨床研究のサポート体制構築に向けた取り組みー臨床研究コーディネーター室長の立場からー
吉野孝之(国立がん研究センター東病院 臨床研究コーディネーター室)
SY1-2:
主体性のある臨床試験のチーム作りとは
宋菜緒子(がん研究会有明病院)
SY1-3:
総合病院CRCにおけるチーム連携の取組み
榎本有希子(日本大学医学部附属板橋病院  臨床研究推進センター)
SY1-4:
SMO所属CRCがチーム連携を上手に行うコツ
後藤美穂(トライアドジャパン株式会社)

多方面の専門性と臨床経験をもつ医療従事者がそれぞれの職能をもって治験に携わる。それら他部門との連携を図り、よりよい状態で治験を実施できる環境を整え、変化する状況に合わせ調整し続けることはCRCの大きな役割のひとつである。
専門領域や経験の違いを活かし、業務を分担し、チームとして治験に取り組むことの必要性はすでに提言されている。しかし、実際に院内調整を試みると様々な壁や障害と向かい合い、結果として多くのことをCRCが請け負っているケースは少なくないだろう。他部門との連携、業務分担を考えるにあたり「治験=業務の増加」と業務量の側面から議論されることもあるが、大切なことは必要な部分に関しては最も適した人材が対応することである。医療の進歩、規制等の変化に伴いこれまで以上に他部門との連携を深めなければ患者の安全性を十分確保することが難しいケースにぶつかることとなる。多くのことをCRC一人で対応する状況は、様々な視点が加わる機会を減らし、専門知識や経験の不足から問題発見の遅れや逸脱、最終的には患者への負担につながるリスクがあることを実施医療機関全体として認識しなければならない。
本セッションでは、チームリーダーとなる医師から「治験責任医師としての治験に対する想い」、「チームメンバーに期待すること」などについて発表いただき、異なる規模、形態を要した医療機関を支援する3名のCRCからは臨床試験に関与する医療従事者がその専門性を最大に引き出し、チームとして機能するために自組織における活動、取組みとして「他部署との連携方法や情報の共有方法」、「医療機関全体に対する啓蒙活動」など「何を、どのように調整すればよいのか」、「出されるリクエストにどのように応えていくのか」について発表いただく。
それぞれの専門性を活かしたチームアプローチの必要性について議論を深め、よりよい治験実施環境を整備することが治験の質の向上、被験者の安全性の確保に繋がることを改めて考える機会としたい。

シンポジウム2

9月2日(土)10:15~11:45

「臨床試験の明日に向けたレジストリとバイオバンク〜ビッグデータの時代を迎えて〜」

座 長:勝野雅央(名古屋大学大学院医学系研究科 神経内科)
座 長:湯地晃一郎(東京大学医科学研究所)

SY2-1:
創薬に向けた神経変性疾患レジストリの意義と筋萎縮性側索硬化症(ALS)における取り組み
熱田直樹(名古屋大学医学部附属病院 神経内科)
SY2-2:
バイオバンク・ジャパンの現状と展望
湯地晃一郎(東京大学医科学研究所)
SY2-3:
疾患レジストリー構築・運用法の標準化のためのガイドライン(電子カルテデータの利活用にむけた取り組み)
水島 洋(国立保健医療科学院 研究情報支援研究センター)
SY2-4:
バイオバンク・レジストリに必要な倫理的配慮
玉腰暁子(北海道大学大学院医学研究院)

近年、がんや難治性疾患のレジストリやバイオバンクが構築され、疾患の自然歴やバイオマーカーの解析が進んでおり、創薬への応用が期待されている。レジストリはがんや希少疾患などの患者情報を登録し、前向きに重症度や合併症などの臨床情報を収集する研究であり、疫学情報の把握や臨床試験への組み入れ促進などのために必要不可欠であるが、それに加え、従来の臨床試験が困難な分野や市販後における臨床試験のヒストリカルコントロールとしても、近年注目が集まっている。一方、治療法開発のためのリソースとして、バイオバンクの構築が進められており、ゲノム・RNA・蛋白質・代謝物質などのオミックス解析による病態解明や、生体情報に基づいた治療法の最適化(precision medicine)、臨床試験におけるエンリッチメント(有効性が期待される被験者の絞り込み)などへの活用が期待されている。また、多数例の診療情報を解析することでリアルワールドにおける疾患の横断像・縦断像を見出そうとするビッグデータ解析の試みも進んでいる。

これらの取り組みは今後の創薬や臨床試験を大きく変えるものと思われるが、一方でデータの質の担保や個人情報保護など、解決すべき課題も指摘されている。本シンポジウムでは、実際にプロジェクトを推進している方々に、レジストリやバイオバンクがどのように治療法開発に生かされようとしているのか、どのような課題と展望があるのか、進行中のプロジェクトの内容も踏まえてお話しいただく。

シンポジウム3

9月2日(土)15:15~16:45

「治験の国際化の中で我々はどのように変わっていくべきか~ICH-E6を中心に~」

座 長:廣瀬 誠(医薬品医療機器総合機構 信頼性保証部)
座 長:藤岡慶壮(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会)

SY3-1:
ICH overview(ICHとは何か)
廣瀬 誠(医薬品医療機器総合機構  信頼性保証部)
SY3-2:
ICH-E6(R2)の概要と国内規制に向けた取組み
酒井亮祐(医薬品医療機器総合機構 信頼性保証部)
SY3-3:
実施医療機関での品質管理の取り組み(依頼者の立場から)
松下 敏(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会)
SY3-4:
実施医療機関での品質管理の取り組み(医療機関の立場から)
小林典子 (国立がん研究センター中央病院 臨床研究支援部門 研究実施管理部)
SY3-5:
ICH E9(臨床試験のための統計的原則)の補遺(ICH E9 (R1))が医薬品開発に与える影響
佐藤貴之(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会)

日本で新規医薬品が早期に申請・承認されるためには日本が早期から実施国として治験に参加することが必要であり、そのためには医療機関が国際標準に対応して治験を実施できる体制を整えることが重要である。

日本では、「国際共同治験に関する基本的考え方(平成19年9月28日)」の発出以降、国際共同治験への参加数が年々増加している。また、ICHメンバーの拡大やガイドラインの策定・改定など、治験の国際化(実施方法等の標準化)は着々と進んでおり、日本で治験を実施するために求められる体制も変化してきている。

特にICH-E6(ICH-GCP)は20年ぶりの改定が進められ、2016年11月の大阪会合で合意(step4)となり、今後、各極の規制に反映されていく予定である。

