医療と私たちの未来予想図Ⅱ ~知の創造ー具現化ー商業化 Wakkaのごとく~
第24回 CRCと臨床試験のあり方を考える会議 2024 in Sapporo
医療と私たちの未来予想図Ⅱ ~知の創造ー具現化ー商業化 Wakkaのごとく~

プログラム・日程

更新日:2024. 7. 15
会議代表講演
医療と私たちの未来予想図Ⅱ ~知の創造・具現化・商業化 Wakkaのごとく~

9月15日(日) 9:30〜10:00
第1会場札幌コンベンションセンター 1階 特別会議室

座長:秦友美(国立がん研究センター中央病院 臨床研究支援部門 研究企画推進部 国際研究支援室)

演者:佐々木由紀(北海道大学病院 臨床研究開発センター)

概要

私は2007年に臨床に戻りたいと思い、北海道大学病院・看護部に再就職しました。当時子供が二人とも未就学だったことと、臨床から少し離れていたこともあり外来勤務を希望しました。その時配属されたのが治験管理センターです。最初はやらなければならないこともよくわからず、知らない単語ばかりで、何もしていないのに怒られてばかりの辛い1年でした。医師から「CRCは臨床研究のパートナーなのだからがんばれ」と叱咤激励を受け、「治験に参加してよかった」と患者さんからの励ましに支えられ、CRCの道を歩み始めました。
CRCあり方会議に参加して、多くの方から学びを得ました。いつか壇上に上がってみたいという思いは、公募シンポジウム(2015年森下代表)で叶いました。いろいろな経験やご縁をいただいたCRCあり方会議を札幌で開催することは夢のようです。
CRCという仕事は多くの仲間と働けること、そして何より新たな医療をつくることに関わる素晴らしい仕事です。
今、治験・臨床研究の環境は大きく変化しています。DXやAIなどを利用した未来の医療が検討されていますが、医療は人々のためにあり、人と人とのつながりが必要です。治験・臨床研究を進めるうえで様々な課題がありますが、CRCにできること、私たちにできること、そして自分がすべきことは何か。
今回のテーマと各プログラム委員が企画に込めた想いをご紹介したいと思います。

特別講演
医療と私たちの未来予想図Ⅱ

9月15日(日) 10:10〜11:10
第1会場札幌コンベンションセンター 1階 特別会議室

座長:寺元剛(富山大学附属病院 臨床研究開発推進センター)

「未来予想図II」をどのように描くのか

演者:佐藤典宏(北海道大学病院 医療ヘルスサイエンス研究開発機構長)

シンポジウム1
生徒・学生との社会共創を「希少・難治性疾患」の観点から考える
~しあわせへの想像・創造・相造(思いを巡らせ 新たに考え 共につくる)~

9月15日(日) 13:30〜15:30
第1会場札幌コンベンションセンター 1階 特別会議室

座長:大沼さくら(RDD in 酒田西高実行委員会)

概要

本市民公開講座は、高校生が自ら企画し、大人がサポートする形で展開される市民公開講座です。ここでは、製薬や治験に関わるCRC(Clinical Research Coordinator 治験コーディネーター)の全国会議で、生徒・学生を含めた社会が一体になって「安心でしあわせなくらし」に向かうにはどうしたらいいのかを、いろいろな社会課題と向き合っているパネリストとともに考えます。会社でいわゆる難病になったらどうなるか考えることを入口にして、フロアを含めた参加者全員で「社会共創」を考えます。
私達(酒田西高校生)は、希少・難治性疾患(Rare Disease:RD)に関わり続けているうちに、多様な社会課題を自分ゴトとして捉えることの重要性に気付きました。しかし気付くだけではなく、自分の価値観とは異なるいろいろなことに「思いを巡らせ(想像)」、解決法が分からないことについてどうしたらいいか「新たに考え(創造)」、ひとりでなく大人も子どもも関係なく考えたことを実現するため「共につくる(相造)」ことが必要だと強く感じています。医療は患者と医療者だけのものではなく、患者を取り巻くすべての人のもの。すべての社会課題をすべての人が「自分ゴト」として捉え行動することこそが「社会共創」なのではないでしょうか。
RDになっても安心できる社会とは何なのか、私たちと共に思いを巡らせてみませんか?そして、来場者全員で「しあわせへの想像・創造・相造」をしましょう。

演者:()

シンポジウム2
資材・機器管理における課題から治験のSDGsを考える

9月15日(日) 10:00〜11:30
第2会場札幌コンベンションセンター 1階 大ホールA

座長:奥田浩人(岡山大学病院 薬剤部/新医療研究開発センター 治験推進部)

座長:内田智広(ノバルティス ファーマ株式会社開発本部スタディ・サイトオペレーションズ開発推進)

概要

CRCの皆さんなら誰しも一度は未使用の検査資材を廃棄した経験があるのではないでしょうか。試験開始時には想像を超える量の検査資材を受け取り、使用期限や在庫管理、発注作業、不要となった検査資材の廃棄作業は全て医療機関側の業務として日常的に行われています。しかし、慢性的な保管場所の不足や入れ替え作業に多くのマンパワーと時間を要するなど、資材管理に関する課題は多く残されているのが現状です。第23回CRCと臨床試験のあり方を考える会議の最優秀演題で、検査資材管理に割く膨大な労力と大量の医療廃棄物について問題提起がなされ、大きな注目を集めたのは皆さんも記憶に新しいのではないでしょうか。検査資材以外でも医療機関で治験を実施するために、依頼者から医療機器(心電計、タブレット/スマートフォン端末、恒温槽、温度計等)の貸与を受けるケースも少なくありません。それら貸与機器は試験終了後に返却するが、その後は廃棄されず適切に再利用されているのだろうか。
今般、廃棄物処理の問題はSDGs(持続可能な開発目標)を掲げる国際社会においても大きな関心事となっており、資材・機器の廃棄物削減は業界をあげて優先的に取り組むべき課題と考えられます。
本シンポジウムでは、医療機関、検査会社、治験依頼者のそれぞれの立場からお互いに見えていない現状と課題を共有し、SDGsおよび全体最適化の視点から改善策を検討する機会としたい。廃棄物の課題を次世代に残さないために私たちに何ができるのか皆さんも一緒に考えてみませんか。

医療機関における治験資材管理の現状―それ全部ゴミなんてMOTTAINAI!―

演者:大野葉月(国立がん研究センター中央病院 臨床研究支援部門 研究実施管理部 臨床研究コーディネーター室)

グローバルセントラルラボにおけるSDGsへの取り組み

演者:堀川浩一(キュー・スクエアド・ソリューションズ株式会社 Lab Management)

治験依頼者による機器貸与の現状と貸与削減に向けた取り組み

演者:渡辺紀代子(グラクソ・スミスクライン株式会社 スタディエクセレンス&クリニカルサポート部)

パネリスト:石崎哲誠(ギリアド・サイエンシズ株式会社クリニカルオペレーションズ)

パネリスト:久保田有香(群馬大学医学部附属病院)

シンポジウム3
あらためて「ICF共通テンプレート」の存在意義と実装後の臨床試験への期待を考えよう

9月15日(日) 9:30〜11:30
第3会場札幌コンベンションセンター 1階 大ホールB

座長:宮田雅代(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会)

