第15回CRCと臨床試験のありかたを考える会議2015 in KOBE

~今、求められているもの~

会期

2015年9月12日(土)~13日(日)

会場

神戸国際展示場

会議代表

森下 典子(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター 臨床研究センター 臨床研究推進部 臨床研究推進室)

会議代表挨拶

第15回CRCと臨床試験のあり方を考える会議2015 in KOBE
会議代表 森下典子

森下典子  第15回「CRCと臨床試験のあり方を考える会議2015 in KOBE」を2015年9月12日(土)・13日(日)の両日、国際都市神戸で開催させていただくことになりました。15年の歴史の中で初めて関西の地で開催する喜びと同時に、会議代表としての重責もまたひしひしと感じています。

 今回のテーマは「Research Integrity ~今、求められているもの~」としました。「Integrity」とは公正・高潔・誠実・清廉の意で、CRCはもちろんのこと、研究者、企業の方々、そして臨床試験を縁の下で支えておられるすべての皆様と共に、今こそ「臨床研究・治験のIntegrityのあり方を考える会議にしたい」との思いからこのテーマを選びました。

 2015年は臨床研究・治験を取り巻く環境が大きく変わろうとしている年である、といっても過言ではありません。

 第1は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」が施行されます。従来の「疫学研究に関する倫理指針」と「臨床研究に関する倫理指針」が統合され、倫理に関する指針を示すのみでなく、臨床研究の質の担保に関することも初めて含められました。

 第2は、昭和18年以来、耳馴染んできた「薬事法」という名称が2014年に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(通称:「医薬品医療機器等法」)に変更されます。医薬品医療機器等法では、医療機器が医薬品と区別され新たな項が設けられ、診断等に用いる単体プログラム(ソフトウェア)を医療機器として取り扱うことも明確化されます。また「再生医療等製品」が定義されることになりました。再生医療等製品については、2014年にGCTP省令、GVP省令、GQP省令として発出されており、ご承知のように、すでにiPS細胞を使用した臨床試験が人に対して実施されています。

 3つ目は、2015年度から始動予定の(独)日本医療研究開発機構の動向です。いわゆる「日本版NIH」の役割が期待されていますが、質の高い臨床研究がもっと世の中に出てくることができる仕組み作りを期待したいと思います。

 この他にも、本当に目が離せないくらい新しいことが2015年は一斉に動こうとしています。そのような年だからこそ、研究者や企業の方はもちろんのこと、普段は治験の支援が中心のCRCの方々、すでに幅広く臨床試験を支援している方々にも、この会議で是非とも新しい情報を収集していただき、ご自身のスキルアップの場として活用いただける場にしたいと考え、松嶋プログラム委員長・河野運営委員長ともどもバラエティに富む内容を企画しています。

 さらに今回のあり方会議では文部科学省・厚生労働省、そして開催地である神戸市から後援をいただくことができました。両省と神戸市からの後援をいただくことで、この会議への行政からの期待を実感するとともに、CRCを始めとする臨床研究に携わる者の存在意義をより高め、キャリアアップを図っていくためのさらなる1歩につながることを心から願っています。

 また、第15回のポスターには、ギリシャ神話の女神テミスを象徴として登場させました。テミスは、「秩序と正義の女神」で、左手に秤を高々と揚げ、右手には剣を携えています。一般的には「法」を象徴している女神ですが、臨床研究・治験においても同様だと考えます。

 昨今の臨床研究・治験をめぐる一連の不祥事を教訓とし、臨床研究・治験に携わる私たちは、今後二度と同じ過ちを繰りかえさないようにあらゆる場面で「倫理性と科学性」そして「秩序と正義」のバランス感覚を研ぎ澄ませていきたいものです。