改定は、既存のICH-GCP本文には手を加えず、補遺(Addendum)を該当箇所に挿入する形で行われている。品質マネジメントなど新たな概念として導入された部分もあるが、要件を明確化するなどにより既存の考え方を整理した部分も多く、新たな対応が増え大変になったというよりは、フレキシブルな対応が可能になったととらえることもできる。

本シンポジウムでは、現在進んでいるICHガイドラインの策定・改定に対する各関係者の取組みや考え方について客観的に見直すことを通じて関係者の理解をより深め、日本で実施する治験にどのような影響を与えるか、それに対して医療機関側ではどのように対応していくことができるのかを検討・共有していきたい。

シンポジウム4

9月2日(土)15:15~16:45

「説明文書、何をどこまで?」

座 長:田代志門(国立がん研究センター 研究支援センター 生命倫理支援室)
座 長:後澤乃扶子(国立がん研究センター 研究支援センター 研究管理部研究管理課)

SY4-1:
オープニングリマークス(何のための説明文書)
田代志門(国立がん研究センター 研究支援センター 生命倫理支援室)
SY4-2:
GCP省令第51条「説明文書」第1項へのチャレンジ 抗がん剤治験副作用リスクの記載方法の一案
福谷美紀(国立がん研究センター東病院 臨床研究支援部門 研究企画推進部)
SY4-3:
同意撤回を考慮した説明文書のあり方に対する治験依頼者の考え方
柏木政宏(一般社団法人 日本医療機器産業連合会)
SY4-4:
GCP省令第71条「説明文書」第1項へのチャレンジ 医療機器治験特有のリスクに関する記載方法の一案
平瀬佳苗(国立循環器病研究センター 臨床試験推進センター)

「医薬品の臨床試験の実施の基準」GCP省令の第50条に、治験の参加にあたっては文書による適切な説明と、文書による同意が必要と規定され「インフォームド・コンセント」の概念が示されてから20年が経過する。このインフォームド・コンセントがGCP省令の目的の一つである「被験者の人権の保護」の骨格をなすものと位置付けられている。

ニュルンベルク綱領でも、同意の質の保証は研究に携わる者の責務とされており、GCP省令においても適切な説明と参加者の理解を得ること、その説明に用いる文書の作成が治験責任医師・分担医師の責務として規定されており、説明文書に記載すべき項目も示されている。

その説明文書は、臨床試験への参加を検討する個人が内容を十分に理解し、自発的な参加の意思を決定できるものであるべきである。

しかしながら昨今の治験では、説明文書のページ数は増加しつづけ50ページを超えるものまで見られ、臨床試験ごとの特性に応じた治験参加者に理解していただかなければならない内容が大量の情報に埋もれてしまっているようにも見える。

本シンポジウムでは、インフォームド・コンセントの原点に立ち返り、説明を受ける側の立場に立った説明文書の在り方、具体的な事例に基づく説明方法を参加者参加型で検討する。

シンポジウム5

9月2日(土)15:15~16:45

「小児臨床開発の現状と課題、推進に向けた取り組み~未来を担う子どもたちのために~」

座 長:栗山 猛(国立成育医療研究センター 臨床研究ネットワーク推進室)
座 長:友常雅子(東京都立小児総合医療センター 臨床研究支援センター)

SY5-1:
小児臨床研究を実施する上での倫理的配慮について
松井健志(国立循環器病研究センター 医学倫理研究部)
SY5-2:
小児治験等を実施するうえでCRCが留意すべきことについて(IA、コミュニケーションの必要性、小児CRC養成など)
山﨑美智子(大阪府立病院機構 大阪母子医療センター 治験推進室)
SY5-3:
小児CRCとして考えること(臨床現場の小児CRCとしての立場で)
小嶋亜純(自治医科大学附属病院 とちぎ臨床試験推進部)
SY5-4:
小児医薬品の承認にむけての課題と国際的なルールの調和について
平田雅一(医薬品医療機器総合機構 小児ワーキンググループ)

日本で汎用される医療用医薬品のうち、添付文書に小児の用法・用量が明確に記載されていない「適応外使用」が全体の約7割を占めているといわれている。しかし、採算性の低い医薬品・医療機器は、企業も率先して開発せず、かつ日本は海外と比べ開発コストが高いといわれていることから、日本における小児開発は遅延する場合が多い。一方、小児での治験・臨床試験(以下、「治験等」という)においては、その対象が“子ども”となることから、親権者への説明と同意取得(インフォームド・コンセント;IC)が必要であると同時に、原則、子ども本人からもインフォームド・アセント(IA:賛意)を取得することが求められる。このため、小児治験等のCRC業務においては、成人と異なった倫理的な配慮や工夫、親権者や子ども本人とのコミュニケーション、子どもの発達などに関する知識も必要とされる。

このような中で本シンポジウムでは、小児治験等を推進していくための支援者であるCRCとして必要不可欠な倫理的原則、CRC業務を実施していくうえで留意すべきこと、及び小児CRC養成のための活動、小児治験等のCRC業務を実践して直面した困難な点やその解決に向けた取り組みについて紹介してもらい小児治験等のあり方について、原点に戻って考えていきたい。さらに小児開発に向けた現状と課題、今後の小児臨床開発の展望についても紹介してもらい総合的に議論したい。 また、本シンポジウムでは、小児治験に参加した保護者の方から治験が終了し承認された後でも抱えていかなければならない課題や治験に参加した体験を通して、治験に対する期待と意見などについてご紹介いただき、改めて治験の意義・意味を考える機会としたい。

小児での現状を次世代に引き継がないために、未来を担う子どもたちのために、我々ができること、やっていくべきこと、やっていかなければいけないことを考えていきたい。

シンポジウム6

9月2日(土)17:00~18:30

「医師主導治験の運営~壁は壊せる、乗り越えられる~」

座 長:小林史明(株式会社CTD)
座 長:鈴木啓介(国立長寿医療研究センター 治験・臨床研究推進センター)

SY6-1:
医師主導治験:これまでの道のり
小林史明(株式会社CTD)
SY6-2:
アカデミアシーズの臨床応用に向けて
笠井宏委(京都大学医学部附属病院 臨床研究総合センター)
SY6-3:
医師主導治験におけるチーム構築とスタディマネジメントの役割
芝川真貴(先端医療振興財団 臨床研究情報センター 医療開発部)
SY6-4:
治験薬提供者から見た医師主導治験の環境変化と今後への期待
島崎茂樹(ノーベルファーマ株式会社 研究開発本部)