座長:鈴木由加利(日本SMO協会 シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社)

概要

ICFは、各治験依頼者や各医療機関が独自のテンプレートを保有している場合がある。各治験依頼者が提供するICF案を各医療機関がそれぞれのテンプレートに沿いICFを作り直す作業は、双方のリソースに多大な負担と時間を要している。医療機関の視点では、治験依頼者が独自のテンプレートで案を作成することにより当該作業が必要になる。2023年頃より、日本の法規制に則り平易な文言を用い、読み手に対する公平性と治験環境の標準化を目的に「ICF共通テンプレート」の実装に向けた活動が広まっている。この「ICF共通テンプレート」導入には、治験依頼者にも医療機関にも、多様な課題があり、それらを解決するための取り組みが行われている。
本シンポジウムでは、あらためて「ICF共通テンプレート」導入の目的を再確認し、それぞれの関係者の立場より実装に向けた取り組みをご紹介いただく。後半はパネルディスカッションにて「ICF共通テンプレート」を用いる日本の治験環境標準化の先にある効率化や品質向上、患者さんへの影響など様々な価値について考えたい。

治験の更なる効率化(エコシステム)について

演者:福田祐介(厚生労働省医薬局医薬品審査管理課)

ICF共通テンプレートの作成経緯と日本での浸透に向けて

演者:實方恭子(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会/塩野義製薬株式会社)

ICF共通テンプレートを導入して感じた温度感

演者:眞鍋貴行(旭川医科大学病院 臨床研究支援センター)

ICF共通テンプレートを使用して ~CRCの立場から~

演者:渡邊真由美(日本大学医学部附属板橋病院 臨床研究センター)

シンポジウム4
現場の気付きをプロトコルに反映させよう! 依頼者と実施者の対話で描くQbDの未来予想図

9月15日(日) 13:30〜15:00
第3会場札幌コンベンションセンター 1階 大ホールB

座長:實雅昭(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会/バイエル薬品株式会社 研究開発本部)

座長:神山直也(旭川医科大学病院臨床研究支援センター)

概要

ICH E8R1の改訂により臨床試験の質は「目的への適合性」であること、そして臨床試験の質を適切な意思決定を支援するのに十分なものとするためにクオリティ・バイ・デザイン(QbD)の考え方が明記された。QbDの実践とは質に関する必要不可欠な要因(CTQ要因)を関係者が理解し、さまざまなリスクを検討してプロトコルに質を作りこんでいくことである。そのためにプロトコル立案者はキーオピニオンリーダーだけでなく、現場の臨床試験専門職からも試験計画段階から積極的にレビューを取り入れる姿勢が質の作り込みにおいて必然的に重要になってくる。QbDの実践のためには、investigator側も試験の目的を理解し、過不足のない効率的な計画となるよう前向きに関わっていく「対話」のプロセスが必要になることから、企業主導の国際共同治験から医師主導の小規模な臨床研究に至るまで、プロトコル作成段階からの依頼者と実施者の協力関係の構築はGCPリノベーションに伴う喫緊の課題と考えられる。本シンポジウムではプロトコルの中に質を組み込んでいく取り組みの現状や課題について整理し、依頼者と実施者の対話で新たな関係性が拓かれた臨床試験の未来に思いを馳せたい。

臨床試験における質やQbDとは
~研究者・臨床試験専門職を対象としたFocus Group Interviewから見えてくる世界~

演者:広田沙織(順天堂大学 健康総合科学先端研究機構 免疫治療研究センター)

臨床試験の計画と実施を繋ぐQuality by Designの提案

演者:篠原貴(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会)

QbDでInclusiveな臨床試験の実現を目指す
~依頼者と実施者がおさえるべきキーポイントとは

演者:松山琴音(日本医科大学医療管理学)

QbDの概念を導入した業務フロー等の活用による多職種連携の研究計画作成におけるアカデミアの取組み

演者:浅田隆太(岐阜大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究推進センター)

シンポジウム5
小児を対象とした臨床試験の現状と課題
~それぞれの役割で未来に何ができるか~

9月15日(日) 10:00〜11:30
第4会場札幌コンベンションセンター 1階 中ホールAB

座長:増井陽子(広島大学病院 広島臨床研究開発支援センター 治験コーディネーター室)

座長:友常雅子(東京都立病院機構 研究推進センター/東京都立小児総合医療センター 臨床研究支援センター)

概要

現在、日本では小児に使用される薬の多くが適応外使用となっていることをご存じだろうか?欧米と比べ、成人と小児医薬品を同時に開発することが法的に義務づけられておらず、新薬に係る小児適応のエビデンス構築が進まない現状があることから小児医薬品開発ネットワークが形成され、様々な取り組みが行われている。
一方、様々な成長発達段階にある小児を対象とした臨床試験は、製薬企業側にとって試験デザイン立案は複雑かつ困難で有ることが予想される。実施医療機関では小児臨床試験に精通した医師の確保や実施体制の強化も必要であり、CRCにとっては成長発達段階に合わせた柔軟な対応の必要性とプロトコル遵守の狭間で苦慮することも多く、成人対象の試験とは違った配慮や工夫をこらしながら対応にあたっているのではないだろうか。より高いコミュニケーション能力やコーディネート力が必要とされる分野といえる。小児臨床試験の経験豊富な施設にとって、プロトコルの記載がこうであったら、もっとスムーズなのに!というアイデアや思いを抱いているのではないだろうか。
本シンポジウムでは、製薬企業、実施医療機関が取り組んでいる現状を共有し、課題を明確にすることで、小児を対象とした臨床試験活性化のため、未来に向けてそれぞれの役割として何ができるかディスカッションし、まだ小児臨床試験に携わっていないCRCも新たな領域に携わってみたいと思えるような学びと未来を描ける機会としたい。

本邦での小児用医薬品開発の現状,課題と製薬企業での取り組み

演者:深澤和輝(アッヴィ合同会社 開発本部 オンコロジー領域統括部)

医療機関の協働がもたらす小児治験活性化の可能性

演者:武井順平(国立成育医療研究センター 臨床研究センター ネットワーク推進ユニット)

小児治験CRCでの経験を振り返って

演者:橋田志幸(鳥取大学医学部附属病院 新規医療研究推進センター 臨床研究支援部門)

小児医薬品開発を推進するために~小児CRCの経験とCRC部会の取り組み~

演者:山﨑美智子(地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪母子医療センター 治験推進室)

シンポジウム6
分散化臨床試験(Decentralized Clinical Trials:DCT)を叶える構成要素の実装と現状
~今どうなっているの? 訪問看護ステーションとの連携/協働・デジタルツールの広がり~

9月15日(日) 13:30〜15:00
第4会場札幌コンベンションセンター 1階 中ホールAB

座長:岩﨑晋吾(日本CRO協会/エイツーヘルスケア株式会社)

座長:鈴木由加利(日本SMO協会 シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社)

概要

   

デジタルツールの普及の現状と実際

演者:毛塚恭平(日本CRO協会 株式会社イーピーエス)

訪問看護ステーションとの協働に向けた取り組み

演者:老本名津子(京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構 臨床研究推進部)