 異国情緒あふれる神戸の地で、CRCと臨床研究・治験に携わる様々の立場の皆様とが一同に会し、「臨床試験のあり方」を改めて考えてみる機会にしたいと考えています。

 皆様のお越しを神戸の地で心からお待ち申しております。


プログラム委員長挨拶

プログラム委員長 松嶋 由紀子

 この度、プログラム委員長を拝命しました慶應義塾大学薬学部の松嶋と申します。

 今回の会議は、「Research Integrity~今求められているもの~」のテーマの下、これまでに発生した臨床試験関連の不祥事を正面から捉え、本来の「CRC」と「臨床試験」のあり方について議論し、日本の臨床試験の信頼性回復のため、今、我々が何をしなければならないかを考える場とすべく、プログラムを作成することといたしました。
本会議のプログラム委員には、CRC、研究者、企業、規制当局の方に加え、政策提言に関っている方や「一般の立場からみた臨床試験のあり方」について研究されている方にも加わっていただき、日本のみならず海外の状況も踏まえ、様々な視野から「Research Integrity」について検討する企画を立案いただいております。また、本会議では、各プログラムについて、「初級者向け」、「中級者向け」、「上級者向け」、「事務局向け」として、様々な経験値の臨床試験専門職の目安となるよう工夫しています。もちろん経験年数に関係なく、どのセッションにもご参加いただけますので、1つの目安としてご参照ください。

 一般演題についても、今回は学会に准じた形で「一般演題投稿規定」「一般演題投稿ガイドライン」を作成しました。これまで、このような形式での発表経験がない方も、ご自身のスキルアップを目指しぜひ演題をご登録いただければと思っております。

 以上、手前みそながら、今回の会議のプログラムは、大変興味深い企画が目白押しとなることを確信しております。プログラム委員一同、この機会に多くの皆様に「CRCと臨床試験のあり方を考える会議2015 in Kobe」にご参加いただき、阪神大震災から復興を遂げた国際都市神戸の港から、日本の「Research Integrity」復興に向け、共に船出できることを楽しみにしております。


運営委員長挨拶

運営委員長 河野 健一

 関西初のCRCと臨床試験のあり方会議が、'KOBE'で開催されます。神戸市は今年、阪神・淡路大震災から20年を機に、これまでの教訓・知恵を集め、それを伝えて多くの人と共有し、世界に貢献する街となることに取り組んでいます。15回目となる本会議が、「Research Integrity ~今、求められているもの~」をテーマに、CRCと臨床研究・治験に携わる皆様が臨床試験のあり方を考え、明日への糧となる教訓や知恵を集めて共有し、未来に向けてのメッセージを'KOBE'から発信できる有意義な場となるよう、運営関係者一同努めて参ります。

 会場は神戸空港に直通し、北は北海道、南は沖縄からの直行便が就航しています。また、新幹線・在来線からも交通至便な位置にあります。会場があるポートアイランドには、日本最大級のバイオメディカルクラスター「神戸医療産業都市」があり、革新的な医療技術を生み出す様々なプロジェクトに関心ある方々は多いでしょう。一方で、神戸は古くからの国際貿易の拠点としてレトロな建物が立ち並び、「レトロモダンな街」と言われます。二つの相反するものから価値を見直し、新鮮さを感じる街、さらには「神戸スイーツ」があり、会期の初めから終わりまで、存分にお楽しみいただけると思います。

 ところで、今回のテーマにある'Integrity'について、ICH-GCPの'integrity'は、'Keep it as it is.'「臨床試験をあるがままの状態に保護する、データの再構築性」の意味があり、日本において「完全性」と訳されていることをご存知でしょうか?また、新たな価値を生み出し、社会に大きな変化を起こす「イノベーション」を説くP・ドラッカーは、'Integrity'がマネジメントの重要な資質としています。'Research Integrity'を、CRCと臨床試験に馴染みある、「ICH-GCP」と「イノベーション」から導くのに、'KOBE'がお役に立てられると思います。是非とも9月12日(土)・13日(日)は'KOBE'へ足をお運びいただきますよう、心よりお待ち申し上げます。



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