医師主導治験が開始され10年以上が経過し、既に医師主導治験を実施した成果として承認された医薬品及び医療機器も出てきている。最近では、医師主導治験を実施するための公的研究費の拡充や民間資金の導入等により多くの医師主導治験が実施される状況になってきている。

このような状況の中で、初めて医師主導治験を運営する側に立つ医療機関もあるが、初めての場合は、やはりまだその運営方法に関する不安があるのが現実であろう。医師主導治験の運営・実施に関しては、GCPや医師主導治験に関する研究班活動等により、特に多施設共同医師主導治験の効率化についてGCP改正やその運用改善が図られてきたこともあり、開始当初よりも実施しやすい環境になっている。また、実施経験のある医療機関も増え、さまざまな面で効率化されてきていることは間違いない。しかしその一方で未だ解決されない、あるいは新たに登場した問題点もある。

本シンポジウムでは、医師主導治験のこれまでの経過及び成果を確認したうえで、複数の医師主導治験の運営に関わったアカデミア演者が経験してきた問題点を共有し、その解決方法から学ぶとともに、問題点をどのように解決していくべきかを討論する。また、医師主導治験に治験薬提供者として関わっている製薬企業演者から問題提起または改善策を提案してもらい、よりよい医師主導治験の運営のための助言を得る。

医師主導治験のさらなる発展のため、今後医師主導治験の運営に携わる方々とともに先達の経験と知恵と熱意の共有を図る機会としたい。

シンポジウム7

9月3日(日)9:15~10:45

「さまざまな思いを示す被験者に対し我々ができること ~臨床試験に期待する患者・家族の声・CRCへのエール~」

座 長:片木美穂(卵巣がん体験者の会スマイリー)
座 長:鈴木由加利(新潟大学医歯学総合病院 臨床研究推進センター)

SY7-1:
患者の立場 患者への配慮について
片木美穂(卵巣がん体験者の会スマイリー)
SY7-2:
患者・患者会の立場 倫理性と科学性両立において
天野慎介(一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン)
SY7-3:
医療機関の立場 倫理性と科学性の両立において
池田律子(滋賀医科大学医学部附属病院 臨床研究開発センター)
SY7-4:
被験者は患者かサンプルか−被験者保護におけるCRCとIRBの役割−
笹栗俊之(九州大学大学院 医学研究院 臨床薬理学分野)

多くの被験者となる患者は自分の病を治したい気持ちを持ちながら、将来の治療候補のための試験的な側面を受け入れ、同意を示される。その上でCRCは研究の科学性と倫理的配慮とは何かを考えながら日々対応しているものと思われる。昨今ではバイオマーカーやファーマコゲノミクス等付随研究の組まれている試験も多く、それらを含む意思確認や同意撤回の説明時、あるいは新たな安全性情報の更新に伴う意思確認時など、様々な場面で被験者の言葉や表情から、まさに試験であることを実感するのではないだろうか。CRCにとって患者の思いに共感しながら、科学的な必要性のためのやるせない気持ちは時として、もやもやと心に残る場合がある。

本シンポジウムでは、試験に伴うジレンマに焦点を当て、なぜジレンマを感じるのか、どう受け止めたら良いのかを、様々な立場の演者の語りから研究倫理のあるべき姿を探っていく。

演者には、患者会の立場より臨床試験・研究に関与する我々に期待しているメッセージと、IRBの外部委員の立場より思いを語っていただく。また施設のCRCからは日々奮闘する中で患者さんの気持ちに沿えていたかどうかを振り返る時や、研究者とCRCの思いなど自由に語っていただく。

そして、研究倫理と被験者保護の観点から現場に向けたエールをいただく中で、我々CRCが誇りをもち職能を果たすためにできることを議論していきたい。

シンポジウム8

9月3日(日)9:15~10:45

「海外はどうしている?日本はどうなるべき?~チーム力向上のために役割分担を考えよう~」

座 長:是恒之宏(大阪医療センター)
座 長:高嶋佳代(東京大学医科学研究所)

SY8-1:
米国医療機関の治験実施チーム体制と日本における課題
中村 桂(クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン株式会社 クリニカルオペレーション統括部)
SY8-2:
米国のがん早期新薬開発(Phase I)治験専門施設における現状と今後の展望・課題
清水俊雄(国立がん研究センター中央病院 先端医療科)
SY8-3:
海外のリサーチナースの動向とCRCの役割
藤原紀子(JORTC/東京大学医科学研究所附属病院)

CRCが日本に導入されて20年以上になる。その間、CRCの役割は治験に携わる医師の補助的業務から、被験者のケア、データの質の管理や信頼性保証の支援も含む医療機関での治験実施全体をコーディネートする役割へと、より大きな責務が課されている。年々、国内の治験の半数以上を国際共同治験が占める様になり、治験のIT化やリスクベースの手法の導入など、治験環境が急速に変化している中で業務が煩雑するだけでなく専門性も求められるようになっている。また、企業治験のみならず医師主導治験や臨床研究に於いてもCRCに求められる業務が増加している現状がある。CRCの役割については、これまで本会でも多くのシンポジウムが開催されているが、主として治験依頼者から見たCRCの役割や治験依頼者との役割分担として検討されていた。一方で、CRCが負担する業務が多種多様化されているため、CRCが多くの業務を担うことは不可能であり、一般診療におけるチーム医療と同様な実施体制を治験や臨床研究の場にも導入する必要性が出てきている。

今回、このセッションではCRCの役割の原点を振り返る目的で、米国で治験医師を経験された医師及びCRCに、医療機関における治験・臨床研究の実施体制(チーム体制)のあり方や治験医師とCRCとの役割分担を、また海外でリサーチナースとして勤務された演者からはリサーチナースの動向および、研究チームと臨床チームの橋渡しを担うCRCの役割やその変化、臨床スタッフとのより良い連携についてご講演を頂く。総合討論では、海外の臨床試験専門職の役割分担の事例をふまえて、海外と日本との文化の違いや取り巻く種々の環境の違いも含めて日本での問題点や課題、研究チームと臨床チームをつなぐCRCの役割の原点について討論したい。

シンポジウム9

9月3日(日)9:15~10:45

「医療現場のニーズから始まる医療機器開発」

座 長:山本晴子(国立循環器病研究センター 臨床試験推進センター)
座 長:小林史明(株式会社CTD)