DDC(Direct Data Capture)を使用した臨床試験の取り組みについて

演者:清野円(シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社SSIカンパニー札幌オフィス)

シンポジウム7
症例登録促進に向けて
~みんなでできる今と未来を考えよう~

9月15日(日) 13:30〜15:00
第5会場札幌コンベンションセンター 1階 107+108

座長:小川武則(メディカル・データ・ビジョン株式会社EBM本部臨床試験事業部)

座長:柳澤由紀(静岡県立静岡がんセンター 臨床研究支援センター 治験管理室)

概要

ここ数年日本の薬剤承認状況からドラッグロス・ドラッグラグと言われて久しい。昨年の岡山で行われた本会議の中でも欧米、同じアジアの中で比較した日本の治験環境の課題が論じられていた。日本の国際競争力として不足している力の一つに症例の集積力がある。各国と比べ1医療機関あたりの症例数が少ないと言われている。
各国の医療環境が異なるため、単純に数字だけで比較することは難しいが、この課題を解決すべく、医療機関や治験依頼者、また様々なそれらを取り巻く企業・団体が取り組みを実施している。しかしながら一朝一夕で解決できる課題ではなく、改善の余地があるのが現状である。本シンポジウムでは責任医師、医療機関、製薬企業、その他の企業が個々の取り組みを共有し、それらをどう融合して症例集積力の向上に繋げていくか協議したい。

製薬企業から治験の打診、組み入れ可能性をどう判断すべきか

演者:和久田一茂(静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科)

症例集積性向上に医療データは貢献できるのか!?

演者:小川武則(メディカル・データ・ビジョン株式会社 EBM本部 臨床試験事業部)

製薬企業の視点から考える症例集積性の向上

演者:戸部寛人(ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)

オーガナイザー:岩﨑晋吾(エイツーヘルスケア株式会社)

シンポジウム8
創りゆく未来予想図 ~選出演題による口頭発表~

9月16日(月) 9:00〜11:00
第1会場札幌コンベンションセンター 1階 特別会議室

座長:木村雪絵(国立研究開発法人国立がん研究センター東病院 臨床研究支援部門 研究実施管理部 ローカル支援室)

座長:森下典子(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター臨床研究センター臨床研究推進部臨床研究推進室)

概要

一般演題は、様々な医療機関にて困っていることや取り組んだことを発表し、発表者と参加者が情報交換することで、業務の見直し・取組みが明日へつながるきっかけとなると考える。
そこで、一般演題の中から、様々な施設で実施できる有用性や独創性、新規性のある取り組みについて選出し、多くの方を迎え交流とディスカッション場としたい。

オーガナイザー:佐々木由紀(北海道大学病院 臨床研究開発センター)

シンポジウム9
新たな医療技術に触れるCRCのミチシルベ

9月16日(月) 13:15〜14:45
第1会場札幌コンベンションセンター 1階 特別会議室

座長:奥田浩人(岡山大学病院 薬剤部/新医療研究開発センター 治験推進部)

座長:小村悠(国立がん研究センター東病院 臨床研究支援部門/医薬品開発推進部門(併任))

概要

近年の医療・ヘルスケア分野における科学技術の進歩は目覚ましく、従来の医薬品という分類だけでは表現しきれないほど、創薬モダリティは多様化している。核酸医薬、遺伝子治療、細胞治療など、新たな医療技術が次々に臨床試験を経て、実用化されはじめている。最近では新たな治療手段としてデジタルセラピューティクスが注目されており、アプリが病気を治療する時代が到来しつつある。
臨床現場の医療者に先駆けて新しい医療技術に触れることができるのはCRCの醍醐味のひとつであり、目の前の、そして将来恩恵を受ける患者のため、自身が臨床試験に携われることに大きなやりがいを感じるCRCも多いのではないか。その反面、臨床試験実施のために新たな知識の習得や院内外の調整、プロセス構築が求められるなど、施設の体制整備は一筋縄ではいかないことも少なくない。このような苦労を目の当たりにし、一歩踏み出すことに躊躇いがちになることもあるが、未来の医療を創る担い手であるCRCが二の足を踏んでいては医療の発展は望めない。
目の前に新たな医療技術が登場したとき、私たちはどのようなモチベーションや心構えで臨床試験と向き合えばよいのだろうか。本シンポジウムでは、近い将来訪れる医療のトレンドを知るとともに、いち早く新規モダリティの臨床試験に関わったCRC/治験依頼者の立場からぶつかった壁ややりがいなどの経験談を聴き、CRCの皆さんが近未来の医療技術に触れる自分の姿を描ける場としたい。

創薬・ヘルスケアの新潮流 ~多様化する治療モダリティ~

演者:辻真博(国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST) 研究開発戦略センター(CRDS) ライフサイエンス・臨床医学ユニット)

治療用アプリを活用した臨床試験におけるCRCの奮闘記

演者:今村美慧(シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社)

Game Changerの一翼を担うCRCに求められるもの ~再生医療等製品の臨床試験を経験したCRCの立場から~

演者:松山倫子(京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構 臨床研究推進部)

新規モダリティ臨床試験の立ち上げを経験した治験依頼者の立場から

演者:田中宏典(ノバルティス ファーマ株式会社)

シンポジウム10
CRC/研究支援者のButterfly Effect
~私たちはどう生きるか、選択肢溢れる人生の中で豊かさを見つけよう~

9月16日(月) 9:00〜10:30
第2会場札幌コンベンションセンター 1階 大ホールA

座長:高嶋泰之(筑波大学つくば臨床医学研究開発機構臨床研究推進センター)

座長:森山菜緒(帝京大学医学部附属病院)

概要

Butterfly Effectとは非常に小さな出来事が、最終的に予想もしていなかったような大きな出来事につながることを言います。CRCや研究支援者の日常においてもそのような経験が多かれ少なかれあるのではないでしょうか。しかしながら多忙な毎日を送る中で、時として今の自分自身が「何をしたいのか。」を見失ってしまうことや、未来の社会や医療に「どのような貢献ができるのだろうか。」など、ふと迷い悩んでしまうこともあるかと思います。
本シンポジウムではCRCや研究支援者が、自身の業務や自己研鑽、さらには出会った人々や様々な経験などを通して、自分が見てきた風景をどのように捉え、自身のキャリアをパス、アップ、キープとつなぎ、自分だけの価値を見つけて大事にしているかなどヒントを得ながら、「CRCや研究支援者としての自分」ではなく、「自分の人生の中のCRCや研究支援者」と、少し視点を変化させたくなるような時間にしたいと考えています。
「つなぐ」をキーワードとして、予想もしていなかった「未来の豊かな自分」が想像できるHeart Warmingな時間にしていただけますと幸いです。

Butterfly Effect ~人とのつながりがキャリアを彩る~
チャンス(Chance)から変化(Change)へ、そしてつなぐ(Chain) 

演者:田村祐子(NTTコミュニケーションズ株式会社 スマートワールドビジネス部 スマートヘルスケア推進室)

マインドチェンジで全てが変わる!
~多彩なキャリアをCRCの魅力へつなげる~

演者:石田ゆり(帝京大学医学部附属病院 臨床試験・治験統括センター)