SY9-1:
医療機器開発は何が難しいのか?
池田浩治(東北大学病院 臨床研究推進センター)
SY9-2:
医療機器開発の実例
林 宏至(北海道大学病院 臨床研究開発センター)
SY9-3:
先駆け審査指定された希少疾患領域医療機器開発
讃岐徹治(熊本大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科)

 臨床研究中核拠点を中心として、アカデミアから実用化されたシーズには、多くの医療機器が含まれている。また、平成27年度より「先駆け審査指定制度」に指定されたシーズのうち、再生医療等製品及び医療機器領域では、当初に指定された5品目全てがアカデミア由来のシーズであり、医師主導治験を経て承認申請を目指しているものも多い。医療機器の開発の場合、医療現場のニーズにより開発がスタートされることが多い。このため、医療現場と機器メーカーが、臨床現場に近いところからニーズを確認し、試作機の製作、設計検証のプロセスを繰返すなど、性能を向上させて製品規格を確定するまでに試行的なプロセスがあり、直線的に開発が進む医薬品と異なる部分が多い。また、製品自体にも治療用や診断用などの用途の違い、人体に対するリスクの程度の違いが千差万別であるなど、様々な医療機器ならではの特徴がある。また、企業主導、医師主導を問わず、医療機器治験において、埋め込み式の場合や手技の際に併用したりする場合などで、被験者に対するリスクや、治験終了後の取り扱いが異なることなど、CRC自身が対象となる開発機器の性能を正確に理解しておかないと、同意説明のプロセスなどで対象者に不安を与える可能性もある。本シンポジウムでは、医療機器の開発を概観すると共に、先進的な医療機器開発治験の実例について紹介することで、医療機器治験の支援業務に大切な点について検討したい。

シンポジウム10

9月3日(日)13:15~14:45

「治験審査委員会・倫理審査委員会の審査の質向上のための取り組み」

座 長:松島 学(日本SMO協会/インクロム株式会社)
座 長:飯島祥彦(名古屋大学大学院医学系研究科 生命倫理統括支援室)

SY10-1:
倫理委員の立場から
飯島祥彦(名古屋大学大学院医学系研究科 生命倫理統括支援室)
SY10-2:
治験審査委員会の質向上のための取り組み~治験審査委員会事務局の立場から~
渡邉達也(北里大学医学部附属臨床研究センター)
SY10-3:
SMOの立場から
藤原貴浩(サイトサポート・インスティテュート株式会社/日本SMO協会)
SY10-4:
倫理審査委員の教育
吉田雅幸(東京医科歯科大学生命倫理研究センター)

平成9年のGCP施行により治験を実施する際の「被験者の人権、安全性及び福祉を保護するため」、治験実施計画書、インフォームド・コンセント関連文書等の審査を治験審査委員会(IRB)にて行うことが義務付けられた。その後のGCP改訂において、IRBの質及び機能の向上やIRB設置要件の拡大、IRB審査に係わる公表内容の規定などが行われているが、これらは偏に「被験者の人権、安全性及び福祉を保護するため」のものである。

GCP施行から20年の経験を通じ、治験をより効率的に推進しようとする機運の中、IRB審査業務の集約化が進められている。審査の質が確保出来ないIRBは淘汰され、より高い質の審査が行えるIRBにその役割を移管したものと思われる。また、IRBの統廃合により例えば実施医療機関設置のIRBでも必然的に他の医療機関で実施する治験の審査を行う機会が増していると思われ、自医療機関にて実施する治験の審査と同質の審査を行うための取り組みや工夫がなされているものと考えられる。また、倫理審査委員会における臨床研究の審査についても同様の取り組みが行なわれている。

本シンポジウムでは集約化を進める中、各立場の演者に「審査の質を確保するための取り組み」を発表いただき、IRBや倫理審査委員会における審査の質を確保する上での課題と解決策を共有し、CRCやIRB・倫理審査委員会事務局関係者が審査の形骸化の防止と審査の質の確保を常に意識する一助となればと考える。また、そもそもIRBに求められること、「被験者の人権、安全性及び福祉を保護するため」を再確認する場としたい。

教育セッション

教育セッション1

9月2日(土)10:15~11:45

「患者さんから「再生医療」について質問されたらどうしますか?」

座 長:加藤勝義(名古屋大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究支援センター)
座 長:豊岡慎子(京都大学医学部附属病院 臨床研究総合センター 早期臨床試験部)

ES1-1:
再生医療って何?再生医療の基本と法律
松山晃文(医薬基盤・健康・栄養研究所 難治性疾患研究開発・支援センター)
ES1-2:
何が違うの?企業治験における医薬品と再生医療の院内調整の違い
佐々木由紀(北海道大学病院 臨床研究開発センター)
ES1-3:
どこまでやっていいの? iPS細胞研究の倫理
藤田みさお(京都大学 iPS細胞研究所 上廣倫理研究部門)

再生医療研究も、基礎研究から動物実験、そしてヒトへの臨床試験へと少しずつ前進し、日本においても臨床試験がおこなわれるようになっている。万能細胞として期待されていたES細胞研究が倫理問題により停滞気味であった2007年、人間の皮膚細胞から万能細胞であるiPS細胞が樹立され、多くの患者さんにとって一筋の光となり、今、患者さんの夢と希望をのせて再生医療研究全体が加速度的に進んできている。ヒトへの臨床試験が期待されるようになり、2013年から2014年にかけて再生医療をヒトに実施するための法律も整備されてきた。そのため、臨床試験(治験も含む)としてCRCが関与することもこれから増えていくと思われる。

近年、医療関係者のみならず誰もが「再生医療」という言葉を知るところとなり、多くの患者さんに夢と希望を与えるような報道がなされている。患者さんから「iPS細胞でなんとかなりませんか?」「再生医療って何ですか?」等の質問に対し、今後、再生医療についての正しい説明をする機会が増えることが予想される。

この教育セッションでは、再生医療関連の専門用語も含めて、教科書レベルでわかりやすく説明いただき、法律の解説をしていただきます。再生医療の基礎を理解と共に、再生医療治験と医薬品治験との違いや再生医療特有の注意点について紹介いただく。また、「再生医療」はもうすぐ叶うかもしれない夢であると同時に、「神の領域」に近づくことになるかもしれない。再生医療を実施するためには、倫理について社会で考えることはとても大切である。今回、医療が進化する上での倫理について改めて考える機会としていただきたい。再生医療について学びましょう!