すべてのご縁を未来へつなぐ!協働×共創の連鎖を目指して
~管理栄養士の経験をもとに~

演者:田丸一磨(国立がん研究センター 橋渡し研究推進センター)

仕事人生のゴールへ向けて~バトンをつなぐ~

演者:出合美帆(北海道大学病院 臨床研究開発センター治験支援部門サイトマネジメント室)

シンポジウム11
適正な治験費用算定への取り組み

9月16日(月) 13:15〜14:45
第2会場札幌コンベンションセンター 1階 大ホールA

座長:興津美由紀(神戸市立医療センター中央市民病院 臨床研究推進センター)

座長:神山直也(旭川医科大学病院臨床研究支援センター)

概要

日本の治験費用は長年、いわゆる「ポイント表」を用いた算定が定石であったが、その問題点として、治験費用の算定根拠が合理的に説明できないことや、近年では同一治験でも施設間で費用の格差が大きくなってきていることが挙げられる。国際共同治験においてこの問題は、グローバルの治験依頼者が理解困難なものになっており、日本で治験を実施する上で是正が急務とされる事項となっている。この解決策としてフェアマーケットバリュー(以下、FMV)の概念に基づいた治験費用の算定方法が治験依頼者から提案されているが、その受け入れに対する実施医療機関の抱える問題点は施設ごとに様々であり、治験費用の解決にはまだ時間がかかることが予想される。本シンポジウムでは実際にFMVの概念を用いて治験費用を算定した経験談や、FMV以外の独自の新たな算定方法に関する取り組み等、様々な立場からご紹介をいただき、治験費用に関する問題解決の糸口になり得ればと考える。

ベンチマーク型コスト算定の試行経験から 課題と今後の期待

演者:二階堂順一(R&D Head Club/ノバルティスファーマ株式会社)

医療機関におけるFair Market Value(FMV)に基づいたベンチマーク型コスト算定の試行的導入経験から考える課題

演者:玉木理衣(神戸市立医療センター中央市民病院)

SMO支援試験におけるベンチマーク型コスト算定を経験して ~SMO-CRCの立場から~

演者:北川朋哉(株式会社アイロム)

国立がん研究センター中央病院における治験費用の算定及び請求について

演者:今泉克明(国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院 臨床研究支援部門 研究実施管理部 治験事務室)

シンポジウム12
データインテグリティって何?
~何のため、誰のために求められているのかを一緒に考えよう~

9月16日(月) 9:00〜10:30
第3会場札幌コンベンションセンター 1階 大ホールB

座長:後藤美穂(日本SMO協会)

座長:實雅昭(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会/バイエル薬品株式会社 研究開発本部)

概要

近年、臨床試験の実施には、多様な手法やアプローチが導入され、これにより従来のスタイルに大きな変化をもたらしている。同時に、臨床試験の国際化やデジタルツールの活用が進む中、世界で進行中の試験の進捗状況(スピード、品質、効率性)がオンタイムで比較されている。
この変化に適応する中、臨床試験の実施現場では進捗へのプレッシャーがかかる一方で、試験に関わるすべての役割者が継続的にたゆまぬ努力を注いでいる。これら臨床試験実施環境の変革の中でも置き去りにしてはならないのはデータインテグリティである。これは改訂されたICH-E8(R1)においても臨床試験に求められており、現在改訂中のICH-E6(R3)にも盛り込まれる予定である。
臨床試験のデータインテグリティは、データが完全であり、一貫しており、正確である状態を指し、臨床試験から得られる多岐にわたるデータに求められる。試験のデータや結果の信頼性を確保する上で重要なだけでなく、治験に参加いただいた患者さんを保護する上でも重要な考え方である。
臨床試験の目的に共感し参加いただいた患者さんの尊い意思を忘れずに、その期待に応え、未来の患者さんや医療に貢献するためには、臨床試験データのインテグリティの意図と重要性について再認識することが不可欠である。臨床試験に関わるすべての役割者が「臨床試験に携わる目的は何か」という初心に立ち返り、各自の役割と責任を再確認する場としたい。

治験・臨床試験のデータインテグリティはなぜ必要? -私たちが「データインテグリティ宣言~私たちの宣言~」に込めた思い-

演者:藤岡慶壮(日本SMO協会、日本CRO協会、日本製薬工業協会医薬品評価委員会 データインテグリティ協議会)

治験の現場の立場からデータインテグリティを考える
~患者さんのデータを未来の患者さんにありのまま伝えるために~

演者:深川恵美子(広島大学病院 広島臨床研究開発支援センター/薬剤部)

治験参加者の思い~立場を超えた情熱物語~

演者:水戸部ゆうこ(秋葉原社会保険労務士法人 がんサロン~CancerおしゃべりCafe )

シンポジウム13
ICH E6 (GCP) R3時代の審査意見業務
~Central / Local のPros & ConsとPPI的アプローチ~

9月16日(月) 13:15〜14:45
第3会場札幌コンベンションセンター 1階 大ホールB

座長:山本洋一(大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部 臨床研究センター)

座長:寺元剛(富山大学附属病院 臨床研究開発推進センター)

概要

我が国における審査意見業務は、治験は治験審査委員会(IRB)、倫理指針に基づく研究は倫理審査委員会(EC)、そして特定臨床研究は認定臨床研究審査委員会(CRB)とそれぞれ異なる組織体制で行われている。しかしながら、現在改訂作業が進められているICH E6 (GCP) Revision 3の実装により、これらが1つのガイドラインの下で取り扱われる可能性が示唆されている。
審査の組織形態にかかわらず、適切な審査意見業務の実施は、試験・研究対象者の保護とデータの信頼性確保に非常に重要であり、規制当局もCRBを皮切りに審査意見業務の質向上プロジェクトを進めている。
PPI (Patient and B\Public Involvement)の観点からも、「一般の立場」で意見を述べる委員(以下、一般委員)の果たす役割が今後さらに重要となる。一定の資格要件を設け、これを満たすメンバーでより機能の高い委員会を組織する動きも進んでいる。
一方で、審査意見業務の質向上の方策として、一括審査組織の利用が欧米を中心に進んでいる。わが国においても特定臨床研究ではこの「1つの審査」の概念が導入されているが、治験や倫理指針に基づく臨床研究では、いまだに施設ごとのIRB/ECで個別に審査が行われている状況がある。
本シンポジウムでは、近い将来のE6 (GCP) R3実装を視野に入れ、審査意見業務のあるべき姿、実際の取り組み、および中央審査と個別審査の利点・懸念点について、規制当局、医療機関、現役の一般委員それぞれからの情報提供および意見交換を行う。

認定臨床研究審査委員会の審査意見業務の質の向上に向けた取組み

演者:須子美里(厚生労働省医政局研究開発政策課)

現行の各種委員会における審査意見業務適正化の取り組み

演者:神山圭介(慶應義塾大学病院臨床研究監理センター)

一般委員の資質向上のための教育研修プログラムとPPI(Patient and Public Involvement)

演者:岸紀子(CMT友の会)

中央審査で何が変わるのか?