教育セッション2

9月2日(土)17:00~18:30

「現場視点の臨床研究支援について〜チェックすべきポイント(プロトコル作成から実施まで)~」

座 長:松山琴音(京都府立医科大学 研究開発・質管理向上統合センター)
座 長:青野寛之(クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン株式会社 臨床開発事業部)

ES2-1:
プロトコル作成段階でのチェックポイント
松嶋由紀子(慶應義塾大学病院 臨床研究推進センター)
ES2-2:
モニタリング計画段階でのチェックポイント
稲田実枝子(九州大学病院 ARO次世代医療センター)
ES2-3:
リーンシックスシグマによる試験実施段階での品質確保
小澤郷司(株式会社 Real Discovery Outdoors )

アカデミアにおいて数多く実施されている研究者主導臨床研究において、日本ではこれまでデータの品質や研究結果の信頼性に関して、国際的にその妥当性を問われる事態が多く発生し、社会的にも大きな問題となっている。臨床研究の信頼性確保のあり方に対する一つの動きとして、2015年4月施行の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」ではモニタリングや必要に応じた監査の実施を求めるようになった。また、臨床研究にとってクリティカルな品質をいかにして担保するかということは、昨年11月のICH大阪会議にて合意されたE6ガイドラインや2017年1月に発出されたE8ガイドラインのreflection paperにも概念が導入されており、どのように適切に品質管理を実装するかというのは、今後注目される課題となっている。また、臨床研究の現場において、継続的に改善活動を行なっていくことで、人的なミスやリスクを低減させることも大切な品質管理活動の一つである。本シンポジウムでは、出口戦略を見据えた臨床研究の「質」を考え、実施段階で効率的なモニタリングを実施し、リーンシックスシグマによる改善活動を行うという3つの観点から、被験者の保護と科学性や倫理性が担保された臨床研究の実現のために、現場視点でチェックするべきポイントについて概観する。臨床研究の質を向上することで、社会に必要とされる治療や診断の提供を促進することは、臨床研究の支援の原点でもあり、その意味でCRCが果たす役割には大きなものがある。本シンポジウムを通じて、より質の高い臨床研究の実施に向けた架け橋としたい。

教育セッション3

9月2日(土)17:00~18:30

「開発が困難な希少疾病・難病領域における臨床研究、新薬開発の産学患の取り組み」

座 長:中村治雅(国立精神・神経医療研究センター 臨床研究推進部)
座 長:鶴丸雅子(長崎大学病院 臨床研究センター)

ES3-1:
オープニングリマークス(希少疾病・難病について)
中村治雅(国立精神・神経医療研究センター 臨床研究推進部)
ES3-2:
希少難病HAMの患者レジストリを活用した治療薬開発への取り組みと展望
山野嘉久(聖マリアンナ医科大学大学院 先端医療開発学)
ES3-3:
CRCの希少疾病ネットワークへの関わり・レジストリーとの協働
太幡真紀(国立精神・神経医療研究センター 臨床研究推進部)
ES3-4:
希少疾患薬開発におけるゲノム医療と産学連携
和田道彦(アレクシオンファーマ 研究開発本部)
ES3-5:
患者団体等が主体的に運用する疾患横断的な情報基盤プラットフォームの運用およびそれを用いたQOL調査研究実施
西村由希子(特定非営利活動法人ASrid)

希少疾患・難病はその多くが重篤・慢性・進行性で、患者さんやご家族は、みなさん新たな治療法を待ち望んでいます。しかし、その希少性のためになかなか開発が進みません。

近年、クリニカル・イノベーション・ネットワーク:CINに注目が集まっています。新しい治療法を開発するにあたり、疾患登録システム等の各種疾患登録情報を活用し、関係の機関が連携して臨床開発の環境整備への取り組みが進められ、薬の早期開発に寄与すると考えられています。疾患レジストリによる疫学情報収集やリクルート、臨床試験のコントロール群への応用への可能性、製造販売後調査への利用など、希少疾病の研究・開発には注目が集まっています。

また、平成26年5月23日に「難病の患者に対する医療等に関する法律」が成立し、平成27年1月1日に施行されました。これによって、発症の機構が明らかでなく、治療法が確立していない、希少な疾病で長期療養を必要とする難病の診断、治療方法に関する調査及び研究を推進して行くこととなりました。

今回は、開発が進みにくい分野ではありますが、治療法やお薬の開発が待たれている、いま注目が集まっている希少疾病・難病への最近の取り組みについて、実際に取り組んでいらっしゃる皆様(アカデミア、企業、CRC、患者さん)から今の状況や将来の展望、今後の希望をお話しいただき、知見を広めるとともに、私たちに何ができるのか考えるための教育セッションにしたいと思います。

教育セッション4

9月3日(日)13:15~14:45

「臨床データから成果物に至るまでのプロセスを振り返るとともに、我々CRCの存在意義を考える」

座 長:廣瀬 誠(医薬品医療機器総合機構 信頼性保証部)
座 長:横井祐子(金沢大学附属病院 先端医療開発センター 臨床研究推進部門)

ES4-1:
治験依頼者からのメッセージ~医薬品開発プロセスにおけるCRC業務の重要性~
中山 博(大塚製薬株式会社 新薬開発本部 オンコロジー領域 クリニカルディベロップメント部)
ES4-2:
生物統計家からのメッセージ~CRCは欠測データの発生を予防できる~
手良向聡(京都府立医科大学大学院医学系研究科 生物統計学)
ES4-3:
信頼性保証業務担当からのメッセージ~適合性書面調査の視点から~
吉谷隆志(医薬品医療機器総合機構 信頼性保証部)
ES4-4:
治験分担医師からのメッセージ~PMDAでの新薬審査経験を経て治験分担医師としてCRCに期待すること~
寺島健志(金沢大学医薬保健研究域医学系/金沢大学附属病院消化器内科)
ES4-5:
研究データの品質管理に関するCRC業務の変遷
森下典子(大阪医療センター 臨床研究センター)

あなたが目指すCRCとは何ですか?