演者:稲野彰洋(福島県立医科大学附属病院 臨床研究センター 東北臨床研究審査機構)

オーガナイザー:筒泉直樹(広島大学/大阪大)

シンポジウム14
知られざる監査の世界
~品質保証の今と近未来~

9月16日(月) 9:00〜11:00
第4会場札幌コンベンションセンター 1階 中ホールAB

座長:筒泉直樹(広島大学/大阪大学)

座長:花井貴宏(第一三共株式会社 RD・PV信頼性保証部)

概要

監査は、ISO、ICHガイドライン、GCP省令、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針および臨床研究法施行規則といった規格・規制要件のあいだで定義が異なる。しかし、規制要件、標準業務手順書および実施計画書といった基準やルールと臨床試験や臨床研究の実際の運用とのギャップを特定/検証し、そのリスクを評価するというのが、定義の表現を超えた監査の本質といえるであろう。
監査は第三者的な独立した立場ではあるが、スポンサー側のスタディーチームの一員である。そのため、監査で確認されたギャップがもたらすリスクを監査者と被監査者がともに理解すること、そのうえで適切かつ効果的な対策について協議して実行することが重要である。それによって、臨床試験/臨床研究をより適切に進め、その本来の目的達成に貢献することが監査の意義である。
しかしながら、これまで本会議において、監査に関して語られる機会はほとんどなかった。臨床試験/臨床研究の品質が改めて問われるいま、監査の手法や所見を開示し、その活用について協議を行うことは大きな意義があると考える。
本セッションでは、一般的なGCP監査の実施プロセス、近年のGCP監査所見の傾向、医療機関の監査経験、ICHガイドライン改正を視野に入れた当局査察対策としての監査の活用等について情報共有を行い、臨床試験/臨床研究をより適切に進めるための監査の活用方法について、フロア参加者とともに協議を行う。

監査ことはじめ ~監査の扉を開いてみると~

演者:重信眞理(大阪大学医学部附属病院/一般社団法人メドグラティアム)

GCP監査の実際~グローバル監査の視点とともに~

演者:花井貴宏(第一三共株式会社 RD・PV信頼性保証部)

医療機関における監査経験および品質保証サービスの活用

演者:長嶋浩貴(東京センタークリニック)

ICH-GCP (R3)時代の監査

演者:筒泉直樹(広島大学/大阪大学)

シンポジウム15(公募)
研究倫理コンサルタントもできるCRCになるには?
~研究倫理相談の基礎から研究倫理コンサルタントの役割~

9月16日(月) 9:00〜10:30
第5会場札幌コンベンションセンター 1階 107+108

座長:渡邉達也(北里大学医学部附属臨床研究センター企画開発部門)

座長:武智研志(松山大学薬学部 医薬情報解析学)

概要

臨床研究をはじめとする医学系研究は研究者のみで実施するわけではなく、CRC、研究事務局及び倫理審査委員会等の関連部門が関与することで、研究の科学性と倫理性を両立させながら進めていくことが重要である。しかし、研究者にとって「研究の科学性」への関心は高いが、「研究の倫理性」に関してはともすればおざなりにされがちな部分でもあろう。
この点について現在、臨床研究等に関する様々な研究倫理的課題に対して研究倫理学上の原理・倫理原則、考え方、研究規制・制度等に則りながら、倫理的に望ましい研究のあり方や研究方法等について専門的見地からの助言を与える「研究倫理コンサルタント」を配置する機関もあるがその数は多くない。
一方で、研究者を支援する立場としてCRC/研究事務局等は研究者から研究計画について相談を受けることも多いと思われる。その際、院内の実施体制を考慮した研究の実施可能性や単なる手続きの相談に留まらず、研究者も気がついていない可能性がある研究倫理上の課題についてもアドバイスをすることができれば、より適切な研究実施につながると思われる。
そこで本シンポジウムでは現在、実際に研究倫理コンサルタントとして研究倫理相談を行っている演者を中心に、研究倫理コンサルタントに必要な知識やスキル、また実際の業務の内容や課題を共有することで、CRC/研究事務局等をメイン業務としつつも、今後、研究倫理相談を受けた際に研究倫理的課題を考える一助になれば幸いである。

研究倫理相談に必要な基本的知識やスキル

演者:松井健志(国立がん研究センターがん対策研究所 生命倫理・医事法研究部)

臨床研究相談対応の体制構築と研究倫理コンサルタント教育

演者:山本圭一郎(国立国際医療研究センター 臨床研究センター 臨床研究統括部)

研究倫理コンサルタントの実践と課題

演者:遠矢和希(国立研究開発法人国立がん研究センター 東病院 生命倫理支援室)

CRC経験者が研究倫理コンサルタントになってみて

演者:渡邉達也(北里大学医学部附属臨床研究センター企画開発部門)

ワークショップ1
PPIを語ろう!私たちのそれぞれのPPIを考えませんか

9月15日(日) 9:30〜11:30
第6会場札幌コンベンションセンター 2階 204

座長:森山菜緒(帝京大学医学部附属病院 臨床試験・治験統括センター)

座長:勝井恵子(国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)研究開発統括推進室 社会共創推進グループ)

概要

あなたは、PPIという言葉からどのような活動をイメージされますか?
製薬企業が治験や臨床試験のプロトコルの作成段階で当該疾患の患者会などと対話の機会を設けたり、より分かりやすい説明同意文書をつくるために患者さんや一般市民から意見を聞くといったことは、PPIの取り組みの1つではあるものの、これらに限定されるわけではありません。PPIにはさまざまな形があり、そこに関わる人たちは誰も(社会全体)がステークホルダーであるといえるでしょう。
一方で、CRCをはじめとする医療機関のスタッフや企業で研究開発に関わる人たちは、PPIの取り組みに参加しやすそうで、実はそうでもありません。『関わってみたいけれども何をすればよいのか』、『どこから手を付ければよいかがわからない』と感じている方も少なくないのではないでしょうか。
本ワークショップは、CRC、モニター、プロジェクトマネーシャー、一般市民、患者など、さまざまな方々が、社会的な位置づけ・組織・役割を超えて集まり、「私たちのPPI」とは何か、考えていることや実践してみたいことなどを、お互いざっくばらんに話すことを目的として企画しました。そのヒントを提供いただく2名の演者もお招きし、併せて座長も自身の経験を少し話題とさせていただけたらと考えています。
一人の市民としてPPIを“自分ごと”としてとらえ、「社会全体でより良い医療サービスの実現に向けて共に取り組む」ために、PPIについて「知る」「考える」「念う」機会を持とうではありませんか。
PPIの活動に決められた手法はありません。バリエーションを恐れず、誰もが自分ごととして行動し、自身もそのメリットを享受できる世界を目指しましょう。

私のPP Iと仲間たち:その1~患者会から見たPPIにおける課題と役割について~

演者:若狭好(膵島細胞症患者の会)

私のPP Iと仲間たち:その2~どこにでもいる薬剤師が患者会設立に関わったことを振り返る~

演者:森山菜緒(帝京大学医学部附属病院 臨床試験・治験統括センター)

私のPP Iと仲間たち:その3~家庭内の患者との対話を通じて見えてきた家族間のPPIの重要性について伝えたい~

演者:岩屋紀子(難病サポートfamiliaやまぐち)

ファシリテーター:小村悠(国立がん研究センター東病院 臨床研究支援部門/医薬品開発推進部門(併任))

ファシリテーター:今野浩一(PMラボ ポジティブ・インテンション)

コメンテーター:筒泉直樹(広島大学/大阪大学)

ワークショップ2
新人CRC意見交換会
~グループディスカッションを通じて未来に挑戦しよう~

9月15日(日) 13:30〜15:30
第6会場札幌コンベンションセンター 2階 204

座長:興津美由紀(神戸市立医療センター中央市民病院 臨床研究推進センター)

座長:増井陽子(広島大学病院 広島臨床研究開発支援センター 治験コーディネーター室)

概要

臨床試験の品質管理・品質保証を考える上で、CRCは今や必要不可欠な存在です。CRCは被験者の人権保護を行いながら適切で必要なデータ収集をおこなう専門職としての役割を求められます。新人CRCにおいても、治験実施の現場では一人の専門職としての知識や技術を求められ、治験依頼者へは最適なデータを提出しなければなりません。一人前のCRCとなるための成長過程においては、たくさんの経験を積むことが大切ですが、そのためには周囲からのサポートを得て他のスタッフと協働しながら問題解決に辿り着くことが必要です。本ワークショップでは、2つのテーマについてグループディスカッションをおこない、事例の問題点を見極め本来あるべき姿を検討することで、みなさんの経験をひとつ積み重ねられる機会にしたいと考えています。またディスカッションを通してグループ内に同志ができることも、将来の糧となり、未来への挑戦に繋がるものと考えます。基本的な事例についてのディスカッションをおこなうため、CRCとしての経験が3年未満の方を対象に募集をしています。

ファシリテーター:表日登美(神戸市立医療センター中央市民病院)

ファシリテーター:義平祥菜(神戸市立医療センター中央市民病院)

ファシリテーター:大段妙子(広島大学病院)

ファシリテーター:田中惇子(広島大学病院 広島臨床研究開発支援センター・薬剤部)

ファシリテーター:工藤礼奈(地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター)

ファシリテーター:江島怜那(国立病院機構京都医療センター 治験管理室)

ファシリテーター:野村恭佑(株式会社EPLink)

ワークショップ3
コミュニケーションのスキルを磨こう! ~イメージを共有する~

9月16日(月) 9:00〜11:00
第6会場札幌コンベンションセンター 2階 204

座長:中野重行(一般財団法人 臨床試験支援財団 理事長 大分大学 名誉教授)

座長:有田悦子(北里大学薬学部 教授)

概要

臨床研究(あるいは創薬育薬医療)チームは、CRC、CRA、患者、医師などを含む幅広い種類の人間により構成されているため、チームのパフォーマンスの質を上げるには、コミュニケーション力が決定的に重要になります。そこで、臨床試験支援財団では、「CRCあり方会議」の期間中に、参加者を対象にして、コミュニケーションに必要なスキルを身につけたい、あるいは、コミュニケーション力をより向上させたいという希望者に、参加体験型ワークショップ(WS)の機会を提供しています。
これまで行ってきたWSのテーマは、第17回(名古屋2017)では「聴く」、第18回(富山2018)では「伝える」、第19回(横浜2019)では「話し合う」、~第20回は長崎で現地開催の予定でしたがコロナ禍のため延期~、第21回(Web開催2021)では「やわらかな1.5人称」、第22回(新潟 Hybrid開催2022)では「やわらかな1.5人称とメタ認知」、第23回(岡山2023)では「事実・感情・考えを分けて伝える」でした。
今回のテーマは、良きコミュニケーションを図るために基本的に重要となる「イメージを共有する」です。イメージを共有することを意識するとコミュニケーションが促進されることをWSで体験して、今後のコミュニケーション力の向上のためにお役立てください。初心者からベテランまで、幅広い方の参加を期待しています。

ワークショップ4
その逸脱、再発のリスク無いですか?
~RCAやってみよう!

9月16日(月) 13:15〜14:45
第6会場札幌コンベンションセンター 2階 204

座長:上田勉(滋賀医科大学医学部附属病院 臨床研究開発センター)

座長:筒泉直樹(広島大学/大阪大学)

概要

QMSは導入の意義や必要性についての認識は広まっているところではあるが、具体的に何をすればよいのかについての理解が追い付いていない状況と思われる。中でも、治験実施計画書からの逸脱管理は、多くの医療機関に共通の課題であろう。
「逸脱」は複雑な事情の中で発生することが多いが、その根本原因の掘り下げを十分に行わないまま目の前に見えている表面的な原因だけに対処して是正対応を完了すると、再発をまぬがれないことが多い。再発を防止するには、RCA(Root Cause Analysis)による根本原因の特定と、それに呼応した再発防止策が重要である。
そこで、同一の逸脱事例に対してグループごとにRCAを実施するワークショップを企画した。以下の流れに沿った課題に回答することで、RCAの考え方の流れを習得する。

① 発生した逸脱の何が問題かを明確にする(Issue That Mattersの特定)。

② 問題を構成する要素をさまざまな角度から検討する(Fishbone分析)。

③ 要素別に原因を掘り下げる。(5 Why/なぜなぜ分析)。

④ 根本原因を特定する。

⑤ 特定された根本原因に対して適切かつ実現可能な再発防止策を検討する。

なお、進行においては以下の点を考慮する。

本ワークショップの目的と取り組み方

演者:上田勉(滋賀医科大学医学部附属病院 臨床研究開発センター)

事例の顛末(RCAの結果)とRCA実施における留意点の解説

演者:上田勉(滋賀医科大学医学部附属病院 臨床研究開発センター)

講評(2班の発表内容から理解の程度についての解説と今後に向けたアドバイス)

演者:筒泉直樹(広島大学/大阪大学)

座談会1
治験使用薬についてとことん話そう!
~患者さんが治験使用薬で困ることなく、安心して治験に参加し続けるために~

9月15日(日) 13:30〜15:30
第2会場札幌コンベンションセンター 1階 大ホールA

座長:玉木慎也(KKR札幌医療センター)

座長:鶴丸雅子(長崎大学病院 臨床研究センター / 薬剤部)

概要

適正な治験を実施するためには、適切な治験使用薬の管理(受領・登録、保管、割付、払い出し、残薬回収、廃棄等)が必要である。一方、最近では治験薬や対照薬のみの管理にとどまらず、院内採用品を治験使用薬として取り扱うものもあり、多岐にわたる管理が求められる場合もある。
治験使用薬の管理にあたっては、温度管理の厳密さやLot管理等の業務負担、さらにはIWRSの煩雑さ・複雑さにより、治験使用薬を管理する薬剤師とCRC双方で、互いに業務過多となっている現状も考えられる。加えてプロトコールに定められる厳密な投与方法の遵守など、治験使用薬に関わる医療機関側のステークホルダーは日々抱える負担がますます大きなものになってきている。
治験や臨床研究を円滑に実施する上で、医療機関側と治験使用薬に関わる治験依頼者側の担当者、IWRSに関与するベンダーとの相互理解が重要と考えられるものの、十分ではないケースが多く、実際に現場では、治験使用薬の搬入が投与日に間に合わないなど様々な問題も散見される。治験使用薬の問題は治験参加者の安全性を確保した治験参加に対して大きく影響することがあり、医療現場に混乱を招くなど、大きなリスクにつながることもある。
本座談会では、実施医療機関、治験依頼者、ベンダーの担当者等をパネリストにお招きし、治験使用薬にまつわる現場の様々な課題の中から、患者さんが安心して治験に参加し、治験使用薬を使用するために何をすべきなのかを抽出し、対話を行うことでよりよい治験の実施につなげていきたい。深くディスカッションすることで、会場内を巻き込んだ有意義な時間にしていきたいと考えている。