我が国の臨床試験を取り巻く環境が大きく変化する中で、日々の業務に追われ、疲弊しているCRCのアナタ。その業務、「目標のない単なる作業」になっていませんか。

今一度、私たちCRCの存在意義を考えてみませんか。

本セッションには、2つの目的がある。1つ目は、臨床データがどのようなプロセスを経て成果物(医薬品・医療機器、エビデンス創出など)として未来の患者さん(国民)の元に届くのか、試験実施施設の業務がその後の業務にどのようにつながるのかを理解することである。ここでは、各領域のプロフェッショナルからのミニレクチャーとして、各々の主な業務内容、CRCが習得しておくべき基礎知識、試験実施施設で業務を行う際に留意すべきポイント(試験の結果に影響を与えうる臨床データの取扱いに重点を置いて)をお話しいただき、試験実施チームの中で、どのようにCRC業務を行っていくのがよいかを見直す機会とすると共にCRCへの期待・エールを送っていただく。

2つ目は、CRCとして豊富な経験を有する演者から「CRC業務の今昔(CRCが誕生してから現在に至るまでの苦労や失敗、成功事例)」をお話しいただき、CRCの存在意義や役割を考えたい。そして、「これから更なる飛躍が期待されるCRCへのエール」を送っていただくことで、各自のやりがいを見出したい。

データの発生源である試験実施施設のCRCがプロフェッショナルとして、臨床試験の倫理性・科学性・信頼性を確保すべく、施設から発出する臨床データの意義を考えて業務を行うことの重要性、試験実施チームの一員としてのCRCの真の役割「CRCのあり方」について考える場としたい。

ワークショップ

ワークショップ1 【臨床試験支援財団企画】 

(定員制)9月2日(土)10:15~12:15

「コミュニケーションのスキルを磨こう~聴く~」〔参加体験型〕

ファシリテーター:中野重行(一般財団法人 臨床試験支援財団 理事長、大分大学名誉教授)

CRCだけでなく、創薬育薬医療スタッフにとって、コミュニケーション力は必須となっています。患者のケア、臨床試験のインフォームド・コンセントの補助、試験実施チームのコーディネーション、医師・モニターをはじめとする多くのスタッフとの情報共有に際しても、コミュニケーション力は求められます。必須とされる種々の能力の中で、コミュニケーション力は訓練により確実に向上させることのできる能力です。

コミュニケーションとは「双方の持っている情報を共有しようとするプロセスである」と理解すると、すべきことが見えてきます。そして、あるべきコミュニケーションの明確なイメージを持つことが、能力の向上には役立ちます。私どもが身につけたいコミュニケーションのイメージとして、『やわらかな1.5人称』というコンセプトがあります。このコンセプトに基づいたよきコミュニケーションを実現するためには、まずは相手の話を「聴く」ことが重要となります。 そこで、話の「聴き方」について三つのパターンを体験し、よきコミュニケーションのイメージとスキルを身につけるために、楽しく学ぶ「参加体験型ワークショップ」を企画しました。コミュニケーション力を高めることに関心のある方は、どなたでも自由にご参加ください。

ワークショップ2

(定員制)9月2日(土)16:30~18:30

「健康被害事案の対応経験を振り返り実務能力を研鑽しよう~初回説明時のあり方を考える~」

ファシリテーター:鈴木由加利(新潟大学医歯学総合病院 臨床研究推進センター)
ファシリテーター:鈴木千恵子(浜松医科大学医学部附属病院 臨床研究管理センター)

実施医療機関には補償の概要説明を行う義務があり、相手の理解に合わせ説明を行っている。計画に沿って注意深く実施していても、重篤な事象が発生してしまった時は、誰もが一日でも早い回復を願うものである。

企業治験において補償されるべき案件が発生する時、遭遇するCRCはどのように経験を振り返り、実務能力を研鑽していくのだろうか。

この度のワークショップでは、過去に補償事案に対し被験者やその家族らと対応経験を有するCRCおよびCRAを参加対象としている。ワークショップでは模擬事案をもとに役者の演じるロールプレイをご覧いただく。治験担当医師から健康被害事案として家族に説明が行われる場面の再現を行う中で、役者の其々の感情を推察し、参加者が経験した補償対応事例を客観的に振り返っていただく。参加者は小グループに分かれ、当時の対応を振り返り解消されていない思いや、経験をどのように実践に活かしているかなどを、各自が今の気持ちとして整理し語り合い、どうしたらよいのかをグループで導きだす。グループワークの学びの紹介と全体討論を通し、明日からの活動のヒントを参加者がともに考える機会となるように企画したい。

なお、ワークショップでは、各自の経験を語ることで、これからのあり方を探ることを目的とするため、補償事案の対応経験を有するCRCや、依頼者の補償担当部門への橋渡し経験を有するCRAを事前参加登録の要件とする。

ワークショップ3

(定員制)9月3 日(日)9:00~11:00

「治験実施医療機関における治験事務局の連携を深めよう!~治験事務局ワールドカフェ~」

オーナー:今野浩一(PMコンサルティング ポジティブ・インテンション)
オーナー:吉田則子(プロジェクト・カウンセリング・オフィス cocokara)
オーナー:佐藤 隆(協和発酵キリン株式会社)

臨床試験の実施施設として求められる要件や業務は、試験ごとに多種多様で、年々対応が難しくなっている。どのように対応したらいいのだろうか、こちらで正解だったのだろうかと、悩む治験事務局も多い。しかし、実施施設間で相談ができる機会はそれほど多くなく、孤立している方も多いのではないか。シンポジウムでも語りつくせない大きな問題から、勉強会で取り上げてもらうには小さな悩みまで、施設を超えた担当者間でじっくりと話し合える場として本ワークショップを企画した。

本ワークショップは事前登録セッションである。治験事務局を対象として、ワールドカフェ形式でダイアローグを行う。CRC主任など、施設管理担当者の参加も歓迎する。(CRA/DM/PMなど、他の実務担当者の視点もあるとよいのでこちらも歓迎)

ダイアローグとは、共に考え、理解し合い、問題の本質を発見し、共通認識を作るための対話コミュニケーション。ワールドカフェとは、リラックスした空間でオープンに会話をすることで一体感が生まれ、大人数でもダイアローグが得られる手法である。

今回のワールドカフェは、本会議のメインテーマである『変わらずにいること、変えていくこと』をはじまりの問いとしてスタートする。お互いの施設について、うまくいっていること、うまくいっていないことについて情報交換をし、変わらずにいること、変えていくことを考えながら、ダイアローグを深めていく。さらに、日常業務へ戻ったあとにも機能する人的ネットワークの構築も目指す。

ワークショップ4

(定員制)9月3 日(日)12:45~14:45

「CRCの原点とは~変わらずにいること、変えていくことをワールドカフェで語り合おう~」

オーナー:今野浩一(PMコンサルティング ポジティブ・インテンション)
オーナー:吉田則子(プロジェクト・カウンセリング・オフィス cocokara)
オーナー:佐藤 隆(協和発酵キリン株式会社)