複雑な治験使用薬管理とステークホルダー協力によるシンプル化の可能性

演者:一色晶美(日本大学医学部附属板橋病院 臨床研究センター)

SMOとして治験使用薬に関する業務の課題や希望

演者:樋口和奈(株式会社アイロム クオリティマネジメントセンター)

患者さん、医療機関双方の負担を低減するスムーズなIWRS運用における課題と留意点

演者:山下智之(Suvoda Software合同会社 Services Delivery)

Global standardとJapan localとの治験使用薬供給環境の差異と、それに伴う問題共有と対策の模索

演者:山本章(ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)

パネリスト:佐藤栄里子(京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構臨床研究支援部)

パネリスト:黒田智(岡山大学病院 新医療研究開発センター/薬剤部)

座談会2
試験実施の困りごと
~施設の枠を超えて試験全体のプロセス管理を考えませんか?~

9月15日(日) 10:00〜11:30
第5会場札幌コンベンションセンター 1階 107+108

座長:石山薫(独立行政法人国立病院機構 京都医療センター)

座長:村尾知彦(一般社団法人東北臨床研究審査機構(ACTIVATO))

概要

近年のGlobal試験は、海外ベンダーから各種資材が医療機関へ直接搬入され、手順書だけではわからない事も多くあります。また、依頼者が求める手順と通常診療の手順がかけ離れている場合、医療機関での実施プロセスの構築に苦慮します。また、同時に早期症例エントリーの取組みも必要であり、開始準備期間は慌ただしく、自施設の1例目を組み入れると予想外の実施プロセスの問題が生じることもあります。同じ試験の参加施設の状況を知りたい、相談してみたいと思うCRCも多いのではないでしょうか。顔見知りのCRCや、同一の設置主体施設のCRC同志で相談することはあっても、試験全体ではエントリー促進の検討会が多い現状です。一方、治験依頼者CRAは、実施医療機関での通常診療や手順も分からず、治験資材も手元になく、医療機関からの問い合わせの回答に苦慮している声もあります。
本プログラムでは、施設の枠を超えて試験全体のプロセス管理に繋がる方策について、CRC・CRAみんなで知恵を持ち寄り、All Japanで取り組む未来を一緒に考えてみませんか?

CRA目線での医療機関からの問い合わせ対応やSite Openまでの障壁

演者:黒崎拓也(IQVIAサービシーズ ジャパン合同会社)

ドタバタの症例登録ののち、CRCから提案したCRCミーティング(施設間情報共有)

演者:河本友貴美(NHO京都医療センター 治験管理室)

パネリスト:小島美樹子(広島大学病院 広島臨床研究開発支援センター)

パネリスト:河野ひとみ(株式会社EPLink 大阪支店)

パネリスト:滝川満美(アストラゼネカ株式会社 研究開発本部 臨床開発統括部 バイオファーマ クリニカルオペレーション部)

座談会3
どうしていますか?製造販売後の調査におけるインフォームド・コンセントと倫理審査
~患者中心の製造販売後の調査に向けた未来予想図を描いてみよう~

9月16日(月) 13:15〜14:45
第4会場札幌コンベンションセンター 1階 中ホールAB

座長:渡邉達也(北里大学医学部附属臨床研究センター企画開発部門)

座長:木俣美津夫(聖隷浜松病院 臨床研究センター)

概要

使用成績調査に代表される製造販売後の調査(以下、製販後調査)は、「医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令(以下、GPSP省令)」に基づき日常診療下で得られる診療情報等を収集し、医薬品の再審査・再評価に用いる申請資料作成のために行われる。GCP、臨床研究法及び各種倫理指針遵守の対象となる治験、臨床研究、医学研究等であれば、インフォームド・コンセント(以下、IC)をはじめとする被験者保護や倫理審査委員会による審査/承認が求められているが、GPSP省令ではその点について規定されていない。そのため、一般的にGPSP省令の範囲内で行われる限りIC等は不要という理解だが、実際には製販後調査におけるICと倫理審査の要否は、調査依頼者である製薬企業の意向と医療機関毎の判断に委ねられてきた現状があり、それらの必要性について積極的な議論はなされてこなかった。しかし昨今、日本人症例が少ない状態で承認される医薬品も多いこと等から「医薬品リスク管理計画」が導入され、その一部として製販後調査のデータ活用もされているが、それに伴いGPSP省令の範囲を超えると思われる調査(日常診療下を越える調査項目等の設定、学術目的での発表等)を見かけるようになり、調査依頼者からは個人情報保護法の観点からその点に限ってIC等を求められるケースも散見されるようになった。このように製造販売後調査の立ち位置に変化が見られている今だからこそ、改めて製販後調査におけるICや倫理審査、関連する各種問題点についてざっくばらんな意見交換とディスカッションを行ってみたく本座談会を企画した。

パネリスト:水上真喜(独立行政法人医薬品医療機器総合機構 信頼性保証第二部)

パネリスト:笹洋明(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 ファーマコビジランス部会 継続課題対応チーム3(住友ファーマ株式会社))

パネリスト:築部尚子(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 ファーマコビジランス部会 継続課題対応チーム3(エーザイ株式会社))

パネリスト:相川由紀(ノボ ノルディスク ファーマ株式会社戦略ファーマコビジランス&サイエンティフィックデータジェネレーション部製造販売後調査グループ)

パネリスト:有馬秀樹(山口大学医学部附属病院臨床研究センター)

パネリスト:近藤直樹(国立病院機構東京病院)

オーガナイザー:玉木慎也(KKR札幌医療センター)

座談会4
本当に分かっていますか?医師を知り、CRCを知り、そしてCRAも知れば百戦危うからず。
~良いコミュニケーションを行うにはまず相手のことを知ってみよう~

9月16日(月) 13:15〜14:45
第5会場札幌コンベンションセンター 1階 107+108

座長:岩﨑晋吾(エイツーヘルスケア株式会社)

座長:佐藤隆(PMオーケストラ サトウタカシ)

概要

直近10年で治験環境は急激な速度でその様相を変えており、Dr/CRC/CRAの治験業務内容も年々変化が見られる。働き方改革、新たな業務、その反対にもう行わなくなった業務など、日々変化が起こっている。また昨年までのコロナ禍においては一部リモート下での活動を余儀なくされました。実施医療機関を中心として行われてきた治験にとって、コロナが与えた影響は良くも悪くも決して小さなものではありません。ただそのコロナの功罪によって発達した技術やコミュニケーションの形式にも変化が起こっている。
昨今プライベートの場ではスマートフォンの普及、SNSの発達により音声コミュニケーションと比較し文章コミュニケーションが主流となっており、その影響もあって対面や電話などのコミュニケーション手法を苦手とする人が増えているというニュースをしばしば耳にするようになった。それは治験業界にも同じことが言えるのではないでしょうか。本座談会では治験の主たる関係者がより良いコミュニケーションを図れるようになるにはまず何から始めればよいか、それはまずお互いを知ることからだと思い、そのきっかけの場にしたい。
そして本座談会で得たスキルを明日からの業務で活用できるよう、心持を変えるきっかけとなるようにしたい。