GCPが改正され、CRCが日本に誕生して20年近く経過した。その間、臨床試験にかかわる方々やCRCの先輩諸氏の努力により、CRC業務が定着し、今やCRCがいないと信頼性の高い試験はできないとまで言われている。このような中で、新たにCRCの職についた方々は、それぞれの施設や支援会社の先輩諸氏から、また、本会議や様々な研修会などからGCPや業務の手順を学び、CRCとしての知識やスキルを身に着けているものと思われる。

さて、日常業務の忙しい中、その学びやスキルの原点についてじっくり見つめたことはあるだろうか。あなたの一つ一つの行動について、「このままでよいのか、変えていく必要はないか」考えたことはあるだろうか。本会議の最後に、ともに語り合ってみたいと本ワークショップを企画した。

本ワークショップは事前登録セッションである。CRC、CRAを対象として、ワールドカフェ形式でダイアローグを行う。(他の実務担当者の視点もあるとよいので事務局、CRA/DM/PMの参加歓迎)

ダイアローグとは、共に考え、理解し合い、問題の本質を発見し、共通認識を作るための対話コミュニケーションである。ワールドカフェとは、リラックスした空間でオープンに会話をすることで一体感が生まれ、大人数でもダイアローグが得られる手法である。

今回のワールドカフェは、本会議のメインテーマである『変わらずにいること、変えていくこと』をはじまりの問いとしてスタートする。お互いの業務について、疑問に思っていること、うまくいっていないことについて情報交換をし、変わらずにいること、変えていくことを考えながら、ダイアローグを深めていく。さらに、日常業務へ戻ったあとにも機能する人的ネットワークの構築も目指す。

ブラウンバッグセミナー(共催セミナー)

ブラウンバッグセミナー1

9月2 日(土)12:15~13:15 第1会場

「“今”改めて治験の品質を考える~医師・CRC・CRAへ 信頼性保証の観点から~」

座長:丸山由起子(公益社団法人 日本医師会 治験促進センター)
演者:佐藤岳幸(国立がん研究センター 研究支援センター)
共催:公益社団法人 日本医師会 治験促進センター

本会議のメインテーマは「原点をみつめて新たな一歩へ ~変わらずにいること、変えていくこと~」である。臨床研究コーディネーター(CRC)の業務が確立されつつある一方で、CROやSMOの存在による体制の多様化、治験のみならず臨床研究の支援などの業務の追加等CRC・CRAを取り巻く環境の変化に応じていかなければならない現状もある。このような背景の中で、治験担当者の行動について品質を疑わざるを得ない事例もここ数年報告されており、医師を含めた治験担当者が品質を考える機会を“今”提供すべきなのであろう。

日本医師会 治験促進センターでは、毎年、治験関係者を対象にセミナーを複数開催し、聴講者が取り上げてほしいテーマのアンケートを行っており、常に上位に「医薬品医療機器総合機構(PMDA)から治験の品質保証について」がある。日本の治験の品質を確認するPMDAの講演を期待するのは、現場担当者には最終的な品質のジャッジがフィードバックされないケースもあり、不安を拭えない一面であると推測している。

そこで、今回の共催セミナーでは、治験の現場担当者の不安を払拭すべく、信頼性保証の問題点を日夜検討しているPMDA信頼性保証部としての経歴をもつ演者に講演を依頼した。今、日本の治験環境が抱える問題は何か、なぜ悪しき事例が起きたのかなどの事例をご紹介いただき、立ち返るべき原点、前へ進むべき観点等を盛り込んだ治験担当者(医師、CRC、CRA等)へのメッセージをいただく。

ブラウンバッグセミナー2

9月2 日(土)12:15~14:15 第2会場

「国際共同治験で押さえておきたい英語」

座長:藤井裕士(日本CRO協会)

BBS2-1:
治験実務英語検定試験受験者の現況
藤井裕士(日本CRO協会)
BBS2-2:
国際共同治験で押さえておきたい英語表現
木次佳太(サン・フレア アカデミー講師)

共催:日本CRO協会

国際共同治験を円滑に実施するため、CRCやCRAに最低限の英語力習得が求められている。AE/SAEの報告書、クエリーへの対応及びEメール等、英語を使う場面が増えていることは皆様ご承知の通りであろう。語学の習得は一朝一夕で成し得るものではないため、年単位での取り組みが必要となってくる。

先ず、日本CRO協会が過去に実施した治験実務英語検定試験の受験者からのアンケート調査を紹介する。

続いて、製薬会社・CRO・医療機関等で英語研修サービスを提供している(株)サン・フレアによる、AE/SAE報告等で頻出する基礎英語表現の習得を目的とした講義を実施する。英語学習は継続することが成功への第一歩である。昨年もセミナーを開催したが、今年は異なる内容にて構成しており、昨年参加された方は、さらに学ぶことができるセミナーとした。もちろん、今年から参加しても内容を理解できるようにセミナーを開催する。本セミナーが、英語力の向上、苦手意識の払拭へとつながり、英語業務に対応できるCRC育成の取り組みの一助となれば幸いである。

ブラウンバッグセミナー3

9月2 日(土)12:15~13:15 第3会場

「治験・臨床試験におけるPET検査」

座長:千田道雄(先端医療センター)
座長:佐藤弥生(国立長寿医療研究センター)

BBS3-1:
PETを用いた治験・臨床試験の特殊性と留意点
下瀬川恵久(大阪大学)
BBS3-2:
実施体制の構築(事務局・CRCの果たす役割)
一條佐希子(大阪大学)
BBS3-3:
PETについて
百瀬敏光(国際医療福祉大学)

共催:日本核医学会

PET(positron emission tomography)はポジトロンを放出する放射性同位元素で標識された薬剤(PET薬剤)を被験者に投与し、臓器や腫瘍などへの集積やその時間経過をPETカメラで撮影することによって、血流、代謝、酵素活性、受容体、トランスポータ、アミロイド沈着などを画像化し定量して、診断や治療方針の決定、治療効果の評価、予後予測などを行う検査法である。すでにFDG(ブドウ糖の類似物質)を用いた腫瘍のPET検査が健康保険の適用となってかなり普及しているほか、最近脳のアミロイドプラークを画像化するPET検査が部分的に承認されて注目されている。

このように、PETは疾患の病態を評価できるので、研究や診療のみならず、治療薬の治験において被験者の選択や治療効果の評価に用いられるほか、PET薬剤自身も診断薬として治験の対象となっている。ところが、PETは放射性同位元素を用いしかもその半減期が非常に短いことや、独特のレギュレーションがある点できわめて特殊なため、治験を依頼する治療薬メーカーやCROも、また治験を実施する医療機関のCRCはじめ医療職、事務職、IRB関係者も、PETに対する理解が不十分な場合が多い。そのために、マニュアルや同意説明文書の作成、検査のスケジューリング、トラブルへの対応などに不適切な点が発生し、被験者や医療機関に不自由を強いたり、質の高いPETデータが得られずPETの価値が十分活かされない事例が散見される。

日本核医学会の分子イメージング戦略会議では、治験におけるPETの利用を推進するために、企業や医療関係者に対する啓発稼働を行っている。今回の共催セミナーでは、PETが治験や臨床試験に用いられる場合の特殊性や留意点と、担当治験事務局やCRCの役割および注意点について、実際にPET治験の経験者が解説する。

ブラウンバッグセミナー4

9月3 日(日)11:15~12:15 第2会場

「“そうだ、断捨離をしよう-治験の効率的な運用を目指す-”」

座長:榎本有希子(日本大学医学部附属板橋病院 臨床研究推進センター)
座長:内田正志(日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 臨床開発推進部)

BBS4-1:
治験の日米比較今昔-より良い治験をめざして-
田畑 萬(PwCコンサルティング合同会社 ストラテジーコンサルティング)
BBS4-2:
そうだ、断捨離をしよう-アンケート結果から見えてきたこと-
慶山珠美(クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン株式会社 臨床開発事業本部)

共催:クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン株式会社

日々の治験業務の中でもっと効率化できるのではないか、ここまでの作業は不要ではないかといったことを感じる時はありませんか? それらの中には医療機関側、依頼者側が共通して感じる事項もあれば、それぞれの立場の違いによって要・不要の感じ方が異なる事項もあるかも知れません。

近年、効率的な仕事のあり方に関する考え方や“働き方改革、No残業Day、プレミアムFriday”などといった運動を耳にします。治験効率化も治験活性化計画をはじめ、様々なところで継続して議論や提案がなされ、一定の成果を挙げてきました。また、治験業務のIT化も進められています。一方で、治験がますます複雑化してきており、「治験の効率化」はいまだに古くて新しい重要なテーマの1つであり、今後も更なる改善を目指していく必要があります。

本共催セミナーでは、はじめにPwC田畑氏より「治験の日米比較今昔-より良い治験をめざして-」についてご講演頂きます。次に治験の効率化をテーマに本会議の事前登録をされた方々にご協力いただいたアンケートの結果を報告します。

これらの講演をもとに今後の更なる改善に向けて、治験業務でも「断捨離」を実行できる部分がないか会場の皆さんとともに考えていきたいと思います。

ブラウンバッグセミナー5

9月3 日(日)11:15~12:15 第3会場

「これまでの治験環境の変化への対応と今後~医療機関と治験依頼者の役割を考える~」

座長:東海康之(欧州製薬団体連合会 臨床部会 グラクソ・スミスクライン株式会社)
座長:岡本誠一(米国研究製薬工業協会 臨床部会 MSD株式会社)

BBS5-1:
臨床開発を取り巻く環境変化とコンボ
水野勝弘(MSD株式会社)
BBS5-2:
将来のあるべき姿とそれに向けて私たちができること(CRCの立場から)
酒井隆浩(国立がん研究センター東病院 臨床研究コーディネーター室)
BBS5-3:
将来のあるべき姿とそれに向けて私たちができること(依頼者の立場から)
山地宏和(日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社)

討論者:北川智子(災害医療センター 治験管理室)
討論者:津野良子(国立精神・神経医療研究センター  臨床研究推進部/臨床研究・治験推進室)
討論者:本田菜穂(株式会社EP綜合 横浜支店)
討論者:湯川絢子(株式会社アイロム 大阪支店)
討論者:山田真太郎(アッヴィ合同会社)
共催:PhRMA/EFPIA Japan

1997年に臨床試験の実施基準(Good Clinical Practice:GCP)がICH(日米欧医薬品規制調和会議)で合意され、施行されてからは、医療機関、治験依頼者ともに、これまでの治験体制を刷新することが求められた。一時的に国内における治験が減少し、いわゆる「治験の空洞化」が起こったものの、官・公・民の様々な努力により治験の実施数は右肩上がりに増え、治験データの品質は向上した。

2007年頃より日本の国際共同治験への参加が増加するとともに、ICT技術の進歩に伴い、EDC(Electronic Data Capturing System)やIVRS/IWRS(Interactive Voice/Web Response System), eDiary(患者が電子的に日誌を記録するシステム)など、新しいデバイスを使用する試験も多くみられるようになってきた。この環境変化において、いまや治験コーディネーター(以下、CRC)は治験実施に欠かせない存在となり、これまでの目まぐるしい変化に対応ができたのも、ひとえにCRCの貢献によることは言うまでもない。

近年、モニタリング手法も多岐にわたり、従来の100%SDVからリスクに基づくモニタリング(RBM)が主流になりつつあり、データの品質確保をこれまで以上に高める取り組みが進められ、モニタリング効率の向上を見直す動きも出てきている。

それに伴い、医療機関における治験データの適切な品質管理のあり方の検討や治験実施体制の整備と役割分担の適正化についても、あるべき姿に向けて議論が活発になってきた。

PhRMA / EFPIA Japanでは、CRCと治験依頼者でワークショップを開催し、これまでの治験環境の変化への対応を振り返るとともに、今後、今まで以上に医薬品開発を取り巻く環境が大きく変化していく中で、日本の強みを活かして国際競争力をより高め、日本での治験をより活性化していくために、変わらずにいること・変わっていかなければいけないことを議論した。当日は、将来のあるべき姿や変化の必要性について、それぞれの立場から発表したい。また、本セッションでは、医療機関と治験依頼者の役割を改めて振り返り、今後の変化に備えるためのよりよい役割分担および協働を考える機会にしたいと思う。

一般演題

ポスター発表(示説なし) 

奇数番号 9月2 日(土)13:30~14:15 イベントホール

偶数番号 9月2 日(土)14:15~15:00 イベントホール

ポスターPDFダウンロード

名古屋観光情報 名古屋コンシェルジュ

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