自身の業務と一週間の流れと自分なりのコミュニケーションのコツ

演者:川本泰之(北海道大学病院 腫瘍センター)

自身の業務と一週間の流れと自分なりのコミュニケーションのコツ

演者:行方千華(名古屋大学医学部附属病院)

自身の業務と一週間の流れと自分なりのコミュニケーションのコツ

演者:新堀彩夏(シミックヘルスケア・インスティテュート(株))

自身の業務と一週間の流れと自分なりのコミュニケーションのコツ

演者:橋本尚央子(エイツーヘルスケア株式会社臨床開発第2部)

情報交換会
私たちとこれからの“CRCあり方会議”未来予想図Ⅱ

9月15日(日) 16:00〜17:00
ポスター会場札幌コンベンションセンター 1階 大ホールC

座長:佐々木由紀(北海道大学病院 臨床研究開発センター)

概要

【現地参加者全員企画】
CRCあり方会議は2001年からCRCの交流の場として開催され、札幌開催は24回目となります。2012年からはCRCが会議代表を務めるようになり、CRCのみならずCRA、臨床研究支援者、治験依頼者など様々なステークホルダーが参加する会議になりました。
本会は新たな知見を学ぶだけではなく、会議ですので、実務者の私たちが日々の工夫を披露する場、相談し合う場でもあります。
そこで、参加者が一同に会す情報交換会を企画しました。
CRCあり方会議の思い出や参加しての学び、これからのCRCあり方会議の未来予想図をみなさんと一緒に語りましょう。
様々なステークホルダーがいますが、治験・臨床研究、新たな医療を創造するという目標を掲げる仲間です。多くの仲間とつながることでWakka(よどみない水の流れ)を目指したいと思います。
そして、「未来予想図Ⅱ」の謎解きも行います。
みなさまぜひ名刺をご持参の上、ご参加ください!

パネリスト:中野重行(大分大学(名誉教授))

パネリスト:石橋寿子(第一三共株式会社)

インタビュアー:高嶋泰之(筑波大学つくば臨床医学研究開発機構臨床研究推進センター)

インタビュアー:増井陽子(広島大学病院 広島臨床研究開発支援センター 治験コーディネーター室)

コンサートマスター:筒泉直樹(広島大学/大阪大学)

教育講演1
ICH-E6(R3)最終化直前!GCPリノベーションのそもそも(なぜ・どうして)をおさらいしよう!

事前オンデマンド配信

座長:寺元剛(富山大学附属病院 臨床研究開発推進センター)

概要

GCPリノベーション(「ICH E8(臨床試験の一般指針)」の近代化と,これに伴う「ICH E6(R3)(「医薬品の臨床試験の実施基準(GCP))」への改正) は、ICH E8(R1)の改正が2022年12月に通知され、さらにICH E6(R3) (案)についてのパブリックコメント(意見募集)(ステップ 3)が2023年7~9月に行われた。ICH E6(R3)のステップ 4文書の最終化は 2024年10月頃に予定されている。また、本会でも、ICH E6(R3)改正に関連する「デジタル・トランスフォーメーション(DX)/分散型試験(DCT)」、「データの質の確保を目的とした品質管理システム(QMS)におけるクオリティ・バイ・デザイン(QBD)」、「データインテグリティ」に関するシンポジウムを予定している。
本教育講演では、ICH E6(R3)の最終化直前までの背景に関する動向に焦点を当てて、規制当局、アカデミア、製薬会社それぞれの立場で精通した方々に講演をお願いすることとした。各講演終了後に講演3者による「GCPリノベーションをどのように現場に落とし込むか」についての座談会も企画した。
本教育講演を受講いただき、ICH E6(R3)改正の背景を理解いただいた上で各シンポジウムを受講いただくことで、より深く内容を把握できる機会になれば幸いである。

ICH E6(R3)作成経緯、ガイドライン案の説明、最新動向について(仮)

演者:小室美子(医薬品医療機器総合機構 信頼性保証第一部)

E6(R3)への期待~アカデミアの立場から~(仮)

演者:中村健一(国立がん研究センター中央病院 国際開発部門)

E6(R3)への期待~製薬企業の立場から~(仮)

演者:小宮山靖(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会データサイエンス部会)

「GCPリノベーションをどのように現場に落とし込むか」座談会

演者:小室美子(医薬品医療機器総合機構 信頼性保証第一部)

演者:中村健一(国立がん研究センター中央病院 国際開発部門)

演者:小宮山靖(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会データサイエンス部会)

オーガナイザー:高嶋泰之(筑波大学つくば臨床医学研究開発機構)

教育講演2
臨床研究法、生命・医学系指針の最新の動向を理解しよう

事前オンデマンド配信

概要

我が国で行われる臨床研究には多くの規制が制定されており、研究の方針やデザイン等によって従うべき規制が異なる。特に臨床研究法及び生命・医学系指針は年々細部にわたって改正されていることも一因となり、十分な理解と遵守に労力を要する。
臨床研究法は、2018年に施行され、現在、臨床研究法施行5年後の見直しに係る検討が行われている。既に、特定臨床研究で得られた情報の薬事申請における利活用、届出・変更手続きの合理化、重大な不適合の取扱い、臨床研究審査委員会の認定要件などの見直しは行われた。今後、他項目の見直しも検討され、革新的な医薬品等のさらなる研究開発の推進が期待される。
また、生命・医学系指針についても内容が見直され、令和5年4月には、インフォームド・コンセント等手続、オプトアウト手続き、外国の研究機関に提供する場合の情報提供など、令和6年4月にはガイダンスの一部が見直された。
、臨床研究の実施において、本人同意を含む個人情報の適正な取扱いは重要な観点である。、これらの規制とは別に個人情報保護法が臨床研究に密接に関連していることをぜひ知っていただきたい。
本セッションでは、各規制の最新の動向に焦点を当てて、それぞれの規制に精通した方々に教育講演をお願いすることとした。研究の実施にはCRCのみならず多方面の分野での支援が期待されてきており、研究者以外にも臨床研究に携わる方々に規制について理解を深めるためのきっかけになれば幸いである。

人を対象とする生命科学・医学系研究に関する最近の動向と課題(仮)

演者:寺元剛(富山大学附属病院 臨床研究開発推進センター)

臨床研究法の最近の動向と課題(仮)

演者:五百蔵武士(神戸大学医学部附属病院)

研究分野の個人情報保護法の最近の動向と課題(仮)

演者:古川泰斗(個人情報保護委員会事務局)

オーガナイザー:高嶋泰之(筑波大学つくば臨床医学研究開発機構)

第24回 CRCと臨床試験のあり方を考える会議 2024 in Sapporo 運営事務局

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〒060-0807
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E-mail:crc2024@congre.co.jp